★老鉄4日目
:①09秋4/5
①09秋4/5:【(16号)伝承鉄】【18号前后】【20号】【21号】【22号】
おとんが撮った。
相変わらず、カメラ手にしている間中永遠にシャッター押しまくりで、これでも10分の1。。。(笑笑)
★老鉄4日目
:①09秋4/5
①09秋4/5:【(16号)伝承鉄】【18号前后】【20号】【21号】【22号】
おとんが撮った。
相変わらず、カメラ手にしている間中永遠にシャッター押しまくりで、これでも10分の1。。。(笑笑)
もうすぐ日付が変わる。
ひとり静かな山の家。
近隣の村ではまだ花火音。
本日の審評結果についてふいみんとネット電話中。
暴漢たちが襲ってきた。
この家が私を守ってくれた。
私を守るためにたくさん傷ついた。
7つの盾で時間を稼いでくれた。
4つの扉が痛めつけられ、
2つの扉と1つの窓が破壊された。
すんでのところで駆けつけた弟たちが到着。
あと10秒はもたなかった。
程なく彼らは御用になった。
私には傷ひとつない。
おとんが作ったこの家が私を守ってくれた。
離れなかった。
心が拒絶した。
離れてはいけないと思った。
夜が丸見えになった部屋でいつものように寝た。
治してあげたい。
家が叫んでいる。
剥き出しの傷口が泣いている。
老いた体で一生懸命守ってくれた。
限界だったのだろう。
今度は私が守ってあげたい。
この家は私の財産だ。
この家で過ごす時間は私の人生の財産だ。
おとんの大切な家。
おとんが作った製茶人の家。
孤高の魂を感じる。
いつからだろう。
この家でないと「私」は生まれない。
ここでないと私の作りたいものは作れない。
絶対に欠かせない相棒。
瓦が劣化し製茶室も雨漏りする。
天井がゆがみ所々落ちかけている。
壁の漆喰が剥がれ中身が見えている。
金具が錆び付きもろく壊れかけている。
柱や扉は雨風にさらされ腐食してきている。
過酷な自然環境下、おとんと共に約40年歩いてきた。
今おとんひとりで手入れするのは難しい。
今回、到着した日に気付いた。
そうか、この家は私の「アトリエ」なんだ!
この周りの自然環境含めて「私」を作るアトリエなんだ!
いつからかは分からない。
大門を一歩入ると異次元空間に移動する。
全てのパーツが合体した感じがする。
ここでないと生まれない。
この家でないと作れない。
茶葉は私の作品、私自身なんだ。
おとん家族は何年も前から誰も寝泊まりしていない。
もう私しか住んでいない。
時折来る私と仲間だけ。
おとんの子供たちは手入れする気が無い。
今必要としていない。
それぞれ事情がある。
このままでは朽ちてしまう。
今一番住んでいるのは私だ。
今一番必要としているのは私だ。
これは私の役目だ。
おとんと私、ふたりでやろう。
人生でこんな素晴らしい出会いがあるだろうか。
こんなに不思議で、こんなに幸運な縁があるだろうか。
今お茶から繋がる私の幸せは全てこの家からスタートしている。
ここで生まれる感覚・時空・気づき・喜び・お茶たち。
そこから繋がるご縁、真剣に語り笑い合える仲間たち。
みんなみんな私の幸福な財産だ。
がんばらないと。
がんばって真剣に審査して、
がんばって必死に考えて、
このどこにもない、誰にも作れないこの茶葉たちを、
必要としてくれる人を探し出さないと。
おとんと私が感じている本当の価値を、
もしもきちんと伝えることができたなら、
きっとその先に、
必ず出会いはある。
そうしたら治してあげられる。
待っててよ。
あともう少し、がんばって。
さあ、おとんが来た。
老鉄の審評、今日も始めよう!
