愛子 のすべての投稿

スタートが要

おいしくないお茶」、の続き。

「渋みや苦味の原因は、原料と技術の多方面であげられるれど。。。、まず大きいのは原料状態かな。スタートにすでに原因がある場合は、その先どうしようもないことが多いから。」
おとん考え中。。。

 

◆愛子の場合

「私の原料は、摘む前からものすごくこだわっているよね。完熟のみ。未熟なのは摘まない、混ぜない、作らない。地点も混ぜない。摘む時間も摘み方も指示が細かい。。だよね?」
『そのとおりだ!』

「家に届いた段階で、他と比べてどお?揃い方とか、全体の様子とか、同じ?」
『あー違う違う。愛子のは様子が全部同じだ、非常に綺麗!他は色々混ざっている、揃っていてもそこまで揃っていない。』

「スタートが違うと、その先いろいろ変わってくるでしょ?はっきり言うと、その先の加工が全部変わる。」
おとん考え中。。。

「加工技術の話しになると際限なく広がっちゃうから、今は置いといて、、、まずは原料状態ね、全ての出発点だから。」
『好。』

 

そして話題は、「昔の鉄観音(原料)」へ。。。

 

◆昔の場合

「昔と比べるとわかりやすいかも。昔、山で摘んでいた頃、家に持って帰って晒青して広げた時、その全体の様子とか葉の状態って、どんな感じだった?今と違うところ、ある?」
おとん、思い出し中。。。

「大丈夫、ゆっくりゆっくり、ひとつずつね!」
『好!』

 

・採茶

「昔、おとんが山の野生の茶葉だけで作っていた頃、摘む原料はどんな【標準】だった?」
『あー【標準】なんて無い無い。行った時に摘める樹を探して摘むんだ。』

「葉の大きさは?」
『大きいのも小さいのも、なんでもあったさ。』

「芽も、柔らかい未熟な葉も、摘んだ?」
『もちろんだ、全部摘む。残せば他の人に摘まれるだけだ。』

 

「今のように剪定していない、自然のままの茶樹だよね?」
『当然だよ、茶樹は2~3メートルあって、数名で一本の樹を囲んで、左手でこうやって枝を下に引っ張って、右手でこうやって摘んだんだよ。』

「同じ樹だったら、どの枝も葉の大きさとか厚さとか、同じだった?」
『違う違う、上の方、中の方、下の方、みーんな違う。』

「一本でたくさん摘めた?」
『多いのも少ないのもあった。遠くから見るとたくさんあるように見えても、目の前まで行くと実際摘める葉はほとんどないこともしょっちゅうだ。多いと言っても、今の樹と比べると全然少ないよ、野生樹だからね、大きな樹でも茶葉になる部分はそんなにない。』
(剪定しなければ発芽量は少ないしね)

 

「今より摘むのに時間がかかった?」
『そのとおり、今のように要領よくは摘めないよ。全員で一本を囲んできれいに摘み終わったら、また次の樹へ移動する。そうやって山を歩きながら何箇所かまわるんだ。』

「場所が違うと、同じ紅芽でも、茶樹の高さや葉の大きさも違うのでは?」
『そうそう、森林の中にもあるし、岩だらけのところにもある、葉が大きい樹も小さい樹も、なんでもあった。』

「原料状態は、今に比べてバラバラだよね?」
『そうだ、バラバラだ。なーに、野生のは今のようには揃わないさ。』

 

・運茶

「家に持って帰るまで、今より時間かかったでしょ?」
『もちろんだよ。今のようにバイクや道もない、山の中を籠や麻袋を担いで、動物に襲われないようにみんな固まって歩くんだ。近くに見える場所でも、実際歩くと時間はかかる。』

「大きさや硬さも揃っていなくて、芽も未熟の葉も混ざった原料を、何時間もかけて家まで運んだ?」
『そうだよ。』

「家に着いた時点で、すでに部分的に変色していなかった?紅いところなかった?」
『そうだ、あったかも。。。』

「摘んでいる横で、山で晒青した日もあったんでしょ?そういう日は、もっと変色していたのでは?』
『は!そうだったかもしれない。』

「手感は、今と比べてどお?柔らかくない?論山より生態茶に近いのでは?」
『そうだ、確かに!生態茶に近い。』

 

