《心の隊員》のみなさま!
15秋の鉄観音《心の隊員セット》、やっとご紹介です~~っっ!!
(製茶の様子はこちら:15秋天♪鉄観音:記事&画像追加準備中)
15秋は、おとんと私にとって「初めての審査結果」となり(詳しくは後ほど)、ひとまずの製茶人生集大成のような品質結果になっていて、これを茶友に飲んでいただけることを思うと、心から感無量です。
ただ、今回は、年明けから数ヶ月作業できずその状況も説明もできない状態が続きまして、本当に本当に大変長らくお待たせいたしました。
ご紹介する茶葉たちは、時が経つほどにおいしさも評価も高くなるため、そういった意味での心配はなかったのですが、やはりお約束の時からとてつもなく遅れてしまいましたので、この間ずっと楽しみに待っていてくださった《心の隊員》のみなさまには大変申し訳なく、深くお詫び申しあげますと同時に、ここまでお待ちくださり心より感謝申し上げます。
ようやく整い(そうなところまで来)ましたあああ~~~っ♪
今夏は、あっつぅぅぅーーーい鉄観音で、「おいしいデトックス」☆(笑笑)
ぜひお楽しみくださいませっ!
さて、突然ですが、15秋から新しく《魂の隊員》=「魂組」が登場します!!!
・その経緯は:
今年2月の品茶会にて、状況や価値等を熟知している茶友たちからご要望があり、参加者全員意見一致で誕生。
・その内容は:
『手工以外全種:各50g参加&簡易包装』、『各100g参加だと=「W魂」』。(詳しくは後ほど)
という、「ど魂級の製茶仲間」専用のお徳用セット☆
参加費用は大きくなりますが、返ってくるものはそれにも増して大きいものがあると、経験者として、そして製茶人&評茶師として、お約束できます。
ご興味ある茶友は、ぜひ一度ご検討いただけますと大変ありがたく、どうぞよろしくお願いいたしますっ♪
それでは。
15秋の茶葉は
◆《心の隊員茶(心の隊員セット)》:昨秋より1種増えて「8種」
◆《特別研究茶葉(オプションセット)》:「9種」(生態茶・老茶樹・手揉2・一泡球5)
セットは、計7種類
・《心の隊員セット》:3種
・《オプションセット》:3種
・《魂の隊員セット》」1種(※心の隊員茶と特別研究茶葉がミックスしているため、別枠で紹介)
もちろん、全て「非物質文化遺産・鉄観音伝承人茶園限定※」の原料茶葉です♪ (※昨秋の紹介記事ご参照ください)
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◆《心の隊員セット》(詳細は後ほど)
1.≪隊員の心≫ :10,000円(予算オーバーセットのため、おひとり1セット限定)
2.≪副隊長の心≫:22,400円(何セットでも希望可)
3.≪隊長の心≫ :67,200円( 〃 )
◆《心の隊員オプションセット》数量限定(詳細は別記事で)※隊長組&魂組のみ選択可:特別研究茶のため
1.≪精霊が宿る樹≫ ~生態茶、最期の大樹の下で~ :21,100円(生態茶・老茶樹)
2.≪原始の魂手箱≫ ~200年前の鉄観音~ :14,400円(手工:手揺手揉・手揉)
3.≪秘密の小箱≫ ~世界でここだけのSecretTea~ :20,500円(手工:一泡球)
新◆《魂の隊員セット》(詳細は別記事で)
1.≪魂の心≫ :210,000円(何セットでも希望可)※もれなく「魂返し」付き(謎)
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(↑↑↑後ほどまた詳しくご紹介します↑↑↑)
さてさて、今秋の茶葉について、次の順番(★1~11)で書きました。
がんばって減らして書きましたので、がんばって読んで下さいませ。(笑笑)
先に茶葉内容を知りたい方は、文章飛ばして一番下の方を見てみてね、読むのは後でごゆっくりどうぞ~♪
★1.15秋は、幻の『仙朴花鉄観音』
★2.おとん、審査放棄?お手上げ!
★3.『そういうこと』、ってどういうこと?