10年前の仮説たち、果たしてどうなった。
誰も知らなかったこと、知ることができる。
今が「その時」。
集中☆
霧、小雨、ひんやり、肌寒い。
午前。
各連絡。
ひとりで昨日の茶葉の最終確認、記録等。
★老鉄3日目
:①09秋2/5 ②09秋3/5
おとん、昼寝から起きたら、審評台の茶具等準備。
私、1種ずつ干看。
外形・色澤・整砕・浄度・香気等、
その他気がついた点・湿評で確認したい点、予測等、
記録。
①09秋2/5:【6号前】【6号后】【7号】【8号】【9号】
②09秋3/5:【10号】【11号】【12号】【13号】【15号】
今日は肌寒い。。。
朝ごはんは、ほこほこのアヒル卵。
ひとつおっきい!これは多分!!!
双子~♪♪
ひとりで昨日の続き。
長時間漬けた後、葉底、等の確認。
おとん昼寝から起きたら、本日の茶葉開始。
★老鉄2日目
:①09春3/3 ②09秋1/5
①09春3/3:【61号】【62号】【7号】【8号】【(12号)生態茶】
②09秋1/5:【1号】【2号】【3号】【4号】【5号】
今日も暖かくて、朝ご飯マンゴーがおいしい♪
条件好。好い審評ができそう♪
準備。
★老鉄1日目
:①09春1/3 ②09春2/3
①09春1/3:【2号】【4号】【5号】【6号】【9号】
②09春2/3:【10号】【11号】【29号】【30号】【31号】
暖かいーーー♪
歩くと暑い!
みんなと一緒にご飯を食べるために、山の下へ。
数日前に到着した時の寒さと、そこから数日間続いた寒雨が、嘘のよう。気温高く、日差しも風も強い。
昼食後。
工場の屋上。
夕食までここでお仕事、臨時デスク。
秘密の倉庫の管理ノートと製茶ノートを見ながら、今回の老茶の審評の計画を練る。
工場の中の方が寒い、外の方が暖かくて気持ちも好い。
おとんが昼寝から起きたら、審査の打ち合わせしながら茶樹の確認兼ねて各地点を回ろうとしたのだが。。。
初二なのでやはり来客の出入りが多く、おとんがいないとお客さんはいつまでも去らないので、、、今日は止めておく。
明日には審査開始できるかな~~。
お年始回り、おとんとふたりで。
出発ー♪
老茶樹に会いに、山の下の工場の裏手からまわって、金風山を目指す。
ご近所さん家の椿、花弁は山の家とは違ってよくある感じ、でも白赤マーブルは珍しい、かわいい。
正月初一から、おとんと山歩きできて、好い年明け♪
19年、好い年になりそう!
途中、野生の茶樹がある場所を通る。
「なんの品種だろう?」
『分からないなー、雑種だよ』
「色種ね」
鉄観音の野生の樹はもう見つからないけれど、雑種でも野生の茶樹は多くのことを教えてくれる。今は時期では無いけれど、この姿を見るだけで、収穫期になっても茶葉になる新葉はとても少ししかないのが分かる。ひと昔前、おとんが若かった頃、まだ茶園などなく、山に入って野生の茶樹を探してその新葉だけで茶葉を作っていた時代に、茶葉がどれだけ貴重なものだったかが覗える。
竹林を抜けて。。。
民家を通って。。。
おとん、突然しゃがんだ。地面を掘り始めた。。。何?!
『愛子ー、見て見てー、ここにでっかい冬筍があるーーー♪』
あはははーー、おいしいもの発見したのね。
ほんとだ、ほんのかすかに地面が盛り上がって小さなヒビが入っている。
相変わらず「眼」がいいなー、「山人」のハンターの眼だね。
小枝でほじほじ、嬉しそうにほじっている。。。ふふ、子供みたい。
「おとん、それじゃ30分掘っても無理だって」
掘り続けるおとん。
『ほら愛子見てー、これはおいしいよー』
「ほんとだー、先っぽ金色だね!」
『あーー無理っっ、もういいや、、、。』
「食べたかったら後で鍬持って採りにこようよ。」
諦めた。
老茶樹はもうすぐ。
見えてきた、もうすぐだー!
