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旅日記2003春天《春緑茶編》
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今回の目的は、
《龍井》《碧螺春》《芸術茶》《黄山毛峰》《満天香》《太平猴魁》《六安瓜片》《雀山黄芽》・・・
などなど。

《碧螺春》は初めての畑、楽しみ楽しみっ。
緑茶、緑茶、緑茶、緑茶三昧だいっ。
おーっと、春の《祁門》にも会えるぞっ。
う〜ん、考えるだけで春満開〜♪


4月29日

《無事、帰宅いたしました。》

空港では、予想に反して人も荷物もノーチェックだったの。
上海で出国の時は申請書みたいの書かされたけど・・・結構いい加減?(笑)
飛行機はやっぱりガラガラでした。

いろいろ心配してくださった方々、本当にありがとうございました。
今回滞在したほとんどの場所は、観光客や病人どころか、人が少ししかいなかった。(笑)
帰りの杭州や上海がやばいかな?
とも思ったけど街はいつもよりがらんとしていて、消毒くさいバス・タクシー・ホテルもほとんど人がいなくて動きやすかったですよ。。。

非典(SARS)の潜伏期間は一週間ほどだそうですね?
《碧螺春》も《龍井》も、摘んだ人・炒った人・梱包した人、全部私たちが会っている特定の人だけが触れたお茶だけど、念のため一週間は開けないようにしますね。

《黄山》の各種のお茶は1000m以上の高山の畑をそれぞれ指定しているので仕上がりはまだまだ先になりますが、全部山の上で梱包してくれます。
(先に少量つくってもらい、しっかり品茶したよ〜ん♪)

《碧螺春》は現地で真空にしてから更に厳重に袋に入れました。
《龍井》は真空に出来ないので、龍井専用の紙に包まれたまま、すぐに乾燥剤と一緒にサランラップでぴったり包んで大きいアルミガゼットに入れました。

日本での現実が山済みになっていて既にゲッソリだけど(笑)、せめて今夜は夢の中で茶摘み&釜炒りをしたいわ〜ん!

一週間後、私たちが発症しないことを祈っていてくださ〜い♪



4月28日 晴

《SARSでがらんとした空港》

早朝、慌しくチェックアウトして大量の荷物を担いで空港へ。
道はいつもならラッシュで渋滞するそうだが、今日はすいすいだ。

空港に着いてみれば、がらん、、、。
マスクをする従業員と旅行客、、、。
予想していたほど物々しくないかな。
チェックインもほとんど待たずに済んだし、荷物がかなりウェイトオーバーになっているにもかかわらず何も言われなかった。

いいのー?よかったあー。

思ったより順調に手続きが済んだので瞬く間に二人はお買物に夢中になった。
[女尼]:「やっぱり女性は買物でしょ!
      まだお母さんのお土産を買っていないの(汗)。」
  愛 :「あはは、本当に買物をする時間がなくてごめんね」

あいや、もうこんな時間、行かなきゃ。
慌てて出国ゲートへ急ぎ、荷物や金属検査に入る前になにやら防犯カメラのようなものを発見。

その「物体」の下に「赤外線体温測定器」といような文字が書かれていた。
ふ〜ん、やっぱりそうなるんだ。
あ〜、写真に収める暇もなく、とにかく搭乗口へい・そ・げ!
ふ〜、「ファイナルコール」にぎりぎりセーフ。
    
               ([女尼])


《消毒液の味のするサラダ》

飛行機の中。
がらがら。好きなところに座れる。やったー。
ここでもマスクする利用者と「空中小姐」(スチュワーデス)さん達。
いよいよ離陸か。
あ〜ん、これで素敵な茶畑、茶葉、お茶作りの人々ともついにお別れね。
さびしい。
一番惜しいのは、お茶農家のご飯。ああ、おいしい筍たちよ。
また来年味わえるんだろうか。

早速、愛里は席3つ使って寝てるし、、、。
どうせ茶摘みか釜炒りの夢でもみてるんだろう、、、。

(眠、、私も夢の中で茶摘みしよ、、、)

「小[女尼]子、ごはんだよ。」と愛里の声。
「へ?、、あ、はい。」

ん?軽食か。ま、いいや。食べてみようか。
パイのようなものは、おいしかった。
さて、サラダと、、、ん!!なんだこの味?
どこかで嗅いだ匂い、、、そうだ!
高速バスでの消毒液の匂い、、、うえ〜〜。

消毒するのはいいけど、、、なんで食べ物(まさか)まで
(その食器まで?)消毒液が残ったままにするんですか?
これでは細菌だけでなく人間まで殺されちゃうじゃないのよー。

「非典」だからってただ消毒液を撒けばいいものでなーーい!!(怒)
もっと根本的に衛生面でみんなが気をつけないといけないじゃないのよー。

                 ([女尼])


《肥えた舌と鼻》

初めての中国大陸の旅を終えた私は、ものすごい贅沢になったような気がする。
だって、おいしい中華料理、おいしい緑茶ばかり「食べて」
(現地ではお茶を飲むのではなく、「食べる」と表現するの)
いたから、もう本場に似せた中華料理とかお茶は「食べられなく」なってしまった。

どないしよ、、、。

              ([女尼])


4月14日 快晴 朝寒い 最高27度 夜風が出てくる おぼろ月夜

《キャンプ場の朝?》

ピピピピ、、目覚ましの音で目を覚ました。
ひい〜、寒〜い。
今、5時?
夜明け前、外はまだうすくらい。
熱いお湯をコップに入れて、愛里がいるベランダに出てみる。

♪ピーチクパーチク♪チヨチヨピー♪♪
すごい鳥の合唱だ。まるで山のキャンプ場にいるみたい。
この声なら、、、2、30種くらいの鳥はいるだろうな。
鳥の種類が多いということは、それだけのえさになる
植物や生き物も多彩多様ということだ。(注1)

(注1)
 小[女尼]子は《野鳥の会》出身♪ 
 お蔭でいままで疑問に思っていた鳥の鳴き声やその姿が、毎日どんどん解明されていく!
 (好きなのは知っていたけど、まさかここまで詳しいなんて・・・ラッキー!)
 
 《お気に入りのウグイスご紹介〜!》
1.他の鳥の鳴き声を真似するウグイス・・・拍手〜。 
 ホオーーー(来た来た!)、、、ホケ、、、ッッッチョピヨピヨーーー♪(って、誰?)
 
2.声が裏返るソプラノウグイス・・・かなり笑える。
 ホオーーー(来了来了!)、、、ホギャ、チチョーーーン♪(くっくっく、楽しそ〜!)

3.まだ鳴き声練習中の新米ウグイス・・・頑張れ〜!
 ホオーーー(今度はいけるか?)、、、、キョ、、、。(諦めるなっ!)
                              (by愛里)


すごいいい空気!!寒いけど頭がすっきりするう。
なんか、体操でもやりたくなるような環境だ。
2階からの眺めが、一面緑で本当にきれいなんだよな。
(今は真っ暗でよく見えないけど)
こんな緑の下にお茶の樹が潜めているなんてきっと
誰も思わないんだろう、、、。ふふふ。

さ、顔を洗わなくちゃ。
井戸の水で、、、うん、思ったほど冷たくない。
ここの井戸の水は、夏は冷たく、冬は暖かいんだって。
春が一番冷たくなるとか、、妹さんが言っていた。

さっぱりしたところで、だんだん周りが明るくなってきた。
茶摘娘たちは先に出発し、2人の姉妹も学校に行った。
湖おじさんとおばさんは「麺でも作ろうか」と言ってくれたけど、
愛里は「いえ、これで十分」と残ったお粥(注2)を半分こした。
おかずは夕べの残り物、味がしみていておいしーい。

(注2)
 夕飯用に大きな鉄鍋で薪で炊いた大量のご飯の底に《おこげ》がある。
 この硬く香ばしい《おこげ》を使って、朝のお粥を作る。
 家の人にとってはいつもの残り物、だから気を使ってくれる。
 ここの白米とお水は実にうまいっ!
 他ではちょっと食べられないおいしい《おこげお粥》がホカホカ呼んでいる!
 この素晴らしいご馳走を逃すわけには・・・いかないよねっ♪(by愛里)


4月14日 快晴 朝寒い 最高27度 夜風が出てくる おぼろ月夜

《碧螺春の朝》

朝5時。
心地よいなにかに目が覚める。なに?
うわ、鳥だ、すごい数の鳥たちが鳴きだしている。
鳥たちの目覚まし、正確だね。
さあ碧螺春の茶摘みだ、起きようっ!

