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《非典(SARS)騒ぎから見た中国》
非典(フェイディエン)=非典型肺炎

4月23日の夜、小さな町のある食堂のテレビに、ようやく非典(SARS)が全国的に大々的に報道された(と思う)。
それまでも報道されてはいたが、ほんの少しにとどまり、むしろ戦争のニュースのほうが中心となっていた。

「やっと政府も隠せなくなって気づき始めたのかあ、遅いよ〜ってば」というのは私の最初の感想。

「非典」騒ぎが起こってからはホテルはがらんとしている。
黄山や杭州、そして上海でも。
「五一節」(メーデー)の休みもこの騒ぎによって中止。
お祝いのイベントやデパートの大セールも中止。
は〜残念。

リスクの高い地方(北京、広東など)から来た人は、健康診断書を提出した上ご利用くださいという方針を打ち出すホテルまで現れる。

利用者が急激に減ったので、もともと深夜まで営業していたレストランも急に夜8時半でオーダーストップ。
18階あるホテルも9階以上にはお客を入れないようにするといった「非典」対策が行われる。

多くの従業員は1ヶ月から数ヶ月実家に帰され、仕事を休まざるを得ないことにまで発展した。
いつ戻れるかわからない。

街中は徐々にマスクをする人が増え、「酢を食べると予防になる」とか、「ニンニクがいい」とか、健康にいいものが売れていく。
スーパーでも消毒液やマスクの売り切れが続出。
そして、、、
緑茶や健康にいい薬茶も順調に売り上げを伸ばしているようだ。

新聞も売れている。
どれも争って「非典対策」「非典状況」などと報じている。

心の中の呟き:
「今更遅い。パニックになるのを恐れるのもわかるけど、もっと早い段階で公表して予防を呼びかけるべきだったのになんでわからないんだろう、、、。
テレビ、ラジオなどのない広い地域ではまだこの病気の存在すら知らない人がいっぱいいるはず。どうするんだ。」

確かにほんの一部の地方の表の部分を見れば先進国と変わらないように見えるかもしれないが、
情報、教育、福祉などを見ると、まだまだ時間がかかりそうだな。

だから、私は「中国人」よりも「香港人」としての意識が強い。
だって、一緒にされてはおかしいと思うんだもん。

「五千年の歴史を誇る中国」とは言っても、
「文化面はそうでも今の政治体制ではまだ五十年前後しか経っていない!」と私は言いたい。
まだまだこれからだ。
今後どういう変化を見せてくれるのだろうか。
いい変化であることを祈ります。

まずはこの病気に苦しむ人達が早く治るといいなあ。

                  (小[女尼]子)



   
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