来たー、金風山♪
老茶樹、春節好!
遠方の山岳地帯の峰峰を見渡せるこの場所は、いつも金色の大風が吹いている。陽光が強い日は、大きな葉たちが高い背丈の樹の上で鏡のように煌めき、風に乗ってさざ波のようにキラキラ眩しく、その中に佇んでいると神秘的で美しい気持ちになる。
10数年前、長い道をひとりで歩き続ける覚悟と勇気を私に与えてくれた茶樹。少なくとも150年は生きているこの茶樹たちと出会わなかったら、自分を鼓舞することも、おとんに訴え続けることも、未知に挑み続けることも、未来の自分を信じることも、できなかった。
その香りと味わいにものすごい大地のパワーを感じる。マグマから汲み上げたような他では絶対に出ない強さと甘さとエネルギッシュな風格。年々仲良くなってその深みの範囲が広がっている気がするが、作る度にきっと奥はもっともっと深いのだと感じる。
19年はどんな新しいパワーを与えてくれるのかしら!本年もどうぞよろしくお願いいたします!
おおーーー、珍しい~~♪♪ 双喜だ!!
おとん見てみてーーー。『ふああ~~、きれい!!』
この形は初めて見た☆
ウサギの耳みたい、勝利のVかな、うふふ♪
老茶樹の双子ちゃんと遭遇するなんて、幸先好い感じ!
19年、素敵な年になりそう☆
次は、魔王山を目指す。
私が作る全9地点を回りたいけれど、今日はこの2カ所で時間的に終了かな。
続きはまた明日以降にしよう。
老茶樹を後にし、今や安溪中で主流となっている足の踏み場もないくらい芝生のように丈低く地面に這いつくばるようにびっしり生えている知らない家の鉄観音の茶園の中を、えっさえっさと抜けて。。。
近くの道路まで下りた。。。真っ赤っか!!
近くの村を通り抜ける。。。絹サヤ、おいしそう!
また登って。。。
到着ーー!
魔王山、魔王の樹、春節好~♪
安溪で一番高い山『仏耳山』が、雲の中にシルエットのように見える。
おとんも私も、この山頂に居るのがとても好き。隣接する山はなく、誰にも邪魔されずに小さく鋭く単独で立ち、四面の谷を見下ろす。地球の表面に立っている感覚、大宇宙を間近に感じる、風に乗っていつでも飛んで行けそう。いつ来てもどこにも無い香りがする、立っているだけで気分が好い。
ここの茶樹たちは、一年中強い風に吹かれて丈は高くなれずともその根は図太く、激しい陽光を遮るものもないその葉は分厚く逞しい。ここにしか出ない濃い湯色とある特殊な香りと味わいは説明がつかず、毎回現れるのだが毎回形を変えてくる。
13秋はおとん人生の茶王となり、私に大きなきっかけをくれた。いつも純金のような濃い黄金色になるのかと思えば、15春は雨が降る中葡萄酒のように濃い紅色で香りも味わいも猛烈に濃い茶湯となり、おとんは今も思い出しては概念が覆ったと仰天している。鉄観音製茶最後になるはずだったその別れの茶葉が、おとんの心を180度ひっくり返し私の製茶活動は復活した。
魔王の樹たちは折々で、ひとり信じてやってきたことを実現させてくれ、周囲を説得してくれ、ピンチから救い出してくれ、孤高の先にあるまだまだ知らない世界の存在を感じさせてくれる。私が作る9地点の中では一番若く、共に時代を駈ける頼もしい金色の翼をもつ愛馬のようだ。
19年はどんな魔法の世界に連れて行ってくれるかしら!今年も仲良くしようね、どうぞよろしくーっ。
帰り道。。。『満山紅』の花。
近くの村を通り抜けて。。。
工場でご飯食べたら、外はもう真っ暗☆
小絹と小巧と3人で山の家へ。
ふたりとも歩くの遅すぎーーー、少しは運動しましょう!