まずは、寝室のドアを開けてお気に入りのベランダへ。
ふわぁーーー、この空気は初めてのおいしさだ!
まだ夜明け前の果樹の海から覗く煙突からそろそろと煙が立ち昇る。

さて、井戸水で顔を洗おう。
ご飯だ、ご飯だ!

          (愛)



《山の上で茶摘み》

6時、茶摘みへ出発。
湖おじちゃんも一緒に行くの? わ〜い!
茶摘み娘たちは、私たちがご飯の後片付けをしている間にもう出発してしまった。

午前は山の上の茶園へ。
おばちゃんを先頭に4人で果樹園の村を抜け、山の斜面の果樹園を抜け、どんどん登っていく。
どこを見ても果物の樹と碧螺春の茶樹だよ。
すごいなぁ〜。
いろんな果樹が無造作(?)に植わっていて、みんな仲良しなんだね。

げっ、なんじゃこりゃ、茶樹のジャングルだよ。
私より大きいや、小[女尼]子はすっかり埋まっちゃってるよぉ。
どこにいるんだ? おーい!
茶樹の中で迷子にならないようにねーーーっ!(笑)

もうそろそろかな? まだまだ?
途中で茶摘み娘たちに遭遇。
 
 愛「調子はどう?」
 娘『まあまあね!』
 愛「私達はあっちで摘むから、あとで比べてみようよ。」
 娘『どっちが多いか!』
 愛「きれいか、もね!」
 娘『いいよーーー。』
 愛「よっしゃ、茶摘み大会だぁ〜♪」

やばい、急いで登らねば・・・えっさっさ。

果樹の間からいきなり視界が開けた。
山の上に茶園が広がる。

くわー、こりゃなかなかの眺めだね。
波なし太湖一望だよ、海かぁーーー!

ここは比較的新しい畑だね。
10歳にもなっていないかな?
果樹園の中の老樹から取った種を蒔いたんだね。

うわっ、老葉子はいっぱい虫食ってるよ。
新芽には影響ないけど、どうして?
秋に虫が発生したから?
そうか、農薬撒けないから有機栽培も大変だぁ〜。
でもその分、自然に近いってことね!

うほ〜、いっぱい芽がでてるじゃん。
こりゃいかん、摘まなきゃいけない。
ちょっとぉー、もう摘み頃過ぎちゃってる芽がいっぱいなんですけど!
摘んでくれる人を待ちくたびれてあきらめて、こんなに気持ちよさそうに伸び伸び成長しちゃってるじゃん。(笑)
人手不足・・・?
まわりは?・・・きょろきょろ。
誰もいないじゃーーーん。
こんなにいい碧螺春の新芽がでているのにさぁーーー。

みんな碧螺春の茶摘みしようよおぉぉぉーーー!(笑叫)

              (愛)


《龍井種で碧螺春》

湖おじちゃんの果樹園の茶樹に新品種はない。
何百年も前から自生している碧螺春の茶樹と、そこから自然に増えていった茶樹。
おばあちゃんやおじいちゃんが子供の頃から既に大きかった茶樹は、何歳だか誰も知る人はいない。
茶樹のみぞ知る、、、か。 なんかいいな〜♪

山の上みたいに茶園を増やしたいときは、果樹園の中のいい老茶樹から種を取って、直接地面に埋める。
すごい原始的なこの方法は、これまで出会った茶畑の中では結構珍しくてびっくりしちゃった。
ほお〜、ため息。。。

鉄観音みたいに茶苗をハウスで育ててから植えたり、龍井みたいにいい枝を植えたりするわけじゃないんだね。
もちろん、そういう方法で増やしている碧螺春の茶園もたくさんある。

新開発の碧螺春の畑は、東山・西山・その近辺にたくさんある。
東山・西山ともに、もともといい碧螺春の茶樹がある場所は一部分だから、外地からの投資家が、その他の空いている土地にどんどんつくっているわけだ。
新しく開発してきた畑、茶樹だけの茶園。
昔からある果樹園の中の農家の茶樹よりこっちの方が多い。
でも老茶樹の種はないから、いい農家から種や枝を買う?
それもあるらしいが、土壌が違うからなかなかうまく育たないらしい。
では、どうするか?

やっぱり新品種。
いい碧螺春の特徴である白い産毛を出すために・・・
大きさが揃って見た目をきれいにするために・・・
早く一度に揃って多くの芽を茶摘み出来るために・・・
などなど・・・新品種はどんどん改良され、入ってきている。

聞いてびっくり、見てびっくり!
近くの畑からもぎ取った枝を見てみれば・・・
何じゃこりゃ?
でたぁーーー、龍井だぁーーーー。
こんなところでまた会うなんて・・・うははっ!

新品種の龍井43号も、最近多く使われはじめたそうだ。

おじ『この畑の人は、龍井43号を買ったと言っていたなぁ。』
 愛「でも、これは龍井43号じゃないよ!」
おじ『ホンと?』
 愛「確かに龍井だけど、100%、43号ではないっ!」
おじ『なんで分かるの?』
 愛「んん、、、と、本当に似ているけど確実に違うから。(笑)」
おじ『じゃ、何なんだろうね?』
 愛「新しい龍井の品種なのかなぁ?・・・わかんない。」

 愛「龍井の品種で作っても、碧螺春?」
おじ『ここの土壌で育てば碧螺春になるよ。』
 愛「げっ、ほんとに???味は?」
おじ『ん?・・・ははっ、なかなかいけるよ。』
 愛「外形もきれいに揃うっ!」
おじ『それはそれはきれいだよ。
   清明後の茶葉も、たくさんの白い産毛が出るしね。』
 愛「明前茶そっくりになる。」
おじ『普通の人は、見ただけではわからないよ。』
 愛「たくさん摘めるし茶芽も小さい品種だし、高値で売れるわけだ!」
おじ『そうそう。(笑)』
 愛「うははーーーっ。どのお茶もおんなじだね!」

                      (愛)



《果樹園の中で茶摘み》

午後は果樹園の中で茶摘み。
やっと摘み頃になった芽がある老茶樹を回って、どんどん摘むぞ!

果樹園の中での茶摘みは楽しいねっ!
湖おじちゃん&おばちゃんからたくさんのことを教えてもらう。
 
『愛子(=愛里)、来てごらん!この果樹はなんだ?』
『これは何の樹だ?この樹はね・・・』
『この草はなんだか知っているか?この草はね・・・』
『じゃあ、これはなんだと思う?これはね・・・』
『ちょっと来てごらん、おもしろいよ!』
『この老茶樹?うん、どうしてこんな形をしているのかはね・・・』

果樹園を転々としながら、摘み頃の老茶樹を探して摘んでいく。
ボカンッ、、、なに?
あがーっ、、、レタス一個蹴っ飛ばしちゃったぁぁぁ、ごめんねぇ〜。
おっとっとー、キャベツやザーサイも踏まないように気をつけなくちゃ。

老茶樹の大きさも形もみんなちょっとづつ違うよ。
 
 ふとっちょもいれば、やせっぽっちもいる。
 濃い色もいれば、薄い色もある。
 背の高いの、低いの。
 分厚いの、薄っぺらなの。
 芽が出るのが早いの、遅いの。
 お肌つやつや、ちょっとざらざら。
 黒いのだって、赤いのだって、時々いるよ。

お茶の樹も人間と一緒、みんなそれぞれ自然な個性と魅力がある。
だからこそ、出来上がったお茶は味わいが深くなるのかな。
龍井の老蓬だってそうだったものね。

原種は新品種のようにはなかなか揃ってくれないから、
見た目も新品種のようにはきれいにならない。
それぞれの茶樹の個性を知って、摘む人がそれに合わせて毎日少しづつ摘んでいく。