・晒茶

「晒青開始した時点の香りは、今と同じ?その変化速度はどお?」
『はっきりは思い出せない。。。基本は同じだと思う、けれど、少し違う気もする。速度は日によって違ったかな。』
(それはそうだ)

「晒青撤収までの、全体時間はどう?」
『もっと短かかったような。。。そうだ、もっと早かった!』
(まあ、全体量も違うんだけどね)

「揺青開始する段階で、色とか手感とか、その全体感はどお?」
『全体の様子は。。。今に比べると揃っていなくて、いい加減な感じだ。』

 

◆分からないまま進むと

「昔のお茶が渋かったのも苦かったのも、なんとなく想像できるよ。スタートの時点ですでにその原因が含まれていて、そこだけを取り除くこととが知識的にも技術的にもできなかったのだと思う。そして加工中に、更に増やしたり新しく産出してしまっていた、のだと思う。」
おとん考え中。。。

「もちろんおとんは他の人より優れていたし研究していたけれど、それでも、手工の時代に成功や失敗の原因がわからなかったことがあるんでしょ?」
『あるある。』

「原因がわからないまま、時代が変わっても進めば、問題点だって継続されるはず。」
『は!』

 

「茶園の茶樹の時代になって、全体量や原料状態が大きく変わって、電気が通って加工法も大きく変わって、、、早く量産できるようになったでしょ?」
『そのとおり。』

「逆に、もっと分からなくなったんじゃないかなあ。。。だって、大掛かりになるほど、問題点を抽出することは難しくなるから。」
おとん考え中。。。

「改善されたことはたくさんあるだろうけれど、解決されていない基本的な問題点が消えたわけじゃないでしょ?」
おとん考え中。。。

「渋みや苦味は、相変わらず生まれたでしょ?」
『そうだ。でも、ないときもあったよ。』

「手工の時代だって、ないときはあったでしょ?」
『あった。』

「だったら、それは偶然だよね。狙ってそうなったわけじゃない。」
『そうだ、たまたまだ。もう一度同じようにしても、そうはならないんだ。愛子みたいに百発百中で成功なんて無い、考えられない。』

 

◆記録なしで考えると

「多分、私は考えながら作っているから。。。」
『自分も考えながら作っていた。。。』

「もちろん、そうよね。でも、考える範囲とか深さとかが、違うのだと思う。だって、記録がないと正確に思い出すことはできないから、印象に残っているイメージとか、その場で思い付いたこととか、その数日間気になっていることとか、そういうことを考えながら試してみる、そんな感じでしょ?」
『あーそのとおり、考えが浅い。。。』

「おとんはいつも深く考えているよ。けれど、分からないことがあっても確認する方法がなかったから、そのままになっているだけだと思う。だって、今でも頭の中はいつも『どうして?』でいっぱいじゃない。」
『そうだ、教えてくれる人なんてだーれもいない、聞いてもだれも答えられない、今のように学校も本もない、確認しようがない。ひとりでやって、ひとりで考えるだけだ。』

 

◆もっと知りたいから

「あ、そこはちょっと似ているかも!だって、「私の知りたいこと」を教えてくれる人は、今でもだーれもいないよ。」
『研究院は?』

「理論と実践は違うじゃん。教室で学べるのは自然界の一部分だよ。現場の疑問を学者に聞いても解決しないこと、おとんはいつも経験しているでしょ?」
『あーーそのとおりだーー。』

「仕方ないから自分で記録して、自分で確認しているの。だって、知りたいもん、どうやったらもっとおいしいお茶ができるのか。」
『知りたい知りたい!』

「だよねー!だから、茶葉が仕上がったら全部、製茶中の記録と照らし合わせて、確認して、分析して、調べて、また考えて、そうやって15年以上、いつも研究しながら作っているんだよ。」
『そうだ、記録!だからわかるのか!はー、ずっと知らなかった、どうして愛子がいつも書いているのか、やっと分かった!!記録~~~。』

 

「あ、現代茶(市場の商品茶)が渋いのはまた別の問題ね、現代技術の話しでちょっと視点が違うから、、、。」
『好。』

 

 

