丁寧なお茶

丁寧なお茶を作りたい

丁寧なお茶が飲みたい

丁寧の先に生まれるお茶が好き

 

 

雑なのは嫌だ
がさつなのは嫌だ
強引なのは嫌だ
無理矢理なのは嫌だ
手抜きなのは嫌だ
適当なのは嫌だ
汚いのは嫌だ
不潔なのは嫌だ
騒がしいのは嫌だ
慌ただしいのは嫌だ
無神経なのは嫌だ
無思慮なのは嫌だ
無責任なのは嫌だ
いい加減なのは嫌だ
だったら作らない方が好い

天地に逆らうのは嫌だ
茶葉の声を無視するのは本当に嫌だ
見ていて辛い
側に居て痛い
飲んでキツい
だったら作らない方が好い

 

 

天地の波を感じ
天地の波に乗る
その大船に身を委ね
そのリズムに合わせる

茶葉の声を聞き
茶葉の声に耳を傾ける
その音色に包まれ
共に進む
ゆっくりと
ゆったりと

心を澄ませ
天地の流れを読む
星の瞬き
風の動き
虫の響き
静かに
時間をかけて
少しずつ

天を愛でるように
地を慈しむように
ひとつひとつ
瞬間を尊び
ひとつひとつ
心を添えて

 

 

その先にだけ出会えるお茶がある

宇宙から降り注ぐ星星たちのように
無限に姿を現しては輝きを変えていく香りたち
地球から湧き出でる泉水たちのように
無数に姿を現しては深みを増していく味わいたち

たった一度だけ
その日だけの
天と地と人の合流
一世一度のご縁

感じられないなら
感じて作れないなら
作らない方が好い

 

 


作れる
丁寧に
思うように
嬉しい
嬉しい
奇跡に感じる
この時代に
ありがたくて
ありがたくて
心が満たされる

 

 

丁寧の先でしか生まれない美しさ
そういうお茶に惹かれる

丁寧の先でしか現れない香りや味わい
そういうお茶が飲みたい

丁寧の先でしか出会えないおいしさたち
そういうお茶をもっと作りたい

もしも丁寧に作れなくなったら
きっと私は
作るのをやめるだろう