茶樹の自然な成長に人が合わせている。

みかんがメインの果樹園の中・・・
 うひー、いっぱい伸びちゃってるよ。
 こっちの方は、まだ茶芽が小さいね。
 あ、この子は数回は摘んだんだね。

青梅がメインの果樹園の中・・・
 こっちの子は、今年初めて摘むんだね、なかなかいい芽だ。
 この子は、あと数日待ってあげようか。

桃がメインの果樹園の中・・・
 あの子は、もう芽がないや、葉っぱだけ、今年はおしまいだね。
 あっちの子は、まだまだ摘めるね。

昔の人もこうやって茶樹とお話しながら茶摘みしていたんだよ。
きっとそんな人もいたはずさ〜♪

おじ『愛子!今摘んでいる碧螺春、あげるよ。』
 愛「え?この果樹園の老茶樹から摘んだやつ?」
おじ『自分で炒って持って帰りな。』
 愛「ホンとーーーー!!でも、一鍋の量に足りるかな?」
おじ『手伝うから頑張れ。』
 愛『きゃっほ〜♪ いい芽ばっかり摘んじゃおう!』
おじ「ははっ、よし、じゃあ揃えよう。」
 愛『茶梗入れないでねっ。』
おじ「分かった、分かった。」
 愛『小[女尼]子ーーー、がんばれえぇぇぇーーー。』

 愛里碧螺春まで、あと・・・8時間。

                 (愛)



《果樹園の茶樹・茶園の茶樹》

龍井の茶摘みは、新品種に比べ老蓬(=老茶樹:原種)の方が遅い。
高山の畑の老蓬はもっと遅い。

碧螺春の茶摘みは、新品種が多い山の上の茶園より
老茶樹の多い果樹園の中の方が早い。
え、そうなの?
なんで?
新品種の方が早いんじゃないの?
山の上って言ったって、そんなに標高変わらないじゃん。
気候と土壌が違うから?
それは分かるけど、具体的にどう違うんだ?

龍井の新品種は、清明節前にたくさん早摘み出来るように改良されているから、新品種の方が茶摘みが早いのは当然のこと。
芽の大きさも摘む時期もきれいに揃い、一本の茶樹から要領よくたくさん摘める。
仕上がりはとても美しく、グラスの中で上品に光っている。
清明節の頃の新品種にはもういい芽が出ないので茶摘みもほとんど終わっている。
それと入れ替わるように、老蓬の茶摘みが始まる。

ん? 龍井は、老蓬・新品種ともに果樹園ではなく茶園だよなぁ。
そうかーっ、ヒントは果樹園だ!

まず気候の違い。
西山・東山とも、いい果樹園・いい茶樹があるのは西北の一部のエリア。
ん? いい茶園は南側じゃないの?

南側や東側にもたくさんの果樹園があるが、やはり西北エリアにはかなわないそうだ。

西山・東山ともに、いくつかちいさな山があり、南側と北側ではその山を境に気温が変わる。
(一番高い山でも標高350m程。)
北側の方が一日の気温の差が大きいので甘くしまったおいしい果物が出来る。
冬にはー7℃位まで下がるが、果樹園の中の茶樹はたくさんの果樹の枝や葉に守られて凍らない。
太湖や大陸からの風や気流の影響もある。
西側が太湖で、東側は大陸・・・

なるほどなぁ〜。
むき出しの山肌に作られた山の上の茶園は、それはそれは寒かろうに・・・
芽が出るのが遅いわけだ。
逆に、果樹園の中の茶樹は果樹に守られてホカホカだものね。
雨が降っても果樹の枝や葉の傘があるし、強風が吹いてもたくさんの果樹の大木が遮ってくれるもんね。

それから土壌の違い。
果樹園は土壌が豊か、栄養抜群!
果樹を育てるための肥料がたくさん含まれているから。
おいしい果物が実って、それが落ちてさらに土壌がよくなっていく。
果樹の落ち葉だって自然に肥料になっていくものね。
そんな自然の栄養一杯の土壌で育つ茶樹が、山の上の茶園の茶樹に比べて
早く芽が出ても、ちっとも不思議じゃないやっ!

おまけに、太陽の強い日差しから守られて木漏れ日が適度に当たるから、果樹園の中の茶樹は苦味が増さずに甘みがでるんだね。
自然の玉露みたいなものかなっ!

しかし・・・昔の人は賢いな。
本当の意味で自然と一緒に生きていたんだろうなぁ〜。

(愛)


4月13日 曇

杭州から蘇州へ移動。

またあのごちゃごちゃのバスの駅に行くんです。
ごちゃごちゃというのは、前道路がすごい人と車でいろんな人からいろんなことを言ってくるからだ。
でも今回は有志のお兄ちゃんが前もって切符を代わりに買っておいてくれたので大助かり。

上海でも経験したんだけど、切符を買うことってほんとーに大変。
割り込みは当たり前だわ、人が買っている最中でも手を突っ込んでくるわって何でもありの戦争状態。
早い物勝ち〜!!だよ。これだけでグッタリってわけさ。

杭州の長距離東バス駅。
思ったより広くて待合室もしっかりできている。
それに実に多くの路線があって面白い。
上海、無錫、紹興、、あ、深せん行きのもあるじゃん。

[女尼]:「あ〜、実家に帰れる〜。」
  愛:「それ、30時間ぐらいはかかるよ!」
[女尼]:「げっ」(汗)

乗ったバスはとても豪華、しかも「龍井の水」(ペットボトル)がついている!
おおー!これを上海で売っていたら大量に買って(お金があればだが)、龍井の品茶セットにつけてあげたいねー。
と二人であーだこーだと言っているうちに眠気が、、、ふぁ〜。

蘇州についてみたら、なんだ、なんだ、あちらこちらで工事していて埃っぽい。
またちょっとさびれた駅やなあ。
さて、湖おじさんに連絡。
え?もうついている?表に来て?
はいはい、重いバックパックと現地の人にあげるお土産バッグ、お茶葉の梱包用品バッグを担いででこぼこの道をよっこらしょ、よっこらしょ。

湖おじさんがいた!一安心。
なにせ、この街は愛里でさえ初めてだもんなー。
本来はおじさんの家の近くの宿泊施設を探すつもりだったけど、
(この時期、どこの農家も出稼ぎの茶摘娘がいっぱい住み込みしていて大変だから。)

おじさんの家の近くはそういったところがないらしいので結局はお宅にしばらくお世話になることになった。
ありがたいっ!

まずはタクシーに乗って、市外へ。
そこで昼食。
そして、バスに乗り換え。
ほぼ満席のバスに乗り込み(もちろんみんな割り込み)ようやく最終列の席に座ったと思ったらゴットン!バスがでこぼこ道で上下に跳んでいる。
その勢いで私は上に放り投げ出され天井のファンのところに頭をゴンゴン打った。いたっ!
もう、これって乗馬みたいじゃないのー。
必死に頭を打たないようにするにも虚しく合計ちょっとした隙にまた頭を3回ほど打った。石頭でよかったが。
天井にその出ているところさえなければ楽しかったのにな。

さあて、太湖大橋へ。
西山との間に2つの島があって、その間を橋で繋いだんだ。
最初の島に入った途端。
ん?なんだこりゃ。ここって中国、だよね。
なんでこんなにおしゃれだけどもろそうな洋館(別荘)がいっぱい建ってるんだ?おいおい。
自分がどこにいるかもわからなくなるくらいきれいに整備された別荘地だった。
しかもゴルフ場も完備。どんな人が住むんだろう。

やっと西山に到着。は〜、(ぐったり)。
ここからさらに乗り換えるの?
特に定期バスはないらしく、タクシーも、、、ない。
しばらく誰かが通りかかるのをひたすら待つ。
これってヒッチハイク?
待っている間、向かい側のスーパーへ。
必需品を揃えて、、、これからは何もないところへ行くのだからな。
備えがあれば憂いなし。

あ、湖おじさんが車を見つけてくれた。
でも、ヒッチハイクと違って、お金がかかる。
みんな、そうやって、適当に値段を交渉して乗るのかな。

今度は小さいワゴン車で私たち以外にも若い女性も一人乗り合いをした。
出発!
わ〜あ、菜の花畑が一面。そして、その向こうは、海のような太湖。
しばらく進んで到着。
静かでのどかなところだ。
また重いバックパックやかばんを抱えて歩きだ。
愛里は果樹園の茶樹に興奮していたが、私はもうへろへろ〜。
早くお茶が飲みたい!