★4.『もしも来年、また。。。』
★5.真実の告白
★6.『作り方は愛子に聞けば分かる!』
★7.主任評委おとんの特異体質
★8.神レベルの評茶
★9.『茶王賽のお茶は、愛子の鉄観音の一煎目にも及ばない』
★10.「おとん鉄観音」から、「愛子鉄観音」へ
★11.謝々カード、初「作り手」登場
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★1.15秋は、幻の『仙朴花鉄観音』
『仙朴花☆ これもこれも。。。すごい、全部仙朴花だ。。。不思議だ、どうなっているんだ?!?!』byおとん
おとんによると、今秋の茶葉は、手工の一種を除いて、全部『仙朴花香』がするそうだ☆
鉄観音の香りは、仕上がりによっていろんな系統に例えられるが、代表的なものに花の香りがある。
その中でも多いのは、蘭花香と桂花香。(他には、梔子花・梨花、等々)
蘭花香は作りやすく、現代茶には多い。
桂花香も比較的出やすく、次に多い、伝統茶には多かった。
当然、それぞれの香りはひとつではなく、その中でも多種多様なタイプがある。
『現代的な』『伝統的な』、『高貴な』『親近感のある』、『黄色の』『白の』、強弱・高低、等々。
さて、仙朴花。
仙朴花香は非常に珍しく、出ることは稀で、一般的には出回らないので、知る人は少ない。
その香りは、蘭花香や桂花香と違って、おとんでも年に1~2種あるか全くないかだったそうで、これまで数えるほどしか作ったことがないし、狙って作れたことはないし、どうしてそうなるのかも分からない、という、『知る人ぞ知る幻の香り』だそうだ。
いや、、、私も狙ったわけじゃないよーーー。
いつもどおり一生懸命作ったら。。。、結果、たまたまそうなっただけ~~!!!(笑笑)
どんな花か?
私はまだ、『仙朴花』という花を見たことがない。
だから、本物がどんな香りかを知らない。
なので、「おとんが仙朴花香と表現する茶葉に共通する香気がある」とは言えるが、「仙朴花香がする!」という感覚は全くない。
おとんは、もちろん知っている、小さい頃から『普通に』山にあったそうだ。
が、今はもう無い、一昔前まで『そこらへん』にあったそうだが、どうも天然野生の紅芽と同じ頃に絶滅した様子。
おとんから聞き出したヒントは、『春』『白』『樹花』。
で、絵に書いてもらったが、、、これがさっぱり分からんッッッ!!!(おとん、絵を書いたことがない)
専門書で調べても出てこないので、おそらく学名ではない。
福州の茶友たち(植物学者・バードウォッチングの先生、学校の先生、等々)も全国の情報網を駆使して探してくれているのだが、早3年、いまだに分からず。
ついでに言うと、おとんにとっての『蘭花香』である野生の『鉄山蘭』も、同様に見つかっていない。ヒントは『黄』。
その地方の植物図鑑の写真をおとんに見せて。。。と思ったが、図鑑が存在しなかった。
ということで、私にはどちらも、謎の花。
そして、この秋のお茶。
おとん曰く、何度飲んでも(信じられないので確認している)、日を変えて飲んでも、手工の一種を除いて、『間違いない!!!全ーーー部、仙朴花☆ ふあああ~~♪』、だそうだ。
ということは、15秋の隊員茶は、全~~~部、『仙朴花鉄観音』☆
当然、仙朴花香にもいろんなタイプがあるので、どれも特色は異なり、同じ香りはふたつとない♪
でも。。。
愛「これって、好いの?」(←できれば、違う花香系の茶葉をいろいろ揃えたかった)
お『当然だよおおおーーー☆ こんな貴重な茶葉はない!! 誰も持っていない!! 他の香りはまた作れる!! これはまた作れるとは限らない!! それがこんなにいくつも!!! ひとつやふたつじゃないんだよ!!! やったあああーー♪』
だそうですっ♪
★2.おとん、審査放棄?お手上げ!
この秋の、こんな審査結果を経験したのは、おとんにとって(当然私にも)、初めてです。
審評の最終結論で見た「おとんのあの反応」と言ったら!!!。。。何度でも真似できる。(笑笑)
11月の山の家、おとんと数日に渡る審評の最終日。
一通りの総論をふたりで話し合い、隊員茶の最終結論を出す(並べて順位を決定する)段階で、またおとんは止まっていた。
しばらくして、ひらりと両手を広げて一言、『そういうことっっ』。
そのまま、並べることなく、満足気にその場を???、。。。離れた。
ちょちょちょちょ、ちょっとー待ったあああーーーッッッ、なにそれっっっ!!!
