「【老茶樹】の樹:in金風山」カテゴリーアーカイブ

最終判断はその日に

朝から隊長は、茶樹の中で助手の小紅と打合せしている。

すでに、製茶前の各地点を助手と回って全ての茶樹の状態等を確認し、天気予報を参考にしながら日程も考慮して、製茶計画を立ててはいるものの、状況は刻々と変わっているので、『最終判断はその日になってみないとできない』そうだ。

今日摘む場所の最終判断をするため、候補の原料を見ながら最終打合せ中。

同時に、目の前の原料を摘む際の注意事項(各地点ごとに違うらしい)を質問形式で再確認させている。『小紅が茶摘みの監督兼リーダーだから、まず小紅がきちんと理解できていないと全員に私の要求が伝わらない』、なるほど~。

さて、今日はどこの茶葉を摘むのかな?

隊長、大興奮

愛子は茶樹の中を歩きながら、またまたひとりで話している。

『あの雨』の春?とは『対照的』な『この晴』の秋?『両極端』?
『今年は天とスリル満点&超難関な高度の遊びをしているみたい』だって。

どういう意味だろう?いつもの春や秋とどう違うんだろう?


なになに?
『ちゃえき』?『ダイヤモンド』発見???

ちゃえき、、、って何?
ダイヤモンド、、、ってどれ?

『宝石』?『お宝探し』??『海賊』????『おいしいよ』?

うーん、よくわからない。
が、どうやらとてつもなく『おいしい』お茶になる予感♪ それだけは分かった!

愛子隊長、大興奮の巻。

よい?よくない?

老茶樹の中で、愛子は小紅に確認事項を聞きつつ、教育的指導。

天気や原料の話をしているときに、小紅が言う『よい』『よくない』に対し、愛子は『誰にとっての?』『何にとっての?』『どのあたりが?』『どのように?』と質問し、返事に困っている小紅に細かく説明をしている。

他ではそんなこと聞く人いないし、みんな同じような会話していて何の問題もなく過ぎているからか、小紅は返事ができないでいる。しかし、他では通用しても愛子に対してそういう返事は通用しない。普段からやり方だけでなく、なぜなのか、というものごとの考え方から説いている。

『もっとおいしいお茶』を作るためには『当たり前』で『重要』で『基本』、なのだそうだ。

きれーい♪

最初は、金風山の老茶樹に会いに行くみたい~♪

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金風山の山頂に到着。

【老茶樹】はこの山頂にある、ほんの少しだけ。

晴天の山で、老茶樹(周りより背が高い樹)だけ葉が輝いている。
きれーい♪
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愛子はさっそく小紅と打ち合わせしている。
『黄金度』や『成熟度』など各地点の毎シーズンの確認事項をチェックし、この場所の今回の原料状態について話しながら、今シーズンはいつベストの製茶日がくるか予想を立てている様子。

講義の続き

愛子は一通り確認したあと、小紅に剪定のレクチャーの続きをした。
東山の果樹園の話で説明、愛子がこれまでの人生で出会った最高の剪定の達人といえば東山のおとんだそうで。

愛子はおとんの剪定の方法がずっと不満らしく、すでに十年以上毎年毎年おとんに細かく丁寧に説明しているのだが、おとんはいまだに改善できない。ここ金風山の老茶樹はほかの地点に比べると一番いいほうだそうだが、それでも昨年よりは不満らしく、ここを含めすべての地点の剪定を改善したいそうだ。そうすれば全ての地点がもっとおいしいお茶になると言う。

そのために愛子は先月いつもより時間をかけてこの場所を含めた各地点をおとんと一緒に周り、おとんに直接剪定のレクチャーをしたのだが、今回小紅にも同じような内容を説明して理解してもらい、自分のいないときに彼女からもおとんに説明できるようにしてサポートしてもらうのが目的のひとつだそう。

例えば、密度の話では、どのような枝を残してどのような細い枝をどのように切るか、中をもっと空かしておかなければカビ・虫・病気が発生しやすく、主幹・原料に大きく影響する、きちんと間引きをして中のいい枝に風・空気・太陽が行き渡るように、また、今のように密集しすぎていると、春のような気候では雨のあとに葉が乾くのに時間がかかり、剪定がよければ摘めるのに今の剪定の方法では摘みたいタイミングに摘むことができないから製茶つまり品質に大きく影響する、などなど。

小紅はおとんの数(百)倍早いペースで理解したようだ。

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「葉液」?
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レクチャー中
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愛『小紅がちゃんと教育を受けていたらいろいろできそう。学び、応用する場があればきっと勉強が楽しいと思う。』