渋みや苦味の原因は、多方面にある。

例え原料が好くても、それを活かす技術が伴っていないと、苦味や渋みは出てしまう。
その技術面については。。。、複雑すぎて、言葉だけで説明するのは難しい。

おとんが、昔のお茶が『渋かった、苦かった』というのは、想像できる。
状況から考えるに、渋みや苦味を出さないようにしたくても出てしまう要因が、
原料が家に届いた段階で、すでにいくつもあるから。

スタートは要。
加工スタート時、原料状態の標準が違うと、その後のすべての道が変わってくる。
揃った原料とそうでない原料とでは、動きが違うので加工法が違う。
その加工中、技術的原因が分からないまま進めば、苦味や渋みはさらに増えただろう。

その代わり!!!

そこには、今のお茶には出せない「風味」があったことも、想像できる☆
私は、今のお茶にはないその当時の独特の「風味」に興味がある!!!
おとんの言うところの『野味(天然の味・野生の味・自然の味)』、という表現が近いかな。

当時問題だった苦味や渋みの多くは、今なら取り除くことができるだろう。
だけど、その状況から生まれる「独特の風味」は、、、作れないんだよなぁ~~~。
昔の環境の再現なんてできないし、、、あああ~~~。

 

さて、話題は、「昔の作り方」に突入~~♪
昔のその原料を、どうのように加工したか!!!

来た来た。。。個人的に一番興味があるところ~☆

おいしくないお茶

おとんにとって『おいしくない』って、どんな鉄観音??

もちろん、長年一緒に飲んでいるから、その反応から経験的に知っている。
でも、はっきり聞いたことはない。
おとんが、具体的にどういうお茶を、『おいしくない』、と感じているのか。

 

今飲んでいるのは、うぇいうぇいのこの秋の現時点での一番好いお茶。
買い付けに来た商人達からは大絶賛で高値が付き、本人は嬉しいだろう。
だから、工人使って今朝おとんに届けさせた。
でもおとんは、『おいしくない』、を連発・・・。(※表では決して言わないよ)

聞いてみよう。

 

◆味のないお茶

「どこがおいしくない?」
『何の味もしない、、、白湯みたいだ、、、愛子のお茶の2日目(飲み倒した後の状態)より薄い、、、(絶句)』

「味が薄いのはおいしくない?」
『そりゃそうだよー、お茶なのにお茶の味がしないんだから。』
(そりゃそうか)

「おとんは、こういうの作ったことある?」
『ここまでのは無い、薄いのはいくらでもあるけど、一番薄くてもっと味が出た。これは、渋みも苦味もなんにも無い、、、(シーン)』

 

◆渋いお茶

「おとんが昔自分で作ったお茶で、おいしくなくて不満だったのは、どんなお茶?」
『渋いお茶。』

「渋いのはおいしくない?」
『ダメ、渋いのが一番好くない、どうやっても消えない。昔は多かれ少なかれ、みんな渋みがあったんだ。』

「どれも渋いの?」
『そう、渋いから子供の頃はお茶が大嫌いだった。父親(おじい)が作ったのも渋かった。自分だけでなくみんなそうだから、お茶はそういうものだと思っていた。』

「他の人が作ったのも渋い?」
『あーダメダメ、他はもっと渋い、飲めたもんじゃなかった、大人になっても人が作ったお茶を飲むのは本当に嫌だったよ。周りと比べれば自分は少ない方だった。けれど、愛子みたいに渋みが全く無い甜いお茶なんて、ほとんど作ったことがない、他で飲んだ記憶もない。』

 

「渋みが無い、って好いの?」
『好いに決まってるさーー、みんなそうしたくてもできないんだから。どんなに甘くておいしい味があっても、そこに渋みがあったら台無しだ。』

「そうなんだ。。。渋みを出さないように作れば?」
『ん?どうすればそうできるのか分からない。どうして渋くなるのか、分からないんだ。』

「理屈がわからないで作っている、っていうこと?」
『みーんなわからない、昔の人は学校に行ったこともないんだ。誰も知らないさ、教えてくれる人もいない。みんな見よう見まねで、なんとなく、適当に作っているんだ。』

「そうか。。。でも、もともとお茶ってそういうものだものね。」
『そうだとも、親や周りがやっているのを見て真似する、みんなそうだ。学も無いし、理屈なんて分からないさ。』
(どこの産地も基本は同じね)

