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大事なことは繰り返し伝える

翠岩山から近道を通る。
歩きながらレクチャーを続ける隊長。ここでも剪定の話。
大事なことは繰り返し言わないとなかなか認識してもらえない。
繰り返しても認識してもらえないことが多いけれど、それでも繰り返すしかない。

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古茶樹のところに到着。
まずは黄金度、成熟度などをヒアリング。これは『助手の製茶前テスト』だそうだ、ヒアリングしながら小紅の理解度や認識度や正確度などを細かくチェックし、そこで愛子が不足と感じる内容を再度別の方法で説明し、更にその説明した内容を翌日以降に始まる実践でひとつひとつ教え込んでいっているそうだ。なので毎シーズンのこの製茶前の小紅へのヒアリングは非常に重要で『おいしいお茶を作るために欠かせない』という。
次に確認した地点状況を整理する。

講義の続き

愛子は一通り確認したあと、小紅に剪定のレクチャーの続きをした。
東山の果樹園の話で説明、愛子がこれまでの人生で出会った最高の剪定の達人といえば東山のおとんだそうで。

愛子はおとんの剪定の方法がずっと不満らしく、すでに十年以上毎年毎年おとんに細かく丁寧に説明しているのだが、おとんはいまだに改善できない。ここ金風山の老茶樹はほかの地点に比べると一番いいほうだそうだが、それでも昨年よりは不満らしく、ここを含めすべての地点の剪定を改善したいそうだ。そうすれば全ての地点がもっとおいしいお茶になると言う。

そのために愛子は先月いつもより時間をかけてこの場所を含めた各地点をおとんと一緒に周り、おとんに直接剪定のレクチャーをしたのだが、今回小紅にも同じような内容を説明して理解してもらい、自分のいないときに彼女からもおとんに説明できるようにしてサポートしてもらうのが目的のひとつだそう。

例えば、密度の話では、どのような枝を残してどのような細い枝をどのように切るか、中をもっと空かしておかなければカビ・虫・病気が発生しやすく、主幹・原料に大きく影響する、きちんと間引きをして中のいい枝に風・空気・太陽が行き渡るように、また、今のように密集しすぎていると、春のような気候では雨のあとに葉が乾くのに時間がかかり、剪定がよければ摘めるのに今の剪定の方法では摘みたいタイミングに摘むことができないから製茶つまり品質に大きく影響する、などなど。

小紅はおとんの数(百)倍早いペースで理解したようだ。

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「葉液」?
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レクチャー中
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愛『小紅がちゃんと教育を受けていたらいろいろできそう。学び、応用する場があればきっと勉強が楽しいと思う。』

各地点へ巡回スタート

まずは『魔』の棲む場所へ。

ちょうど来た日の前日とその前日に大雨が降っていたそうなのであちこち滑りやすくなっている、危険度MAXの道のり。

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途中小紅と合流した。
道中に野生の梔の花。同じ花でも状態によって香りが違う、花の香りに例えるときは何の花のどのような状態かが重要、と説明する隊長。

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到着!

審査二日目:奶香

気になるヴィンテージをじっくり飲む!

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途中、「奶香」の話題になり、安渓にもともと牛乳や乳製品はなく、おとんはこれまで牛乳も生クリームもヨーグルトもバターもチーズも口にしたことがないのに、おとんにとっての「奶」はいったい何なのかについて愛子がおとんに疑問を投げかけた。

愛『鉄観音にいつから「奶香」という表現を使うようになったの?誰が言い始めたの?外地人?本地(安溪)人?昔から伝統茶に「奶香」という表現はされていたの?いつから聞くようになった?おとん、牛乳の「奶香」は知らないでしょう?おとんにとって「奶香」って何が一番近い?この地方で昔からある「奶」といったら母乳か羊乳(ヤギの乳)だよね?でも羊乳の香りはこれとは系統が違うし。』

お「どっちも違う。」
愛『じゃあ何?』

おとんは、40年ほど前よく売られていた2~3元の缶詰めの保存食品に「奶香」があったといい、錆びて真黒になった缶を出してきた。小麦粉をベースに、油や、粉ミルク(???)などが配合されているという。お湯で溶かしてオートミールのようなイメージで子供や年配の人が食べたそう。

愛子の推理、おとんは若いとき軍隊で服役していたので、軍隊の食事は非常によかったらしく、一般家庭では食べられない上等な脱脂粉乳みたいなものを食べる機会があったと思う、そこで記憶されて、ほかのものに少し配合されれば感じ取れるのではないかと。

では、安渓地方の昔からの「奶香」って何???と愛子は十年来の謎がまだ解けないみたい。確かに、言われると本当に謎。

無人畑

タケノコを取りに桂桜渓の近くへ。

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だれもいない畑で、タケノコの皮が散乱。。。すでに全部取られていた。

だれもいないから、取っていいというのはなんだか、、、イノシシやサルじゃあるまいし。
日本にある野菜の無人販売所を見たらここの人たちは驚くだろうな。

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おとんはそれでもまだ土の上に出ていないタケノコをみつけてくれた。
愛子がタケノコの処理について言おうとしたらおとんは別の場所にタケノコを採りにすばやく移動していた。呼べば呼ぶほど遠くへ。

もうおとんの頭の中にはタケノコしかないんだろうな。
実に常にシングルタスクで瞬間集中型。