一泡球つくりは、手先の器用な女子の仕事。
女子会みたいにおしゃべりしながら作ってる。
楽しそうでしょ?
一泡球つくりは、手先の器用な女子の仕事。
女子会みたいにおしゃべりしながら作ってる。
楽しそうでしょ?
『これだよー!おとん!ほかのところもこんなふうにして~~!!』
愛子が燕石頭の茶樹を見て興奮気味にひとりで話している。
愛子は長年おとんに『もっと原料の品質を上げるため』の茶樹の管理方法、剪定の改善方法を伝え続けているのだが、なかなか、、、。
おいしいお茶を作るためには、いい原料が必要で、いい原料にするためには、よい管理が必要、というのは誰でもわかりそうな道理だが、、、
『そういう視点で剪定している人を鉄観音の産地ではまずみかけない、産地全体で剪定の方法にかなり問題がある、それが普通になってしまっている、おとんもしかり。周りがみんなそうだし、周りから比べればおとん家はまともだからか、誰も問題を感じていない。でも私はもっと好くしたい、そうできる樹だ。やれば結果が出るが、やらないからいつまでも結果が出ない。結果が出なければ、やる目的が実感として伝わらない。おとんはいつも私から聞いたときだけは分かった感じになっているが、実際やるときは職人たちに伝えきれていない、内容の監督ができていない、本当の意味で理解していないからだ。だから何年経っても結果が出ない。』
要するに、愛子がもっとおいしいお茶を作るためには、おとんの剪定に対する理解を深めることが必要、ということ?
『そう、すべてはそこから。』
それは、、難しそう、、、実際、愛子は本当に長年苦戦している。
ところが今回は、『これだよー!』と喜んでいる。
え?変わったの?!
え?『ダイヤモンドが全体に散らばってる』って?
『きらきらー』?ええーー?どれどれーー?私にも見えるかな!
、、、わ、わからない、、、。
愛子が言うには、だいぶよくなってきたらしい、けれど、まだまだだそうだ。。。
おとん、がんばれー
地点巡りは、まだまだ続く。
次は燕石頭へ。
途中、民家の敷地を横切る、、、ちょっと道を譲ってね、ごえー(鶏)たち。
燕石頭到着。
また隊長が興奮している!今度はなんだろう?
製茶時のこの風景って本当に好き。だからいつも似た角度になる(笑)。
愛子は小紅に何やら指導中。いわゆるOJTみたいな感じかな。
小紅は製茶にかかわる年月が長いけれど、市場流通品のやり方に慣れているので、愛子の要求やその背景にある理由をよく言い聞かせて、ここのは全く違う茶葉だという意識が抜けないように、常に教育しないとだめだという。
愛子の要求する茶摘みは、機械摘みが主流の今では珍しくなった手摘みであることは大前提で、さらに茶樹の横・下・中は摘まない、芽も若い葉も摘まない、などなどの条件をクリアした「完熟の原料」のみを選んで摘み取る、いわば「贅沢な摘み」なのだ~
今年最初の茶摘みだ。今日はおかんを含めた3人組で、3人とも地元のベテラン。
岩を登っていく。
皆さん、茶葉の詰まった籠を持ちながら軽やかに岩から岩へ移動。
愛子が選ぶ鉄観音の樹って、昔からの樹が多いから、急斜面や山の頂上やこういった岩場が多くて雨が降ると滑り落ちるリスクがあったりして、実は危険な場所が多い。
現代は平らな茶園が多いし機械で摘んでいるから聞かなくなったけれど、以前、ほかの茶園で土砂崩れや地滑りで命を落とした茶摘み工人がいると何度も聞いたことがある。
朝、お茶を飲みながら愛子が茶摘みのタイミングを見計らっている。
摘みたいけれどまだ時間がかかると言う、葉が乾ききっていないからだ。しかし乾いただけでは摘めなくて、乾いてからの『葉の動き』が重要で、その『動き』で摘むタイミングを決めるそうだ。なのでまず乾いてくれないことには何も始まらない。
晴れてはいるがなかなか茶樹の中の枝や葉まで乾かない。
昼過ぎ、愛子は朝から観察していた茶樹たちを確認し、小紅を呼んだ。茶摘み開始!
いくつかの茶摘み候補地点の茶樹を最終確認し、2か所に決めた。まずは燕石頭。茶摘み隊、出発!
燕石頭、ここの特徴のひとつは人より大きな黒っぽい岩がごろごろしているところかな。
茶樹たちは、その隙間に生えているような感じで、樹にたどり着くのに岩や斜面を登らなくてはならないから一苦労する。
製茶の順番について話し合うふたり。あと1地点。