湖おじさんの家に到着!
うわ〜、昔からの民家で周りの環境に実によくマッチしていて素敵〜。

お、中に大きな洗面器?(タライ)に茶葉が。
もう昼過ぎたのでこれは恐らく今日の午前中に摘んだ茶葉だ。
それにしても、午前中だけですごい量だ。

   愛里:「これって何人で摘んだ茶葉?」
 湖おじさん:「6人かな。」
    二人:「えっ?」(・・・・)
心の中の囁き:「そんなバカな。龍井ならどんなに頑張ってもこれだけは
        摘めないのにここの茶摘娘たちは有能なのかなあ、、、。」

あれ?龍井茶みたいに茶葉を広げなくていいの?
いいんだって。そのまま釜炒りするらしい。
そしてこれからはこの茶葉を更に茶摘娘たちが点検し、余分の葉や付け根の部分を取る作業をやるそうだ。


謎は解けた。
だからこんなに多いんだ、、、。
だったら最初からもっと丁寧に摘もうよ!

さてさて、お茶だお茶。
もう初めの頃の明前茶は茶庫に全て持っていかれたので(出始めの明前のお茶は上海で品茶したもんね!)
今ここにある明前と一級と二級を品茶することに。

まずは、グラスに1/3ぐらいのお湯を注ぐ、
そして、4gくらいの茶葉を入れて茶葉が開いてくるまで少し待つ。
茶葉が開いてきたら、香りを聞く。
またお湯をいっぱい注いで、しばし待つ。
できた!香りを嗅いで味わいましょ。


明前、、ふむふむ。いい感じ。おいひい〜。甘い。
一級、、う〜〜ん。おいしいけど、甘味より苦味の方が出てきたかな。
二級、、こぼっ!なんだこの二級、臭〜い!

どうやらこのときの釜炒りが失敗して柴鍋の煙の匂いが茶葉についたらしい。
私には口臭の匂いに思えてならなかったのに思わず、「うげ〜」と言ってしまった。
みんな大変苦労して作った茶葉なのに「げ〜」だなんて失礼失礼。

少しの失敗で全てが台無しになる、、、お茶作りって本当に難しいね。
あ〜ん、もったいない。

湖おばさんが帰ってきた。
はじめまして〜。
小柄だけど、しっかりしてたくましそうな感じの人。
みんなであの煙臭い茶葉にため息、、、。

さて、気を取り直して新たな二級を淹れることにした。

ふわ〜ん、甘い香りだ。
そんなにランクが高くなくてもやはり本物は違うね。日本で飲んだものとぜんっぜん違うんだもん。
あまり日本で中国緑茶を飲んだことがないけど、龍井や碧螺春といった緑茶類はどっちかというと
「渋い、苦い」という印象しかなかったから余計に感動した!
(じゃ、今まで飲んだものは何だったんだろう、、、)

夕方、炒茶(釜入り)を見学。
うわ〜、ここは龍井と違ってみんな柴鍋、電気鍋はひとつもない。
え〜っと、まずは、薪を入れて、鍋を熱くする。
この火花を見てもすごい熱そう。

鍋が十分に熱くなったところで、鮮葉を一気に入れる。

じゅわ〜〜、ぱちぱち、ぱらぱら、ざ〜、ざ〜、、、。
これって野菜炒めみたい、けど、本当に熱そう。
だって、鍋にある野菜を手で炒めるのを想像したら、、、。
おばちゃんは耐えなくなって、軍手を着用。
>動画再生!


うわ〜、すごい水蒸気が出てきた。
本当にやけどするよこれ。
しばらくして、茶葉が徐々に小さくなってきた。
それでも依然と水蒸気が出ている。
夕方から降り出した冷たい雨の中、炒茶するおばさんは汗ばんでいる。

おっ、おばさんは軍手をはずした。
今度は茶葉をまとめて、時計回りにぐるぐる
粘土やパンを作るような感じで茶葉を揉み始めた。
本当に力仕事で大変そう。

途中、おばさんは何度も薪を足しに後ろへ回り、その時に、茶葉が気になってしょうがない愛里が手を出す!
おばさんは怒るどころか、にこにこして見ていて、
しまいには「もう任せた」という感じで休みにどっか去っていった。

〔女尼〕:「これ熱いんじゃない?」
   愛:「すごく熱いけど、私の手はずうずうしいから大丈夫よ、やってみる?」
〔女尼〕:「うん、ちょっとだけ」

手を茶葉に触れた、今は手が冷たいので「暖かくて気持ちいい〜」
が、揉んで行くと、だんだん熱くなってきた、、、。
あつっ!あっつ〜い!
こりゃだめだ。
しかも、鍋にある茶葉をつかむ時もすごく、とにかく熱くてとても触れやしない。

それでも愛里はへーきな顔をしている、、、異常だあ!
一体どういう「ずうずうしい手」をしてるんだ?
 ※よい子はまねしないように

1時間近くかけてようやく完成!
おお、私たちの手垢入りだぞ。誰が飲むことになるのやら(笑)。

「ご飯を食べに帰ろう」と湖おじさん。
「は〜い♪」

帰ってみたら茶摘娘たちが帰っていた。
今日摘んできた茶葉の選別作業をしている。
さ、手伝わなくちゃ。
せめて今日のご飯代くらい稼がないとね。

愛里と茶摘娘たちとの会話一部:
「どこから来たの?」
「えっ?日本人(方言:「サッバンラン」)?」
「なんで中国語が話せるの?」
(わんやわんや、、、)

こういう田舎のところまではめったに外国人が来ないらしい。
当たり前か。

続く:
「ねえ、あんた、何歳?」
「えっー?○○歳(中国では数え年にする)?見えない見えない!」

ここではよく若く見られる。私も20代前半だ(最高20歳前後)と言われたことがある。
ありがたいような恥ずかしいようなちょっと微妙。
けど、この言葉もみんながこれだけの厳しい生活に強いられていることを物語っているんだ。

「ねえ、あんた、手、白いねえ」
あら、今度は私に言ってきた。
日本ではまず言われることはない。
よく見ると、みんな日に焼けた手だ。
それに、指や爪は茶汁に染みて真っ黒。
そうかあ。みんな本当に苦労してるんだなあ。

「ご飯よ〜」
わ〜、おいしそうなおかずがいっぱい♪
筍でできたものが多い。今が旬だからねっ。
しかもちょっと前までは土に埋もれていたものよ!
しゃきしゃきしていて甘くて柔らかくておいしいー!
あとは塩漬けした豚肉とか魚とかを煮たものとか、
それから野菜もそこらへんで取れたものを使っているから新鮮!
「この野菜、おいしいね、なんという名前なの?」
「『野菜』」
「じゃ、これは?」
「えー、えー、『野菜』」

あら、みんな、食べられれば名前なんてどうでもいいのね、、、。
でも、みんなおいしくてついつい食べ過ぎちゃう。

食後の片づけを手伝って、、、おい、茶摘娘たちはもう休みモードに入ったのかよ。
ちょっとは手伝ってもよさそうなのに、自分だって食べたんだから。
ま、1日12時間くらい働いて戻ったらまた選別作業で
それでもって十数から二十元程度の賃金だから責めたらかわいそうかな。

ここは「自来水」(水道)のないところがほとんど。
けど、大抵どこの家にも井戸はある。そして家によっては
そこからポンプを使って水道を引いて蛇口をつけるところもある。
お湯は、朝と夕方、ご飯を作る時に薪で一度にたくさん沸かしておいてたくさんの魔法瓶に保存して使う。
だから一般の農家ではお風呂なんて夢のような世界です。
もちろんシャワーもありません。
あっても湯沸かし器などないので形だけのもので使えない、、、。
その代わりに、みんなは魔法瓶のお湯を使って手足を洗い、体を拭いたりするみたい。
だけど、一体、いつ体を洗うんだろう、、、。

食後の茶摘娘たちもぞろぞろと洗面器と魔法瓶を持って部屋に戻って足を洗ったり洗濯をしたりして休む。

着替えもままにならないので茶摘娘たちの部屋は、それはそれはすごい匂う。
住み込みで働く彼女たちの部屋は4畳半程度。
大きなベッドでみんなで一緒に寝る。
農家の規模にもよるが茶摘娘は3人〜6人程度雇う。
そしてお茶の最盛期の1ヶ月ほど住む。

私たちもそのうち彼女たちと同じ手、同じ匂いをしてくるんだろうね(笑)。

でも、そこではもう満員なので私たちは湖おじさんの娘さんの部屋を借りることになった。
彼女たちは普段学校で暮らしているので週末しか帰ってこないけど
今晩は娘さんもいるので2人で1つのベッド。

愛里と同じベッドだ!(浮気だ〜)