正月からおばちゃんの小言。(笑笑)
山の家で数時間、3人女子、おしゃべりココアタイム☆
春節の朝。
昨夜から続く火薬の香り。
夜明け前から何時間も、遠方や近隣の村々の花火音と爆竹音が響いている。
家の前も、昨夜おとんが点火した爆竹で真っ赤っか。春節だ~。(笑笑)
新年最初のご飯をみんなでいただくため、山の下の工場へ。
村まで下りると、どこもかしこも真っ赤っか!春節ですね~~。
桃花が咲いている、東山を思い出す、おとんおかん元気かな♪
各家の前に、昨夜の花火の跡。。。すごいな、何連発?
これで小さい方なの?へー、そうなんだ。
到着!
おとんがすぐにお茶淹れてくれる、なんだか幸せな年明け。
ご馳走をいただくのは昨夜の大晦日、初一のご飯は簡単に。
重要なのは、年の初めに家族みんなで一緒にいただくこと♪
寒いけれど暖房とかないので、家の中でもご飯食べるときでもダウンコートやセーターなどの防寒着は必須。でもおとんとおかんが言うには、これでも暖かくて昔の春節の頃はもっともっと寒かったんですって。
お供えしたお餅、にちにち、これ日本にないの、好き好きー。
おかんが育てたおっきなカリフラワー!青菜も、おいしいおいしい。
茶友のみなさま&これから茶友のみなさま!
新春快楽!身体健康!全家幸福!心想事成!
喜事成双♪♪
今年はどういうことか、初一(正月の日)から双子ちゃんとの遭遇が続く!!
初一最初に口にしたもの、あひるの卵、双子ちゃん☆
初一最初に挨拶に行った茶樹、老茶樹、双子の葉っぱ☆
『これは珍しい!』『初めて見た!』『きれい!』『ちょうだい!』見た人みんなが笑顔に♪
おとんが言う。(ふたりで山歩きしている時)
『そうだ!まだあった!初一の日に自分と愛子もこうして「双」だー♪』
(ん?なんかちょっと違うような??。。。まいっかー!)
あははははははーーー♪♪老茶樹の中でふたりで大笑い。
きっと19年は、ここに集まってくれる仲間はみんなみんな『喜事成双』よ!!(笑笑)
大晦日は、朝と夜、二回お祈りを捧げます。
朝。
お供えものの準備をして。。。
おとんが天公へお祈りを捧げる。
おとんが爆竹に点火。
みんなで紙銭を燃やして。。。
みんなで家中の春聯を張り替える。
続いて。
観音仏祖さまとご先祖さまそれぞれにお供えとお祈りしてから、それぞれの紙銭をそれぞれに燃やし。。。
おとんだけ残って、みんなは山を下りた。
家周りを散歩。
野生の梨花が咲いている!
冷たい空気にほのかに甘い素敵な香り♪
灰になった紙銭が空へ上がっていく。。。
火の始末と片付けをし、おとんが山を下りた。
夕方まで時間がある。
早速、昨日の続き。
夕方。
大晦日の晩ご飯を、みんなと一緒にいただくため、山を下りる。
食後。
おとんと小絹と小巧(おとんの長女の長女)と一緒に山の家へ。
お供え物と爆竹の準備。
もうすぐ日付が変わる頃。
周辺各村の爆竹音と花火音が、山々に響き渡っている。
おかんが上がってくる。
おとん、天公に祈りを捧げる。
紙銭を燃やし、爆竹に点火し。。。
火の始末をして、おとんとおかんは山を下りる。
私はひとり山の家に残る。
起きたら、年始めのご飯をみんなで一緒に食べるため山を下ります。
おやすみなさい☆