『そういうこと』って、どーいうことおおお~~~。
おとん、結論出すの(並べるの)放棄するなーーーっっ。
お『違うよー、放棄したんじゃないよ、だって『そういうこと』だもの、仕方ないよ~~』
おとん、いつもだったら、パパパッと並べる、とても早い。
お茶に対する記憶だけは非常によくて(嫌味ではない、笑笑)、そこまでの数時間の審評結果を正確に記憶しているので、途中で多少悩むことはあってもそこまで来るとすでに決断できていて、迷うこと無くあっという間にグループ分けや順序並べをする。
ところが、今回は全く違った、こんな反応、初めて見た。
「両手を広げて」「立ち去る」。。。。。。お手上げじゃないか!!!
15秋は、『そういうこと』なのだ。
★3.『そういうこと』、ってどういうこと?
今秋の隊員茶の審評は、非っっ常~~~に、困難を極めた。
『並べられない』
『煎ごとにトップが入れ替わる、それも、かなり高いレベルで』
『全種がトップにくる』
おかしい、おかしい、と、何度やっても、抜きつ抜かれつの大混戦。
おとんとふたり、飲めば喜び(作り手として)、評価で悩み(評委・評茶師として)、もう一度飲んでみては喜び、そして再び評価で止まり。。。
これを繰り返した。
審評は一度ではない、何日もに渡って条件を変えて何度も行う、のだが。。。
・順位がつけられない
・足を引っ張るもの、落とすものがない
・粗を探しても出てこない
・マイナス要素が見つからない
・不安要素も出ない
・回数重ねる毎にどれも加点が増えていく
・どれもに特殊で高い特別要素が出ている
・全種が一グループに属する、グループ分けができない、等級の差がない
・並べられない、トップの横一列
・トップが常に入れ替わる
・困った
何度やり直しても、超級の好試合の繰り返しで、おとんも私も本当にどうしようかと考えた。
嬉しいけど、困った。
私は、今だにどうしようか迷う時がある、、、しかし、結果は結果、事実だから変えられないし、おとんじゃないけど「仕方ない」。
おとんは評茶の達人で、等級分けや順位付けなどの、仕分けがめちゃくちゃ早い。
なのに、今秋は、それができなかった。
こういう結果は、体験したことがなく、見たことも聞いたこともなく、人生で初めてだそうだ。
接近戦はこれまでにもあったが、順位が付けられないことはあっても、等級グループにすら分けられない、という結果は初めてだ。
いつもの審評だったら、かなりの接近戦でも、2~3のグループには分けられる。
例えば。。。
1:特別に希少価値の高い、秘宝グループ
2:不安要素が残るかも?、気になるグループ
3:1&2以外の万歳上等、合格グループ
「2」の気になるグループは、毎シーズン1種くらいはあるものだ。
審評では分からなくても、製茶中に不安を感じることがあればそれも含めるので、将来的な可能性も考慮に入れ、そういう種類は「2」として最初から等級を下げておく。
が、今秋は、そういう不安要素をもつ茶葉がひとつもない。
おとんによると、全部が「1」。
お『愛子、全て秘宝グループだよ。。。、すごい、一体どうなってるんだ☆』
愛「まったまたーー、ウッソだあああ~~~!!!」
と、言ってしまったが、おとんは笑っていなかった。
いつになく真剣に、静かに、止まっていた。
そういうときのおとんは、何か深く考えを巡らせているのだが。。。、何を考えていたのだろう。
そして、出た!!!
ひらりと広げた両手を空中でピタッ、と止めて一言、
『そういうことっっ』
そう言って、そのまま並べずに、満足気にその場を去っていく。
おとんと一緒に審査を続けて14年、そんな反応のおとんを見るのは全く初めてで、なんで順位付けを放棄するのか、その瞬間は意味が分からなかった。
ちなみに、今秋のおとんはここ数年ないくらい体調が好くて、評茶は絶好調だった。
しかも、政府に呼ばれて安渓鉄観音の茶王賽の評委(審査委員)をやってきた直後だったから、記憶が鮮明で、反応はより素早かった。
ここ数年の中では一番信頼性が高いのだが、私はなんだか信じられなくて、でも現実だし、そしておとんの言うとおりこの再現は難しいだろうから、この際出すのを一切止めて全部取っておこうか!!。。。なんてことを、おとんとコソコソと話し。。。帰国後も本気で何度か思った。(笑笑)
結果、15秋の隊員茶は、『全部同じ等級』『全種トップ』になってしまった!!!