4月13日 晴れ 夜から雨

《蘇州の西山へ!》

杭州の東バス駅から2時間20分、蘇州の南バス駅に到着。
高速道路が出来、観光都市同士を結ぶバスはいい車を使っているので快適。

ぶはっ、埃だらけだよ。
工事がすごい勢いで進んでいる、道路はぼろぼろ。ここでもか。
この街には一体何がおこっているんだ?(注1)

(注1)
 5月に世界遺産展覧会が開かれるため、道路・建物・ホテル、
 どこも急ピッチで工事が進められている。


湖おじちゃんと合流。
この湖おじちゃんの作る碧螺春が、ここ数年いろんな作り手の碧螺春を飲み比べみて、最後まで心に残って消えない。
なんでなんだ?なにがそんなに違うんだろう?
やっぱり畑へ行かなきゃ分からない。

その探検がやっと実現!
前々から約束していたけれど、春の中国は次から次へと緑茶の茶摘みが始まり、あっちへ行けばこっちへ来れず、こっちへ来ればあっちは行けず、
分身の術とか使えたらいいのになぁ。。。
体はひとつしかないし、予算も限られているからね、ホンと辛いよ。(苦笑)

初めての場所はいいね、ワクワク心が弾んじゃう。
目にうつるもの耳にするもの、全てが新鮮で感動的だ。

さあ行くぞ!
目指すは太湖の中に浮かぶ島、西山。
西バス駅まで移動して、まずは昼食。
そこからさらに埃で真っ白に姿を変えているバスに乗り換える。
窓ガラスも真っ白で外の景色なんか見えやしない。
埃だらけの街中を抜けるまでは我慢我慢。

97年に橋が出来てから、西山の生活が一気に便利になった。
それまで島である西山から街に行くには、まず隣の半島の東山まで船で渡らなければならなかった。
この橋が出来る前まで、西山産のほとんどの碧螺春や果物が東山産として出回っていたそうだ。
農作物の生産量は東山に比べ西山の方が多いのに、本物の碧螺春の生産量も畑の広さもこんなに違うのに、西山の名前は出てこなかったなんて・・・
その経路から、西山で一生懸命作ったおいしい農作物の産地が東山のものとして有名になっていたなんて・・・なんかやるせないなぁ。

でも、よくあること。
これまでのことは仕方ない、仕方ない。
いいさっ、今はおいしい碧螺春や果物、その他の農作物もそのまま街へ出荷できるんだもの。
よかったねっ、西山の農家の皆さん!

埃の街を過ぎた頃、バスの窓がなんとなく黄色に変わった。
窓全開ーーー!
菜の花畑だぁ、すごい、すごい、すごい、どこまでも黄色く広がっているよ。
今度はピンクだぁ、一面の蓮華畑。ということは、ここは田んぼになるのかな。

ジェットコースターみたいにバスは上下に激しくジャンプして、軽い悲鳴と明るい笑い声が繰り返される車内は、とっても愉快!
お、あっちでは真珠の養殖してるね。
こっちは魚の養殖だ。

うおーーーっ、海の中を突き進んで行くぞぉ。
違うよ、海じゃないよ、これが太湖だよ!
すごいや、広いよ、波がない、延々と広がる水平線はなんて穏やかなんだろう。
まっすぐに伸びた橋をバスはどんどん進む。
向こうに見えるのが西山。ううぅぅ、来た来た来たーーー!

島に入ったところで終点。
あっ、銀行、スーパー、ホテルも?
閑散としているけど、生活には困らなそうだね。
ここからまた小さい車を呼んで、島の西北のはずれ、湖おじちゃんの家へ。
ぜんぜん車来ないね、三輪車も来ないや、、あはは〜っ!


《碧螺春の畑へ!》

さあ、行こう!
島の周りをグル〜っと囲むように狭いけれど舗装された新しい道路が出来ている。
2年前に出来たとか。

またまた菜の花畑のお出迎え!
ひやー、この島ぜんぜん人がいないや。
民家は?あったあった。
古い造りのなんとも雰囲気のある瓦屋根が、果樹園の中からぽつりぽつり覗いている。
そんな村をいくつか横目に、右側にはどこまでも菜の花と太湖。
お天気はいいし絵本の世界へ連れて行かれるみたいで、うっとり。

道端で降ろしてもらい、さてここからは?
荷物を担いで果樹園の中のけもの道をえっちらおっちら抜けていく。
なんか懐かしいいい香りに包まれてきた。
さあさあ、おとぎの国へご案内〜♪

え! え! ええーーー!
みかんの樹の葉の陰に隠れているのは、そっちもこっちもお茶の樹じゃない!
果樹園の中を覗いてみればお茶の樹がいっぱい、いろんな果樹と一緒に仲良く植わっている。
うわっ、なんだ私の横にもいっぱいだ。
みかん、梅、桃、ざくろ、柿、無花果、琵琶、杏、銀杏、栗、菜の花、野薔薇、野菜
・・・
話には聞いていたけど、こんな風にみんな仲良く一緒にいるなんて♪
こんなお茶畑、初めて〜。

ただいまーーー。(笑笑)
果樹園の中に現れた村の一農家。湖おじちゃんのお家。
迎えてくれたのは2人の姉妹、みぃみぃ(猫)、わんわん(犬)、鶏、アヒル、羊、
兎・・・
おばちゃんは? 当然畑だよ!

   湖おじ『出来上がったばかりの碧螺春、飲んでみる?』

愛&[女尼]「飲むぅーーーーー♪」

                  (愛)


《焦げちゃった碧螺春》

明前から始まり数種類の碧螺春を準備して品茶。
ここの碧螺春は摘んだ日で分けられ保管されている。
湖おじちゃんの頭の中には、茶摘みが始まってからの毎日の天気、どこの畑の茶樹で、どんな状態だったか、
細かく間違いなく記憶されている。すごいっ!

うほ〜、これが碧螺春だよ♪
これはいつの? どんな環境の畑の茶樹から摘んだの?
ふわ〜、こっちもいいね。これは?
んん〜、おっと、こいつはすごいや、なにもの?

体中が龍井から一気に碧螺春に変わってしまったよ。(笑笑)

今年の今の時期はもう2級になる。
こちらも昨夜出来上がったばかりをちょっと頂いて、、、っと。
んがーーー? なにこの匂い?
すごい焦げくさい、どうしちゃったの?

 愛「ちょっとおじちゃん、これひどいよぉ・・・」
おじ『どうした?』
 愛「すごい匂いがする、こりゃダメだよ。」
おじ『え、どれ? あ、これはまずい、ダメだ、ふぅ、、、。』
 愛「なんで?」
おじ『昨日この一鍋を担当した釜煎り師が途中で失敗したんだね。』
 愛「商品にするの?」
おじ『まさか、これじゃ無理だよ、あいやぁーーー。』
 愛「あいよぉーーー。」

畑から帰ってすぐに夕食の準備を始めたおばちゃんも、台所からこの場にすっ飛んできた。
『あいやーーー、全くどうしてくれるんだい。』

ホンとだよね、、、。
何人もで早朝から摘んでやっと少しの碧螺春が出来上がるのに、最後の最後で失敗したら、たくさんの人のその日の努力が台無しになる。
釜煎りでは、最後まで一瞬の気も許せない。
でも、この時期は鮮葉が多く一番出荷量が多い2級が作れるから、釜煎りする人は朝から夜遅くまで、汗を流してやけどをしながら必死に煎り続ける。

みんなが寝静まった夜中、電球ひとつの明かりの下で疲労と眠気と闘いながら最後まで炒ったのに、一人では柴釜の火の調整がうまくいかなくて、結果こんなことになることだってあるさっ。
みんなそのことを分かっているから、焦げた香りのついたお茶を見つめながらため息こそつくものの、だれもその人を責めたりしない。
みんな優しくて、そして強く逞しいね。
明日があるさっ!
その分私たちが頑張って摘んじゃうから! 、、、なんちゃって。

                              (愛)


《晩ご飯を探して》

ここには自然がいっぱい。
なにも買わなくても自然が与えてくれる宝物を大切に生活している。

私たちが品茶に夢中になっている間、2人の姉妹が私たちの為に晩ご飯のご馳走を探しに行ってくれた。
すぐに帰ってきた彼女たちの籠の中には、初めて見る野草がいっぱい。
各家にある井戸の水をバケツで汲んで、早速洗いましょう。