 

『どうして愛子のお茶はちっとも渋みがないんだろう?なんでみんな甘いんだろう?苦味もないし。。。』
「それは、そうなる原因を作らないように加工しているから。。。」

『?愛子はわかるの?』
「うん、多分わかっている。もちろん、まだわからないこともあるけれど。」

『それはすごい、なんでわかるんだ?』
「だって、製茶中、全部記録しているから。。。理論も学んだし。」

『はー、そうか!記録!!!そんなこと誰もしたことがない。』

 

◆苦いお茶

「昔のお茶は、苦かった?」
『苦味も、多かれ少なかれ、どのお茶にもあった。』

「苦いのはおいしくない?」
『微苦は好い、でも苦すぎるのはダメ、だが渋いよりはまし。時間が経つと消える苦味もあるし、回甘になる好い苦味もあって、それを好きな人もいる。でも、渋みは時間経っても絶対に消えない。』

(そうね、苦味は味だけど、渋みは反応だから。。。特におとんは、そのあたり敏感だろう。それに苦味は、正常なものと異常なのがあるから、実際に飲まないと判断できない。)

『そういえば愛子は、ここ数年、苦味も少ない。。。どうしてなんだろう??』
「そうなる可能性を作らないように進行しているから、だと思うけど。」

『?どうやるんだ?』

 

よっしゃ☆
おとんの興味が移ってきた。話題を、「昔の鉄観音」に、もっていこうっっ!!!

民間人の薬用茶

朝の話題は、中医(漢方医)以外の民間人の薬用茶の活用について☆

「餅茶」は医者用。
なら、一般人は?

形状は分かる、手揉の「散茶」(製茶過程で固めずに乾燥させた茶葉)だ。
それを、医学の専門知識のない一般人は、どうやって薬用として使っていたの?

 

これまで15年以上、安渓のあちらこちらで話題にして、いろんな人から聞いてきた。
でも、みんな断片的。
前後関係も不明、かなり適当(話を盛る、想像や創作が混入、等)。
個人的には、聞くほど疑問が増えていく。
私は、ありのままを、もっと正しく、具体的に知りたい。

全体像をまとめて話せる人が、いないのよねぇ。。。

 

おとん、がんばって思い出して!!!
一地域、このあたりに限った話でいいから。
「餅茶」のインタビューーで、昨夜記憶の扉が少し開いたからね!
聞くなら今がチャンス☆

湯を沸かしながら、インタビュー開始。

 

【メモ:今朝聞いた内容】
◆テーマ:漢方医以外の民間人の「薬用茶」とその活用方法について

◆概要:『あるにはあったが貴重、持っている家は少ない、文化や知識がある民間人はほとんどいないから。製茶した野茶を茶瓶に保管し、1000天毎に[火共]焙、または冬蜜に漬けて保存。必要な時に少しずつ飲む、3gで十分。古くなればなるほど効果がある。(以前聞いたのとほぼ同じ内容)』

Qどんなときにどうやって飲む?
 A腹痛、消化不良、げっぷ等 → 「塩茶」:必要な時に鍋で少量の塩と茶葉を一緒に炒ったものをお碗や大杯等に入れ熱湯で抽出
 A下痢 → 「冬蜜と一緒」に、或は「冬蜜漬け」を、お碗や大杯等に入れ熱湯で抽出
 A常時 → そのまま淹れる、お碗や茶具等で。清涼解毒、保険(予防?)
Qいつ頃まであった?
 A多分、真空機が使われ始めた90年代中頃(茶葉の保存方法が変わったから?)

 

湯が湧いた。

『さっき届いたばかりのお茶をみんなで飲んでみようっっ♪』byおとん
早朝、工人が食料と一緒に届けてくれたらしい。
【現代茶】、うぇいうぇいの新茶だ☆
そうしようそうしようっっ♪

しまった・・・。

おとん、これをひとくち飲んで、悲しい顔に変わってしまった。
ひとくち飲むたび、『おいしくない』、と繰り返す。
『おいしくない・・・。愛子のお茶の2日目より薄い・・・。本当においしくない・・・。』

ひぃぃぃーーー。
もうおとんの頭は「薬用茶」から離れてしまった。
今おとんの頭の中は『おいしくない・・・』、で支配されている。

こうなったら、しかたない。
数あるインタビューテーマのどれかに繋げないと。。。
気候が回復してきた、製茶開始が近い、インタビューの時間はもうすぐなくなる。
もっと昔の話を聞いておきたい。

いつのまにか話題は、「民間人の薬用茶」→「おいしくないお茶」に。。。
ここから、「昔の鉄観音」の話題に、つなげるのだ!!!