そういうことっっ☆
★4.『もしも来年、また。。。』
お『もしも来年、またこんな結果にできたら、本当にすごい☆、愛子、もしそうなったら本当に本当に「大変な事」だ!!!』
それを聞いたふいみん副隊長、速攻でこう言った。
ふ『おとん、毎年そう言っていますけど!!!去年も同じこと言いました、忘れたんですか???』
お『いやいや、今年はもっとすごいんだ。去年は僅かに気になるのがひとつあった、でも今年はひとっっつもない。毎年どんどん好くなっていく、進歩がとても早い。そうだ、この2年ずっと好い、でも今年はこれまでの2年とは比較にならないくらい本当にすごいんだ。。。もしも来年、またこんな結果になったら。。。』
ふ『ですから。。。、毎年『ここ2年』と、もう「5年」は同じこと言っていますけど!!!』
お『へー?ほんとにーー??』
愛「おとん、体調悪かったから、もしかしてここ数年の記憶あまりないんじゃない?今年は久しぶりに体調好いし、飲んだばっかりだから印象に強くて、そう感じるんじゃないの?」
お『そうか!それもあるかもしれないなぁ。。。忘れるなんて、あーもったいない。。。だけど、今年のは本当にすごいんだ!!!もしも来年、また。。。』
愛「試しに、5年分飲んでみる?」
お『好ー♪』
★5.真実の告白
今秋の審査が終わって数日後、興奮が少し収まった頃。
おとんとふたりきり、静かな山の家、一緒に座ってお茶しながら(これは品茶)、語り合っている時。
お『愛子、今秋のお茶どうやって作ったの?覚えてる?自分はこんなお茶たち作った経験がない、ずーっと考えているんだが、全く分からない。』
お『愛子とふたりきりだから言えるけど。。。、自分は7割失敗していた、好茶は3割だ。愛子のように全部が好茶なんて、そんな成功したことは、一度もない。事実だ。どうすればこんなこと出来るのか、本当に分からない。けれど、他の人よりは好茶が多かったのは確かだし、茶王も何度か取っていた。だから、周りはみんな、自分が作った茶葉を「どれも好」と言うけれど、自分の心の中では全くそうは思っていなかった。。。、それが真実だ。』
おとん。。。なんて正直な人なんだろう。
純粋に、興味があるんだろうなあ。。。作ることに。
心から知りたいんだろうなあ。。。、どうすれば好茶になるのか。
何十年も探求し続けてきたんだろうなあ。。。、ずっとひとりで。
疑問に答えてくれる人も調べる方法もなくて、ただひとりで考えながら、作り続けて来たんだろうなあ。。。何年も、何十年も。
私の製茶は、そんなおとんの基盤があるから、その上で成り立っているだけだ。
もちろんだよ、おとん!
なんでも聞いてー!!
そして、できれば、例え一日でもいいから、次は一緒に作りたいっ♪
★6.『作り方は愛子に聞けば分かる!』
おとんと私は、基本、作り方が違う。
作り方というより、工程の進め方、と言った方がわかりやすいかな。
傍から見たら同じことをしているように見えるかもしれない。
どちらも伝統法で、教科書的な工程(手順と言うべきか)は同じ、写真に撮ってブログ等で紹介したところで、画像にその違いは写らない。
学者系の専門家が現場に来ても、その違いの意味が解る人はまずいない。
が、実際は、それぞれの「決め」のポイントやタイミング等、ほぼ全ての工程の進め方が大きく違う。
しかし、それらの指標は全て、作り手の「五感」による判断のため、表には一切見えない。
私にはおとんの作り方がわかるが、おとんには私の作り方が分からない。
おとんにとって私のポイントやタイミングの「決め」感覚は、「好茶になる」感覚ではなかったり、「失敗する」認識の方が強かったり、学者情報による先入観があったりして、あまり試したことがなかったり一度もやったことがないような未知の領域が多く、想定外なのだ。
そのため、どうして今秋のような結果のお茶になるのか、おとんには想像ができない様子。