 愛「あ、これは分かる、クコの葉ね。炒めるの?」
 妹『さっき鶏が卵産んだから、卵と一緒に炒めるの。』
 愛「へぇ〜、おいしそっ。これは?」
 妹『野草。』
 愛「なんていう野草?」
 妹『えへへ、知らない。すごく爽やかな味がするんだよ。』
 愛「そうか、楽しみだなっ。こっちは?」
 妹『これも野草。漢方薬としても使われるんだよ。
   ちょっと苦いけどスープに入れたり炒めたりするとおいしいの。』
 愛「クローバーは?」
 妹『食べたかった?今日は摘んでこなかったから明日ね。』
 愛「こんなにたくさんありがとうねっ♪」

             (愛)


《碧螺春の釜炒り》

釜炒りを勉強に行きましょう!
30年釜炒り専門のおばちゃんの所へ。
ここは湖おじちゃんのお兄さんのお家。

『よっしゃ、いいよ、よ〜く見ておきな、ちょうど今から次のお茶を炒るからさ!』

『なに?日本人?うははーーーっ。』
『ちょっとみんな、日本人だってさっ!』
鮮葉の選別をしていた何人もの視線が一斉にこちらへ。
『本当に日本人?え?もう一人は香港人?』
『見た感じ、みんな変わんないね〜。』
そりゃそうさっ。みんな大笑い♪

柴(=薪)の調節をしてだんだん鍋(=釜)の温度が上がってきた。
今だーーーっ。ドサー。
両手でやさしく上から掴んでひっくり返して、、、まずはこれを繰り返す。>動画再生!

一鍋の鮮葉の量は、龍井と比べるとかなり多い。
2斤(1s)近くある。
龍井は一鍋が1斤(500g)にも満たない。
そうか、龍井みたいに鮮葉の影干ししないもんね。
鍋に入れる時点で、鮮葉に含まれる水分量がぜんぜん違う。
今の時期はもう鮮葉も大きいし。
それに三回に分けて回鍋以降徐々に量を増やして炒る龍井と違い、碧螺春は最初から最後まで一鍋で仕上げるし。

ふえーーー、2分位してすっごい水蒸気が上がってきた、もくもく真っ白。
おばちゃんの両手は既に真っ赤赤、げげっ、熱そぉ、、、。
ちょっと味見♪ふむふむ、まだ鮮葉の味が強いね。

ここで軍手着用。
慣れている人でも一日に何回も炒るから、
軍手しないと両手の皮がずる剥けになっちゃう?
ひえー、確かにおばちゃんすごい職人の手をしているもんなぁ。

鮮葉が熱せられて一気に出てくる大量の水蒸気の温度は、一体何度あるんだろう?
夕方から急に冷え込んできて雨も降り始め、ブルッとこんなに涼しいのに、おばちゃんのすぐ横でぴったり寄り添っている私も、もうじっとり汗をかいてきた。

まだ数分しか経っていない。
今の時期の茶葉は、炒りあげるまで一時間近くかかる。
ちなみに、明前茶などの早い時期の小さな鮮葉は40分位で仕上がる。
もちろんその日の気候や鮮葉によって一鍋ごとに違うから、炒り師の感覚が命。

最初から7分位経った頃、水蒸気が急に減ってきた。
おお、行程が変わった。
茶葉の状態を目で耳で手の感触でよく記憶して、、、っと。
鍋の中で両手を使い時計回りに揉み始める。
一般に言う《揉捻》という作業の最初の段階だが、現地の言葉で《カーン》と言う。

この状態ではまだ力はそんなに入れてはいけないのね。
ちょっと味見♪ふむふむ、かなり粘度が出てきている。

ここまで10分位経過した。
おばちゃんが軍手を片方はずす。
また両手で《カーン》。
《カーン》の後は、固まったお茶葉を両手でやさしく広げてあげる。
これを《翻》と言う。
少しでもくっついているとそのまま固まってしまうから、指先で急いでやさしく放してあげる。
しばらくは《カーン》と《翻》の繰り返し。

おっと、ここでおばちゃん柴を足しに裏へ周る。
温度が下がってきた、急げ、急げ。
え?お茶葉はどうする?

うわーーーっ、私の出番だあーーー!
急いで、急いで、落ち着いて、落ち着いて・・・
《カーン》、、、《翻》、、、《カーン》、、、《翻》、、、。

お、本当だ、もう思ったほどそんなに熱くないや。
ん? うげげ、やっぱり熱いやぁ〜。
それでも手を放しちゃダメ、焦げちゃう、くっついちゃう、
根性だ、気合だ、がんばれーーーーっ。

おばちゃんニヤニヤしながら戻ってきた。
「お、なかなかやるね。でも、ちょっと交代。」
はいはい、よろしくぅ。
ここで、またちょっと味見♪ お、かなりお茶っぽく苦味が増して味が変わってきぞ。

最初から20分程経過。
《カーン》の力がかなり強くなってきた。
(茶葉の状態は、、、ふむふむ、こんな感じね。)
おばちゃん『フンーッ』『フンーッ』って腰と上半身に力入れながら、汗タラタラで頑張っている。

また裏へ周って柴の調整。
おいおい、また私かよーーー、いいの? 嬉しいけど♪

最初から30分程経過。
粘度は減り、水分量も減ってきた。
ここで次の工程へ!
一鍋の中の茶葉を5〜6回分に分けて、両手のひらの中でお団子をこしらえるように、ころころ転がす。まずは軽く軽くね。
これを《団》という。
愛&[女尼]「これが《団》!お団子ね、おっぼえやす〜い♪」

《団》をしながら、同時に《焙干(乾燥)》。
少しづつ《団》にした茶葉を鍋に戻した時のその開き具合を見ながら、
(もうそろそろいいかな?)
よし今だ、力を入れた《団》に入ります。
わっせ、わっせ、わっせっせーーー。
うぎゃ、これもかなり熱いや、左の手の平がかなりやばいことになってきた。
負けない、頑張るっ!

《焙干》が進み乾燥してくると手の中の茶葉の感覚も随分変わってきた。
ここまで来ると、力を入れたらボロボロに崩れてしまう。
もたもたしてたら、焦げてしまう。
やさしく軽く急いで《団》と《焙干》を繰り返す。
パラパラ、パラパラ、、、。
鉄の鍋に茶葉が当たって聞こえるいい音が鳴り出した!
ゴールは近い。

もう《団》は終了。
炭になっている柴の調節をしながら、やさしく軽く《焙干》。
一瞬も目を離しちゃいけない。
葉の白い産毛が浮き出してきた。
もう少し、もう少し、もう少し。
そろそろ来るぞ。
もういいかな。
来るぞ、来るぞ、来るぞ。
いいいいいいい、、、今だあーーー!

鍋から急いで崩れないように茶葉を取り出し、紙の上に広げて冷まします。
出来たぁ〜♪(一同拍手!!)
炒りたてホカホカの碧螺春、ほげ〜、たまらない香りだね〜。

オッと、忘れちゃいけない後始末。
鍋がまだ熱いうちに水を入れて《ささら》でジャカジャカ洗います。
うほっ、すごい色。
水の色がどんどん真っ黒(真っ茶色)に変わっていく。
これが《茶汁》。
《茶汁》がないお茶なんてないけど、今の時期は明前よりも濃い。
一度捨てて、二回目はすすぎ。清潔、清潔。
余熱で鍋を乾かし、、、一鍋終了♪

さてさて、この碧螺春は誰の手に渡るのかな?
ちょっとだけ失敬して、、、うきき♪

                    (愛)


《茶摘み娘帰宅》

茶摘み娘たちが帰ってきた。
お疲れさま〜!
こんにちは〜!
みんな人懐っこい笑顔だね。
摘んだ鮮葉を測って、大きなタライヘ移します。
疲れた足を井戸水張った洗面器で洗って、、、。
さあ、みんなもう一仕事。

テーブルに今日摘んだ鮮葉を山盛りにして、新芽ひとつづつ選別に入ります。
うへ、、、この作業も大変だ。
《茶梗(新芽の付け根の部分)》や大きい葉をひとつひとつ丁寧に取り除き、
《茶[米子](茶の実)》や《老葉子(昨年以前の茶葉)》も取り除いて捨てる。
《茶[米子]》や《老葉子》やその他いろんな植物の葉などが、
茶摘みをしている時に自然と《籃子(摘んだ鮮葉を入れる籠)》の中に入ってしま
う。
時には果樹園の中を抜け、時には茶樹の間を練りながら茶摘みするからね。