 

まず知りたい。
おとんにとって『おいしくないお茶』、って、どんなお茶??

鉄観音の餅茶

昔、このあたりには薬用の「餅茶」があったんだって☆
(※餅茶=緊圧茶の一種、製茶過程で圧縮して円盤型にした茶葉)

「鉄観音の餅茶」だよーーー、うわあああ~~♪
薬用茶については、これまでにもいろいろ聞いてきたけれど、これは初めて聞いた!!!

薬用なので、原料は当然、「野茶」=天然野生の紅芽鉄観音。
その「餅茶」ーーー、うわあああーーー☆

 

【メモ:昨夜聞いた内容】

◆テーマ:このあたりの昔の「薬用茶」について
◆おとん証言:『いくつか種類があるが、「餅茶」もあった』

Qどこにあった? A中医(漢方医)の家
Qいつ誰が使う? A中医が病人に処方
Qどんな病気? A中医に聞かないと分からない
Qだれが作る? A中医が薬草が分かる農民にオーダー
Q作り方は? A非常に簡単、野茶(=天然野生紅芽鉄観音)を殺青後、布で包んで、石?かなにかの重しで押しつぶして圧縮後、ゆっくり乾燥。何年も寝かせる、年月が経つほど効果があり高価になる
Q大きさは? A大小不同
Q形状は? A不均一、標準はない
Qどうやって使う? A単独ではなく、包丁で必要量切って、他の中薬とミックスして処方。泡(茶具と熱湯で抽出)するのではなく、煎じて飲んだり、塗ったり?
Q作ったことある? Aない
Q作っているのを見たことは? Aない、現物は何度か見た
Q処方している現場を見たことは? Aある
Q最後に見たのはいつ? A成人前、10代の頃。(1970年代前半頃か?)

 

「塊にした鉄観音」があったなんて、初めて聞いた!!!

「商用」のだったら、時々見かけるよ。
茶市場や観光地の店で、以前から売っている。
でもあれは、「鑑賞」や「収蔵」目的で作られた「商用茶」。

だけど、これは「実用茶」の話し。
昔の人々の生活の中で、実際に「薬用」として「活用」されていた鉄観音。
すでに絶滅した習慣。。。

 

わあああーーー、飲んでみたい~~~、どんな味がするんだろう~~♪

想像するに。。。
おいしい感じではないだろう、原料のままに近い。
加工はほとんどしていない、とってもシンプル。
おいしさは追求していない、嗜好品ではないからね。
加工も保存も、飲み物としてではなく、薬草の効能を活かす方向よね。
「塊」にしておくと、保存力しやすく、他にもいろんな効果が期待できるし。。。

 

塊?!

あれれ??
そういえば、私、似たようなもの作ってるわ!
一泡球~~☆

あれも、鉄観音の「塊」だ!
もしも中身が「天然野生」だったら、一泡球は間違いなく「薬用球茶」(笑笑)だねーーー♪
一泡球が1000天超えたら、どんな味香りになるんだろう???

疑似体験できるのでは??
手揉じゃないし、餅茶でもないけど、緊圧茶という意味では同じ。
一泡球以外に、鉄観音の塊なんて見たことないし。。。
うん、できるとしたら一泡球しかない!

1000天超えが、薬用茶の一条件。
一泡球を最初に作ったのが13秋だから。。。、そろそろ1000天。
できるじゃん!

でもあれは作れる数が少なすぎて、手元にほぼ残っていないや。
誰か品茶会に持ってきてーーー。(笑笑)

 

「鉄観音の餅茶の老茶」、か。。。わあああ~~~~、どんな味どんな味♪(想像中)
もし一泡球が薬房の天井にいっぱい吊るされていたら。。。どひゃあーーか~わ~い~~♪
妄想が止まらない。(笑笑)

ここまで、昨夜の簡単な流れ。

 

朝のインタビューは、この続き。
「民間人の薬用茶の活用について☆」

餅茶は、医者用でしょ?
じゃあ、医者以外の一般人は、どうやってお茶を薬用として使っていたの?
具体的に知りたい!