また、おとんだけでなく茶農家さんたちは基本、ちょっと乱暴に言ってしまえば「作りっぱなし(作って売っておしまい)」で、製茶の記録どころか振り返ったりする習慣がない。
いや、彼らにとっては『ある』のかもしれないが、こちらの基準では「ない」に等しい。
記録・分析・仮説・実験・検証等々の意識や習慣がなければ、成功は再現できず、失敗は繰り返す。
お『このお茶、どうやって作ったの??どうしてこうなったの??何日考えても全く分からないんだ。』
愛「どの部分が知りたいの?」
お『みんな覚えてる?』
愛「多分。ノート見れば正しく思い出す、持ってくるね」
お『そうかっっ!愛子はノートに書いているから分かるんだ!!!』
愛「うん。これまで作ったお茶は全部、記録できることは全て記録している」
お『今秋の、もう一度作れる?』
愛「全く同じのを作るのは不可能だけど、似たような再現ならできるはず」
(おとん、子供のような笑顔満開~~♪)
お『そうだよ!愛子が覚えてる!すごいぞ!!このお茶の作り方は愛子に聞けば分かるんじゃないか!!!やったあーー☆』
愛「あははははーー、やったねー♪」
【補足】
この地方の多くの茶農家さんの場合。
ごくごく最近まで学問の教育を受ける機会がない(習慣がなく、教育機関もない)のが一般的だったため、(内陸に入るほど農民のほとんどが)読み書きができない。
(※おとん世代の場合:昔徴兵した男性は、最低限の読み書きを覚えることができた)
(※おとんの娘たち世代:女性は基本一切教育を受けていないので、現在30代の妹でも数字も書けない)
読み書きを知らないので、私がノートに記録していても、その目的や意味が理解できない。
何百年も続く素晴らしい茶葉作りは、そんな都会から遠く離れた山奥に住む彼らが、日々の生活の中で口伝えと実践により、生涯をかけて伝承してきた。
そのような背景のため、「実際に茶葉を作って生きてきた彼らからの直接の情報の記述による製茶記録」が存在する可能性は限りなく低く、国家茶葉研究院の先生達曰く、やはり現在わかっている範囲では存在がないそうだ。
★7.主任評委おとんの特異体質
私たちの鉄観音の審評をしている『評委』は3人。
ひとりの伝統鉄観音伝承人と2人の国家一級評茶師、おとん・愛子・ふいみん。
『主任評委』はおとん。
そのおとんは、ある種の特異体質だと思う。
性格もちょっと特別。。。、なのだが、それは今は脇に置いておく。(笑笑)
あの「特異体質」は、先天的なものだと思う。
そこに後天的なものも加わって、揺るがないものになっている気がする。
とにかく、「自分の体に触れるもの」に対して、リトマス紙かセンサーのような感覚の体を持っている。
中でも、「口に入るもの」「好物(ごはん・お茶)」に対して敏感で、「不純物」が少しでも混ざっていると瞬時にアレルギー的に反応し、「恐怖の鳥肌」を立てる。
逆に、「おいしいもの」や「特別なもの」が鼻や口に触れると、全身が「歓喜の弛緩」状態となり(失礼だが、ちょっと笑える)、その反応は速攻で正確でブレがない。
その体質は、私がおとんと出会って15年以上、変わっていない。
特に、鉄観音茶に対する反応は、ある種、神がかっている☆
齢60を過ぎ、体調がひどく悪いときでも、「ごはん」と「鉄観音」に対しては、普通の人の数倍の嗅覚味覚が効いている。
本人曰く、体調が悪いときは『全く感覚がない』らしく、世の中から色彩が消えたかのようにがっくりしているが、傍から見ると、それでも「一般人より感じ取っている」のがはっきり分かるから、絶好調の時は一体どんな感覚なんだよっっ!!!、と、驚く。
おとん家族曰く、若い時はもっと反応は鋭かったそうで、お茶は一口飲めばその茶樹が植わっている山の場所まで分かってしまって、嘘をつけなくて怖いくらいだったそうだ。。。一体どんな動物級!?!?