でもさ、《茶梗》は茶摘みの時に最初から気をつければいいんじゃないの!
そうしたらこんな大変な作業しなくて済むのに・・・
ま、日が暮れる前にたくさん摘まなきゃいけないのは分かるけどさ・・・
丁寧に摘んでいたら鮮葉の量も少ないしね・・・
でも、ちょっと《茶梗》が多すぎない?
なんてブツブツ言いながら、一緒にお手伝い。
これが済まなきゃご飯が食べられないぞぉーーー。

茶摘み娘たちと一緒にせっせと手を動かしながら、一言話し出したらもう次から次へと質問攻め。
みんなおしゃべり大好き。どこの国も一緒だね♪

愛「なんだこの茶葉?大っきいな〜。」
娘『うわ、誰が摘んだの、そんなの!』
愛「あなたでしょ〜!」
娘『なんでよー。』
愛「だって名前書いてあるもん!」
娘『ぎゃははーーーー。』

あーだこーだ冗談言いながら、山盛りの新芽のチェック、がんばろうね。

湖おじ『もういいから先にご飯食べなさい。』
 一同「あと少〜し!」

晩ご飯前に全部は出来ないよ、だって大量なんだもの。
このテーブルの山が終わっても、まだ大きなたらい一杯に鮮葉が待っている。
がんばれ、がんばれ。

湖おじ『もういいってば、先にご飯ご飯!』
 一同「はぁーい♪」

            (愛)


《なにも聞こえない夜》

夕食の片づけが終わって洗面道具をとりに2階へ行く。
二階は、湖おじちゃん&おばちゃんのお部屋と作業部屋、一番広い部屋は姉妹のお部屋。この部屋に大きなベットがふたつあり、ひとつのベットを私たちに貸してくれている。
やさしい姉妹は1枚の布団に包まって抱き合うように眠りについている。
寒い夜、私たちには2枚の布団を用意してくれている。
ありがとう・・・

一番のお気に入りの広いベランダ。
このベランダからの景色はきっと一生忘れることは出来ないだろう。

今は夜9時。
眼下に果樹の海が黒く広がり、所々から農家の屋根がのぞき、果樹の海の向こうにはなだらかな小さな山の稜線が伸び、
雲のない冷たい広い空から降り注ぐ月の光は、この村だけを輝かしているような錯覚さえ起こさせる。
果樹の海に隠れてたくさんの碧螺春の茶樹も眠っている。
とても静か。
なにも聞こえてこない。

『ふわ〜』
思わずため息をついた自分の声が妙に大きく響いて驚く。
この静寂を誰も破ってはいけないような気がする。
いつの間にか私もこの静かな夜に溶け込んで呼吸をしている。

井戸まで顔を洗いに行こうとそっとそっと下へ降りると、茶摘み娘の部屋ももう真っ暗で物音ひとつしない。
明かりのない外も月の光が井戸の場所を教えてくれる。

持っている服を重ね着して薄い布団に包まる。
寒い寒い夜。
静かに眠りに落ちる。

           (愛)


4月12日 曇時々雨

今日は予約した茶葉を受け取りに梅家塢村と翁家山村へ行った。

土曜日だし、雨だし、混むんだろうなあ。
案の定、乗用車や観光バスがごちゃごちゃしていてすんごい渋滞、、、。
予定変更!先に梅家塢村へ行こう。

ひゃ〜。ここもすごい車が道路の両側に止まってるな。
道路際のたくさんの店はすっかり観光地なんだね。
お茶もほとんど《にせもの龍井茶》だし、、、。
(少しわかるようになってきたよ!)

やっとこさ紅おばちゃんち到着。
「ご飯まだでしょ、今温めるから待ってて」

もう、わざわざすみません。
しかも予定を変更したからいきなりというのに、、、やさしい(感動)。
え?いつものこと? まったく愛里ってば・・・

「例の龍井茶、おじちゃんが取っといてくれてるよ。持っていきな。
愛子(=愛里)が高山の畑で頑張って摘んだやつ、おじちゃん売らなかったんだよ。
あのお茶を毎年予約する上海のお客さんにも夕べ断ってたよ。」

「えっ?」愛里はもう感動のあまり跳んだり騒いだりしているが、
目がうるうる、、、。
「おじちゃんのとこ行ってくるー」
そう言って跳んでいった愛里を追って、おじちゃんのところへ。

「おじちゃーん!」
「おっー、来たかー」
「お茶、どれどれ?」
「これだよ。今からちょっと茶片や茶末を取るからちょい待って」

おじちゃんは篩を壁から取ってきて、袋の茶葉をざざざと出した。
ざ、ざ、ざ、ざざ、ざ、ざとちょうどケーキを作る時の小麦粉を篩うのと同じような感じで細かい粉を出していく。
これが結構あっという間に終わる。
量が多い時は数回に分けて行う。でも適当?!(笑)

「これって何分かかるの?」
「大体きれいになればいいさ。」


次は茶片を取る作業を見せてくれた。
今度はちりとりみたいな形をしたざるを使って、釜に向かって、
ざ、ざ、ざ、ざ、ざ、と振っていく。
うまいことに、軽い茶片などはその釜に入っていく、、、。(動画へ)

この茶片や茶末、軽く見てはいけないよ。
だって、おいしいお茶からのものは変な茶葉よりおいしいんだから。
もちろん、売り物にはならないので自宅用か炒茶職人さんか
茶摘娘たちにあげるそうだ。
中国では貧しい人はお茶さえ贅沢品でお湯しか飲めない人も
いっぱいいる、、、。
で、それを今度は私たちが狙っているんだ、、、「これをくださ〜い!」
ただでゲット!

え?愛里?奥の方から勝手になんの包みを持ってきているんだ?
こそこそと、、、。
ええ?そっちの包みが今年の一番いい老蓬の茶末なのー!
勝手に持ち出して大丈夫?

 愛里「ねえ、おじちゃん、これなに?」
[女尼](知ってるくせに、、、!)
 おじ「ああ、それは第1〜2蓬の茶末だよ。」
 愛里「これ、、、ちょうだい♪」
 おじ「いいよ、持っていきなー。」
 愛里「わ〜い、ありがとう!、、、いひひ。」
[女尼](・・・・・) 


「ご飯冷めちゃうよ〜」
おばちゃんの声だ。ご飯だ♪

農家のご飯は本当にいつ食べてもおいしっ。うふ。
幸せ〜。

あ、おじちゃん帰ってきた。愛里が摘んだ茶葉を持って。
「今包んでやるから」と
隣の部屋で茶葉を量りながら紙に包んでいく、、、

愛里はご飯を食べながら、、監督する?!

さて、ご飯も食べたところでご飯代を稼がねば。
茶摘娘に変身!!(といっても麦藁帽子をかぶるだけだが)

雨もあがり、空気がいい!!
今日は雨だったので低いところでの茶摘。
鳥たちも出始めて、♪ホーホケチンッ♪
あはは、いつもの調子だわ。

愛里はもうすっかりプロ並みのペースで茶摘している。
おばちゃんも大絶賛。ぜひ来年も手伝ってって。



おばちゃんは摘みながら茶樹をチェックするの。
どの茶樹がまたいつ摘めるのかまだなのかを。
生き物だから毎日状態をチェックしないとわからないんだ。
そしていつどこのものを摘むのかを茶摘娘たちに指示するの。
なので芽の大きさが大抵揃っていてきれい!
おばちゃんの目はすごいっ!

ここの老蓬の畑もあともう少しで終わりのよう、、、。
季節の終わった木から剪定していくんだって。
そしてまた来年の春のお茶作りに備えるの。
きれいなもの、いいものは儚いねえ。

さて、おばちゃんは一通りチェックしたところで
茶摘娘たちの鮮葉を持って帰ることに。
左は私が摘んだ分、右は愛里が摘んだ分
そして上に少し見えるのがおばちゃんと
茶摘娘たちの分だ。

何分摘んだっけ?