朝はだまれ

早朝、安眠中。
おとんの大きなおしゃべり声(電話している)で、目が覚めてしまう。
まただ・・・。

おとん、うるさいーーーー!!! 朝は、だまれーーー!!!

本当に腹が立つ。
安眠中に、すぐ近くで、延々と大声で話され、無理やり目覚めさせられる。
これ、たまらない。

 

慌てて口に指を当てても、もう遅いわ。
何百回同じこと繰り返している?
自分が起きたら世界中も起きるのか?
まだ寝ている人間がいること、そういうときは静かにすること、忘れる。
いや、知ってはいるだろうが、情報と言動が連動していない。

製茶中は、失礼ながら、本気で殴りたくなる。
そっちは昼寝もして夕食後すぐ眠って、一日半分は寝ている。
こっちは午前から夜通し作業して、朝方やっと横になれる。
疲れきって眠りに落ちた人間が起こされる程の大声で近くで話し続ける。
はっきり言って、拷問だよ・・・。

「朝は、静かにして、電話は外でして。」
こんな単純なこと、一体何年お願いしたら、できるようになるんだ・・・。

あ~~、ゆっくり眠れると思ったのに・・・、目覚めから疲れる。
起きてまたおとん教育だ・・・、これ製茶中にやられたら、本当に体がやられるから。

 

さて、お天気は?
朝から毛毛雨。
今日も摘めないね。
でも気圧は変わってきている、明日はいけるかな。

 

朝のお茶タイム♪
さっそくおとんインタビュー!
昨夜の「薬用茶」の続きが、もっと聞きたい。
おもしろい話しが出たのー!!!
せっかく引き出し開いたので、ここでもっと突っ込んで聞いておきたい。

あのね。。。、昔、「餅茶」があったんだってーー☆

薬香の老鉄

今夜のお茶。

昨日飲まなかった、「金字塔」13春【初代樹】。
これ、薬香が強く出る時があるの!
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確率はかなり高い。

が、いつも出るとは限らないし、出ても毎回強弱が違う。
すでに1000天を超え、もし出たら「薬香の老鉄(老茶)」だ、かなり強い「鍵」になる☆
(※「薬用茶」と「薬香」は別物。「薬用茶」の香りが「薬香」ではない。)

お願い、少しでも好い。。。今夜出てーー!!!

 

今夜おとんにインタビューするのは、昔の「薬用茶」について☆

その記憶の扉を開くには、「薬香」のある茶葉を飲むしかないっ!
言葉だけの質問に返ってくるおとんの言葉は、信用ならない。
飲ませるのだっ!
その「鍵」となる味を。
そうすれば鮮明な感覚と記憶が蘇る。
一度扉が開けば、次々に引き出しが開かれる。

おとんがどんな引き出しを持っているのか、私たちには想像つかない。
時に本人も忘れていたようなびっくり箱が飛び出す。
別世界の扉が開くこともある、それならそれも好。

おとんの感覚を当時に誘う!
私たちとお茶は、その手伝いをする。

 

時々ね、なんでこんなことしているんだろう?
と、ふと思うことがある。
今回、雨のお蔭で連日ふいみんとじっくりミーテイング。
これまでのこと、これからのこと、いろいろ話している。
その中で、「原点」みたいなもの、お互い振り返ってみた。

私が安渓に最初に来てから、17年。
いろいろなことをしてきたが、全てに原点がある。
更に、全てが無数の原点で結ばれている。
原点が原点を生み出す、という感じ。

 

「薬用茶」☆
それは多分、「私の鉄観音」の原点だ。

03秋【天然野生】。
私が「おとんの山の家」に来ることになったきっかけ。
「愛子鉄観音」を作ることになる出発点。

強烈に惹かれた。
売られている鉄観音とは全く異質。
これを飲み続けたくて、仲間(茶友)を探し始めた。

後に知る、これが「薬用茶」の原料。

翌年山が焼かれて母樹が絶滅、二度と作れなくなってしまうのだが、
そこからいろんなことが始まる。

多分私は、あれを飲みたいんだ。
どこかであれを探求しながら、作り続けているのだと思う。
その道程で、想像を超える茶葉が次々に生まれてきた。
だが、あれはまだ無い。