更にすごいと思うのは、そこにきて、あの性格だ。
一般的な人間なら、例え感じていても私情が入りやすいものだが(作り手の場合は特に)、おとんの場合は、感じたものに対して私情が影響しないどころか、体が勝手に「好い方」に反応してしまい、頭はどこかへ置き去りになる。
だからか、審査の時は体と頭が別々で、肝心なことを説明しているのに聞こえていなくて勝手に「行っちゃっている」場合も多く、少々困るときもある。
だが、だからこそ、逆に信頼できる。
誰が作ったものでもおいしいものはおいしい、好い物は好い、自分が作ったものでも下に来るものは下、茶葉の前では私情が影響しない。。。。そこが仙人級だ。
そんなおとんだから、例え体調が悪いときでも、私たちの茶葉の審査には、必ず毎回参加してもらっている。
例えその時に体調が悪くても、審評はその場だけでなく、その後も数ヶ月は継続するので、私の帰国後はネット電話(おとんは携帯で受信)で、遠隔審評を一緒にしている。
はっきり言って、あのおとんがいなければ、私ひとりでは正確な審評はできないと思う。
(できると思うようになってしまったら、それはそれで危険・・・。)
少し前に、ある茶友から、老鉄(過去のビンテージ鉄観音)の品茶をしている時に、言われた。
友『すごいなー、本当に等級は嘘をつかないねー!、当時はわからなかった、今になるとはっきり分かる。』
愛「いえいえ、等級が嘘をつかないんじゃなくて。。。、「等級決めをした人」が嘘をついていないんですっっ!!!(笑笑)」
★8.神レベルの評茶
私が思うに、おとんは「製茶」よりも、「評茶」が神レベルだ。
あの感覚をもってすれば、若い時から、自分が作ったお茶の中から正確に、特別な茶葉・特別な等級を、選び出すことができたはずだ。
誰よりも評茶ができるから、誰よりもおいしいお茶に反応し、誰よりもおいしいお茶に執着し、誰よりもこだわって作り続け、誰よりもおいしいお茶が選び出せたから、中央に出しても誰よりも勝ち抜いて来られたのだと思う。
2000年以降、安渓各地で数々の鉄観音の作り手に会ってきたが、「おいしい!」「もっと飲みたい!」と感じる茶葉はほとんど出会えていない。
それは、評茶(※品茶ではない)ができる作り手が、極端に少ないからだと思う。
残念ながら、どれだけ人が好くても、その人が作ったお茶が好いとは限らない。
・評茶ができる製茶人でないと、おいしいお茶は作れない。
・製茶人でないと、正確な評茶は不可能。
このことは、道理だ。
ただ、おとんは、学問の機会に恵まれなかったこともあって、言語化することが不得意だ。
反対に、専門的な言葉を並べる人は山程いるが、その内容は疑問に思うことの方が多い。
例え言葉に表せなくても、おとん以上に正確に評茶ができる人に、私はまだ会ったことがない。
そのおとんには、香りや味わいがどんな風に感じているのか、交代できるものなら一度その体を体験してみたいと、前々からずっと思っている。
私がどんなに訓練をしても、おとん級にはなれない。
あの特異体質は、「あの山で生まれ・育ち・生き・努力してきた」「おとん」だからこそ、神さまが授けたのだと思う。
そんな神レベルの評茶ができるおとんが、10年以上いつもいつも、失敗茶も含め全ての茶葉を一緒に評茶してきてくれたから、私はここまでのお茶を作れるようになったのだと思う。
★9.『茶王賽のお茶は、愛子の鉄観音の一煎目にも及ばない』
スミマセン、、、おとんのセリフです。
(ここだけの話しです、、、中国語訳厳禁ね、よろしくっ!)
茶王賽の審査を終えたおとん、ものすごくがっかりしていた。
おとん、おいしいお茶飲むの大好きだから、評委の仕事も楽しみにしていたのに。
『はぁ・・・、ひとっっっつも、好いお茶が無かった・・・。』
『茶王の3煎目でも、愛子のお茶の一煎目の色すら出ていない』
『みーーーんな、現代茶、商品茶!』
『あれじゃー、どれも白湯だーッッ』
冗談ではなく、今の安渓鉄観音の現実。
『安渓鉄観音は、中国中のお茶好きから信用をなくしている。』
『極端に現代化が過ぎて、商品化しすぎた現代の安渓鉄観音の現状だ。』
『緑茶や台湾烏龍茶の影響を受けすぎて、本来の鉄観音の好さが消えてしまっている。』
と、安渓政府の指導者も、ここに来て(やっと)、問題視するようになったとか。
茶王賽の審査後、おとんと指導者たちは、そのことについて、長く話し合ったそうだ。
このままではいけない、と。
今さら遅いよ・・・。
もう戻せないよ・・・。
でも、指導者が現実を認めた、っていうのがすごい!
これまでだったら、考えられない流れだ!!
もちろん少数派かもしれないが、このままの状態で好いと見過ごすよりは、大いに希望がある!!!