 

分からないことがたくさんある。
私は昔の薬用茶のことを知らない。
薬用茶が現役だった時代、その現場に立ち会っていないから。
でも、その時代はもう二度と来ない。
資料もない、現物も残っていない、当時を生きてきた人ももうほとんどいない。
知りたいことがいっぱいあるの。
おとん、教えて!思い出して!!

 

さあ、始めようっ♪
13春【初代樹】、頼むね。
茶葉におまじない。。。

。。。「おとんの薬用茶の扉よ、開け~~~~~~、お茶っっ☆」(笑笑)

あひるの卵とおとん教育

あひるの卵~、好き~♪
日本では食べられる機会はまずない。
売ってないもん。
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今夜は2個ずつ♪

手に入れるのがどれだけ大変だったか、洗っている横でおとんは何度も力説。

おとんが何ヶ月も前から予約して、
現場に何度も足を運んで、
他の人に横取りされないようにアヒル飼っているおばあさんに贈り物をして。。。
そうして、山盛りで用意してくれていた。
少々多すぎるけど(笑笑)。。。毎日がんばって食べるっ♪

この卵、とっても高価なんだよーーー!!!
鶏の卵の約10倍、日本円で一個あたり約120円?!
物価が違う日本でも、そんな高価な卵食べないよーーー。

このあたりでは、あひるの卵は高くて、鶏の卵は安いの。
東山だと反対で、あそこは湖に囲まれて養鴨場があり、どこ見てもあひる天国。
ここは山岳なので水場が少く、鶏はどこにでもいるけど、あひる飼っている家は少ない。

もちろん、これはその中でも普通では手に入らない特別な卵。
おとんが選ぶ食材が自然に他より高価になる、っていうのもある。
とにかくおとんは、自分が口にするものには、執拗にこだわるから。。。

 

で、チャンス☆
そんな、「おとんこだわりの卵」を手に、おとん教育!!(笑笑)
おとんが譲れないもの、こだわっていることに例えて物事を説明すると、話が早い☆

ワープ。。。

 

夕食の片付けするまでに、おとん教育一通り終わった。
おとん、めちゃくちゃ反省している、、、多分、すぐ忘れるけど。
今日はもういい。
一度では無理なのよ、、、記憶が薄れた頃に、タイミング見て、また。
少しずつ、コツコツと、続けるしかない、諦めずに。

さあ、気分を変えて!
みんなでおいしいお茶を飲もう~~っ♪
楽しいインタビュー、再開だー☆

今夜のテーマは、「薬用茶」だよ!(予定)

おとんの初代樹☆34歳

次は生態茶、おとんの初代樹!
今年34歳☆

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昨年台風で大樹が倒れた。
それでも、この場所は一番の「生態園」!

しかし、大樹が倒れた影響で、発芽量が増えている、枝も若干延びている。
来年以降、もっと増えていくだろう。

味や香りも変化しているだろうな。。。
どんな変化が生じているだろうか。。。

もしも今秋作れたら、大樹が倒れた後の初めての収穫?!
もう、以前のような雰囲気のお茶には、二度とならないだろう。
でも、新しい味や香りが生まれているはず!

一番の「生態園」だし、「おとんの初代樹」でもある。
とても興味がある♪
作りたいなーー。

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でもここも、まだまだだ。。。今秋はダメかなぁ。

おじいの初代樹☆59歳

おじいの初代樹。。。確か来年還暦?わお!

こんにちは、おじい♪、、、じゃないけど。(笑笑)
ここに来ると、そんな気分になる。
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ひとりのときは、時々ここで愚痴をこぼす。(笑笑)
聞いてよおじい~、またおとんがさぁ~~、、、ってな感じ!
雨の日は泣いてくれるし、真夜中には涙を溜め、晴れの日はキラキラ笑ってくれるよ。
今日はどうかな~~。

うわー、まだちっさーー。
おとんが言ったとおりだ、ほんと今年おかしいね、、、びっくり。
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うーん、、、今晴れても摘めないねぇ・・・。
軽く一週間は来るのが早かったか・・・。
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もしも明日晴れて摘めたとしても、半分はゴミになる。

事件発生

今日も摘めない。
大雨は止んだが、一日中今にも雨降りそうな曇り空。

15秋【氣王】飲みながら。
ふいみんとミーテイング。
CIMG92013

これまでのいろんなことを振り返り、整理し、また考える。
おとんインタビューの作戦会議も。

 

昼食後、おとんが昼寝してすぐ、事件発生!!!

突然人がやってきたーッッ。
やめてーー、今おとんが寝たばっかりー。
うぇいうぇい?だ、客を3人連れてきたーっっ。
ここには客連れて来ないで、って言ってるのに、なんで?

おとんが昨日電話で要求した?、、、は??意味わかんない。
おとんが起きてくる、ニコニコしながら『愛子!、老茶を淹れて!』と。
どうしてそうなる???
あるわけ無いじゃん!!!(あるけど絶対出さない)
貴重な老茶を持ち歩くわけないじゃん。
茶友の予約がなければ茶庫から出さないよーーッッ。

なんで突然やってきた見知らぬ人に大切な老茶を振る舞わなきゃいけないの?
一回でもそんなことしたら、噂が噂を呼んで人が押し寄せて、
私がここにいれば無料で高価な老茶が飲める茶館と化して、
この山の家はもう二度とお茶を作れる環境でなくなっちゃうじゃないかーーッッ。
それを私が一番恐れて守ろうと色々工夫して何年も苦労しているのが、
わからんのかーーーッッ!!!

一昨日「老茶に興味ある中国の茶友を探したい」と私が言っていたから???
うぇいうぇいに電話して興味あるお客さん連れてくるように言った?
ばかかーーーッッッ。

自分で自分たちの首絞めてどうするのよーーッッ!!!
飲んだことないものただで飲めるって聞いたらみんな来るに決まっているでしょーー。
こうやって昨日の今日で何の連絡もなく突然大勢でやってくるじゃないかーー。
うぇいうぇいにも失礼だ、彼のお客さんに彼に作れないお茶飲ませてどうするのよーー。
それが欲しいって言われたら、うぇいうぇいの立場どうなるのよーーー。
先のこと考えて行動してよーーーッッ。

自分たちの茶友は自分たちで探すのッ!!
山でじゃない、都会で!品茶会できる場所で!!
私たちは商売じゃないんだから!!!
ここはお茶を振る舞う場所じゃない、作る現場に人を呼ばないで!!!
ここに直接来られる人に老茶があること知られたら危険でしょーッッ。
何年も家族ぐるみでここにそういうお茶があること必死に隠しているのに、
この家に人が来ないようにいつもおとんだって苦労しているのに、
なんで自分で台無しするようなことするのよーーーッッ。

もおおおーー、おとん、ほんと考え足りなさすぎーーッッ。
ひとりで勝手に突っ走らないでーーー!!!
思いついたらまず相談しろーーーーッッ。

 

お客さんが去るまで、私たちは外に出ているよ。。。
彼らには申し訳ないけど、会話もしない。

『一度でも受け入れたら、二度と断れない』
『居心地良くしたら、いつまでも居座る』
『歓迎の素振りを見せたら、次から勝手に入り込んでくる』
『顔見知りになったら、人を連れて突然またやってくる』

これ、全部おとんから教わってみんなで気をつけていることじゃないかーーー!!!

わかるよ。
良かれと思ったんだろうけどさ。。。
名案だと思ったんだろうけどさ。。。
気持ちは有難いけれどさ。。。
おとん、いつもこうだ、一箇所見ると他が見えなくなる。
考え足らずひとり勇み足、、、その尻拭いがいつも来る、、、勘弁してくれ~~。

製茶日じゃなくてホント好かったよ。
しかし、午後の予定、丸崩れだ。
インタビューどころじゃない。
おとん、昼寝できていないし・・・。
しかたない、夜のインタビューも変更だ。
今日はおとん教育が優先。
すぐにやらないと、また同じことが繰り返される。
こうなったら、事件を教材にするまで。

ふいみん、茶園で作戦会議しようっ!