そんなこともあった直後に、山の家での審査だったので、
『茶王賽のお茶は、愛子の鉄観音の一煎目にも及ばない』byおとん。
お茶を作る目的が違うのだから、そこと比較しても意味は無いのだが、己を知る意味で、比較することも時に大切だ。
私は「中央」と比較する機会が少ないから、おとんのお蔭で知ることができて、正直、非常にありがたい。
他の人の感想は、個人的に疑問に思うことも多いが、おとんの評茶は信頼も信用もできる。
おとん、次もよろしくね。(笑笑)
★10.「おとん鉄観音」から、「愛子鉄観音」へ
ふいみん副隊長から届いた今秋の謝々カード(ふたりで作っている)の下書きに、『15秋愛子鉄観音』と書いてあった。
ふ『だって、実際そうじゃない? おとん作ってないし。』
ふ『もう数年前から「おとん鉄観音」とは言えないのでは? 技術もおとんの知らない愛子独自のものだし。』
確かに、もう何年も前からそうなのは隊員のみなさまご存知の通り。
早、7年。。。、かな。
しかし、「原料はおとん」のだし、「技術の基礎もおとん」だから、個人的には「おとん鉄観音」でいいかな、と。
状況を考えるに迷った時もあったが、自分からはあえて変更せずそのままにしてきた。
それに、自分で自分の名前付けるのって・・・、抵抗がある。
だが、実際おとんは、2009年の途中から製茶を指揮していない。
年々、用事(来客・電話・睡眠・昼寝等)が優先で、作業は手が空いた時に手伝う程度になり、次第に現場から姿が消え、製茶を横で見る機会も少なくなっていった。
13秋は、昼食後と夕食後は、すぐに長い時間寝るようになっていた。
14秋は、一日も山にいなくて(体調不良で安渓にいた)、私は最初から最後まで一人暮らしだったっけ。
15春は、山の下の製茶所にいて、初日にもう製茶を停止すると言った(それも覚えていないほど体調が悪かった)。
15秋は、体調回復したが、「おとり(来客避け)」のために山の下の製茶所にいて、山の家には隙間をみて数時間顔を出すくらいに。
終に、この秋の審査では、
『愛子!!!どうやって作ったの???こんなお茶たち作った経験がない、全く分からない。』byおとん
仕方ない・・・。
ここはひとつ、ずっと側で見てきた副隊長のアドバイスのとおりにする、ことにしたっ!
書で言う「落款※」、と受け止める。(※「落款」は完成の意、「落款」を含めて完成作品。)
茶葉も私の作品、人様に飲んでいただくに値する納得する茶葉に仕上がった、という完成の意、その完成茶葉に対して作り手として責任を持つ、という意。
そう解釈すると、すっきり馴染む。
それと、もうひとつ。
中国では、すでに、『愛子鉄観音』で通っているそうなので。
『中国で「おとん鉄観音」は意味不明でわかりにくい、「愛子鉄観音」が伝わりやすく説明しやすい。』
と、副隊長&現地の茶友達。。。確かに、それもそうかも。
そんなことで、今秋から便宜上「愛子鉄観音」と表記することにしてみましたが、その全ての素晴らしい原料は「おとん鉄観音」であり、その全ての高度な技術の基礎は「おとん鉄観音」です☆
そのことは、永久に変わりません。
★11.謝々カード、初「作り手」登場
15秋は初めてがいっぱい☆
「おとん鉄観音」から「愛子鉄観音」に成長した記念?(笑笑)に、「謝々カード」の背景画像も(隊員茶用&特別茶用、共に)、初めて「人物」入りを採用!
これまでは、「作り手だけが見ることができる現場での茶葉の瞬間」をテーマに、みなさまが品茶しながら少しでも「作り手視点」の茶葉の世界を手元で味わえるようにしたかったので、私が撮影した画像を使い、主役は茶葉なのであえて人物が入らないように選んできた。
しかし、今秋は違います☆
今秋は、初めてふいみん副隊長撮影の画像を採用し、初めて画像の中に「作り手」が登場っ!!!
ふ『今秋はこっちの方が合う、作り手が入っても好いと思う!だって15秋は、ある意味「愛子の製茶人生の集大成」と言える結果だものっ☆』
文字を載せてみると。。。、好い。
新鮮だし、何より15秋に「ハマっている」感じ。。。決定☆
とてもお気に入りのこの2枚。
「天・地・人」、全てが一枚の画像に写っている!!!
「天・地」は当然、「人」も撮られていることに気づいていない、その自然な雰囲気が特に好い。
さすが副隊長☆
これまで作ってきた何十枚を並べてみると、全部が繋がってストーリーになっていて、15秋終に、それを作っていた人物の正体が出たー!、という感じ。(笑笑)
これを手にすれば、心は画像の中に瞬間移動しちゃうっっ!!!
一緒に作っている素敵な妄想が止まらないこと、間違いなしねっ☆(笑笑)
どうぞお楽しみに~~♪
さあーて、お待たせいたしました! 15秋の《心の隊員セット》の茶葉たち、ご紹介~☆
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◆《心の隊員セット》
1.≪隊員の心≫:4種各1袋(7g真空):計4袋:10,000円(送料別)
1.【風王】–14号–論頂1—2代15歳–◎
2.【星王】–16号–論山2— 〃 –◎
3.【空王】–18号–論山23– 〃 –◎
4.【氣王】–19号–論山34– 〃
※【ニックネーム】–採茶日–地点–茶樹
※◎=同原料一泡球あり
※全種頂級挑梗
※製茶人=愛子
—————————————————————–
2.≪副隊長の心≫:全8種各1袋:計8袋:22,400円(送料別)
3.≪隊長の心≫–:全8種各3袋:計24袋:67,200円( 〃 )
1.【花王】–13号–論山4—2代15歳–★◎
2.【風王】–14号–論頂1— 〃 —-◎
3.【光王】–15号–論頂2— 〃 –☆
4.【星王】–16号–論山2— 〃 —-◎
5.【空王】–18号–論山23– 〃 —-◎
6.【氣王】–19号–論山34– 〃
7.【初代樹:天韵】–21号–四巻上–2代58歳
8.【初代樹:地響】–22号–四巻下– 〃 —-◎
※1袋=7g真空
※【ニックネーム】–採茶日–地点–茶樹
※★=同原料手揺手揉あり
※☆=同原料手揉あり
※◎=同原料一泡球あり
※全種頂級挑梗
※製茶人=愛子
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◆備考
※≪隊員の心≫のみ:予算オーバーセットのため、おひとり1セットまで(単品分けは制限なし)
※≪隊員の心≫以外:何セットでもご希望OK(大歓迎です!)
※「単品分け」:参加してくださったセット内の茶種に限る
※《心の隊員オプションセット》:特別研究茶葉のため、「隊長組&魂組」のみ選択可
※ご希望量が多い場合:お届け時期分け&キープ可(何でもご相談ください♪)
◆希望するセットの連絡方法
★これから参加のみなさま
すでに茶友:ご希望のセット名と数量をメールでお知らせください♪
初めての方:《心の隊員》募集記事へどうぞ!(参加申し込みフォームがリンクしてあります)
★すでに参加のみなさま
これまでに参加メールくださったみなさまへは、これから私から順番にご返信していきます。
ただし、《心の隊員オプションセット》ご紹介の記事がまだですので、そちらを先に仕上げます。
《心の隊員オプションセット》ご紹介記事の投稿後、一週間しても私からメールが無い場合は、『参加メールが届いていない』と思ってください。
その場合は大変申し訳ないのですが、どうか今一度ご連絡いただけないでしょうか、よろしくお願いいたします。
私からの返信が届くまで、この記事をご覧いただき、「何組」に参加するか再度ご検討いただきながらお待ちいただけますよう、よろしくお願いいたします。
すでにご連絡いただいている「心数」は、予算目安として製茶資金に計上していますので、
近い形でお願いいたしますね!!!増えるのは大感激ですーー☆(笑笑)
◆発送
第1回:8月上旬(目標)
その後:順次
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それでは、私からの返信メールが届きましたら、「セット決定」メールくださいませ。
楽しみにお待ちいたしております、どうぞよろしくお願い申し上げまーす♪
《心の隊員オプションセット》ご紹介♪・・・(準備中、しばらくお待ち下さい)・・・に続く
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【お知らせ】
◆「オプションセット」ご検討中の「隊長組&魂組」のみなさま!
記事は少しお待ちください。
先にここで簡単に内容をお伝えしますので、それで決定できる方はどうぞ記事の投稿をまたずに「隊員セット決定メール」と同時にご連絡くださいっ☆
数量限定ですが、それぞれ何セットでも「希望可」、但し、希望者がオーバーした場合は調整します、ご希望通りにならない可能性がありますこと、どうぞご了承くださいませ。
1.≪精霊が宿る樹≫ ~生態茶、最期の大樹の下で~ –:21,100円
【生態茶】【老茶樹】×各3
2.≪原始の魂手箱≫ ~200年前の鉄観音~ ——–:14,400円(手工)
【手揺手揉☆花王】【手揉☆光王】×各2
3.≪秘密の小箱≫ ~世界でここだけのSecretTea~ —:20,500円(手工)
【◎花王】【◎風王】【◎星王】【◎空王】【◎初代樹:地響】×各1
新!《魂の隊員セット》
1.≪魂の心≫–:210,000円(簡易包装) ※もれなく「魂返し」付き(謎)
10種(隊員茶8種+【生態茶】【老茶樹】)×各7(50g分)