あいや、もうこんな時間。まだ行くとこがあるんだった。
楽しい時間はいつも早い、、、。
紅おばちゃん、おじちゃんたちに挨拶をし慌てて外へ。

 

途中の川の洗濯場で初めて誰かがそこで洗濯しているところを見た。
みんな本当に地味な暮らしをしてるんだ。

あ、時間がない。仕方ない、道路でタクシーを捕まえるぞ。

夕方時、タクシーの交代の時間と観光客の帰りの時間が
ちょうど重なってなかなかタクシーが来ない。

焦る二人、、、、。
あ、誰かそこでタクシーを降りたぞ!走るぞ!
は〜、はあ〜、やっと捕まえた!
前に待っているおじさんより早く捕まえたぞ、えへ(得意)!


急いで翁家山村へ。

まずは品茶。茶末も一緒に飲んでみた。
うわ〜。苦っ。ちょっとこれ茶末を入れすぎ〜(笑)。

あ、雨が降ってきた。みんなで急いで干している茶葉を
ござから大きなざるに移しかえて屋根の下へ。

茶片や茶末をみせてもらった。
去年のものもある、、、いい香り。
またもや少しずつゲット!どこまでもずうずうしい二人、、、。

次は、前に摘んではいけない赤い茶樹の葉でできた龍井を見せてくれた。
前に歌おばさんが言っていた通り、出来上がりは、ほんとー、真っ黒。それに、苦い。
自宅用にするんだって、量は少ししかないが。

いい匂いをしてきた。ご飯だ♪

茶摘娘たちも帰ってきた。ご苦労様。
一緒に食べよう。今日は息子さんが腕を振るったそうだよ。

すっかり遅くなってバスも終了してしまった。
そこで、なんと村の別の家の人が車を手配してくれた!
みんな、やさしーー(感動)。
え?歌おばさんも来るの?遅くなるよー。
今が一番忙しい時期なのに。(涙)
本当に、地味にたくましく生きる人ほどやさしいんだね、、と
しみじみ思いました。

が、感動する間もなく、すぐに移動の準備に預け荷物の梱包が、、、うう。

ねむ〜〜〜(しくしく)。


4月11日 曇時々雨

さあて、今日はこちらでいつもお世話になっている人と一緒に食事をするため、
某杭州有名レストランに行きました。

愛里曰く:『いつも饅頭や快餐(庶民の定食屋みたいなもの)や
農家のご飯がほとんどだから、小〔女尼〕子には始めての中国・杭州、
一度はガイドブックに載っているようなレストランにも入ってみたいでしょ!』

杭州料理を紹介しちゃいます♪


      冷菜:醤蘿ト(大根の醤油漬け)(写真左上)
              おいしい!塩辛いけど、少し酸っぱいで食欲をそそる。
         
         天目笋干(天目山産の筍)(写真右下)
              細かく刻んで油を通して柔らかいけど、
              しゃきしゃきと歯ごたえがある。

     スープ:魚頭豆腐湯(魚の頭と豆腐の煮込みスープ)
              魚のスープはだしがおいしくて大好き。

         甲魚湯(スッポンの漢方入りスープ))
              んー、どう言っていいかわからない味。
              病み上がりの私に『これを飲むんだ!』
              と愛里が注文してくれた。              


メインディッシュ:東坡肉 
              やっぱりこれを食べなきゃね。
              でもここの味付けは少し甘いような気がする。
        
         紅泥小炒 (写真右上)
              レストランの名物料理らしいが、色々な野菜が入っている炒め物。
         
         紅焼盧魚 (魚写真中)
              「盧魚」(ロウユィ)という魚を焼いてたれで味付けしたもの。
         
         香酥鴨 (魚写真左上)
               小さい鴨を味付けして揚げたもの。スパイシーでおいしい。
         
         炒芥蘭 (写真左下) 
               広東の野菜で茎はブロッコリーのように硬くて、
               形はなばなのような冬野菜。 
               実家でもよく食べたが、味が全然違ってがっくし。
               本来は少しくせと苦味があってそれでもって甘味もある
               、、、はず。もう終わりだからか。

初めてスッポンを食べた!
味や歯ごたえは鶏肉に似てはいるものの、
やはり、足とかを見ると、ちょっと気持ち悪い、、、。

愛里は甲羅にかぶりついていたよー。
コラーゲンが豊富に含まれているんだって。
食べなきゃ。でもスープはおいしい。
おおっー、なんか暖まってきた。
こりゃ効きそう。元気になりそう。
これからのためにもスタミナをつけなくちゃね。

みんなそれなりにおいしいけど、やっぱり農家の家でいただいた
ごはんにはかなわないわ。

でも、スープは本当によかったー。実家の味を思い出すなあ。
(ここでの家庭料理はあまりスープを作らないみたいだからねー。
久しぶりに飲みたかったよん)


4月10日 曇り 10時〜3時:さらさら雨 涼しい

龍井老蓬の新芽の残像がずっと消えない。

目を閉じても目を開けていても、そこら中に摘み頃の新芽がアップで迫ってくる。
あの色艶、形、大きさ、鮮明すぎるほど鮮明に目の前にどんどん迫ってくる。
老茶葉の大海の中からささやきかけてくる。

ここにいるの! こっちにもいるの! 下も見て! 中に埋もれているの! 私も忘れないで!

分かった。チョット待って。ここね。はいはい。そっちもね。今いくよ。そこもね。
待っててね。

この数日間、茶摘みをしていなくても目の前は新芽だらけ。
夢の中でも茶摘みをしている。。。(笑)

朝起きてもご飯を食べた後でも、飲んでいない時にこそ気づく。

舌全体が龍井のオブラートに包まれてるように、いつもとても甘い。

これには驚いた!

知らないうちに龍井茶が体に沁みこんでいるの?
一年位暮らしたら、体中が龍井茶になってしまうんだろうか。。。

すごいよ、龍井茶♪   (愛)


4月10日 雨後曇

今日はようやく復活して念願の梅家塢の茶畑に行ける!

午前中は登るのがえらくハードな高山の畑へ行くらしく、気温も低いし危ないから、体力回復するまでやめた方がいい。
そう言い残して愛里は夜明け前に茶摘みへ出かけていった。

昼前に山から6人分のお茶葉を担いで下りてきた愛里と合流して、紅おばちゃんのところへご挨拶。

紅おばちゃんはお昼ごはんを調理中。
みんないいにおいがしておいしそう。

まだ少し時間があるので紅おじちゃんの柴鍋を見物。
すごい!薪のにおいに茶葉の香ばしいにおい。
いい香り〜♪

今は2回目炒りの「回鍋」だ。
茶葉を精一杯力をこめて両手で押していく。〔注1〕
かなりの重労働のようだ。
こうやって少量づつ全部手作業によるものだから
高くなるのも納得だね。

〔注1〕
 回鍋の際、両手で強くアタックする方法は梅家塢独特の方法。
 各村の釜入りには、それぞれ違う特徴がある。
 それによって、茶葉の外形にも各村の特徴がでる。(by愛里)
 
茶摘娘たちが帰ったところで、ご飯♪
食後は茶摘娘たちは早速午後の部へ入ります。
雨の中、雨具着て長靴履いて本当にご苦労様です。

私たちとおばちゃんは、《采茶王比賽》(茶摘の競争をする大会)に向かった。
梅家塢村の代表2人と合流するため、まずはおばちゃんの仕事場へ。

これが事務所。見学!
愛里がおばちゃんの椅子に座っちゃって、怒られないの?
事務所の隣に新築の「梅家塢度假村」(梅家塢リゾート)がある。
ここもいずれ立派な観光地になっちゃうの?
そういえば、随分立派な道路とトンネルができてたもんね。

さてさて、《采茶王比賽》を見るか。
すでに多くのマスコミの関係者や村の代表選手が集まっているな。
「君たちはどこの村の代表だい?」とある村人。
えっ?とそこへ愛里が「日本村よ。」みんな大笑い。

一つの村から2人の名人が選ばれ、参加者は合計12人。
みんな決められたところで摘むのだが、
摘みやすいように予め枝をある程度剪定してあるみたい。〔注2〕

〔注2〕
 この日のために、数日前に枝を切りそろえ、
 摘み易い新芽がたくさん出揃うように調整してある。(by愛里)

さあ、いよいよ試合開始!
私もマスコミになったつもりで取材するぞ!
みんな、一所懸命やっているね。あれ?
なんで愛里も摘んでいるんだろう・・・。

 

どれどれ、私もマスコミの取材についてみよう。
ある村代表の試合中のインタビューが取れたよ!
内容は大体こうだ:

マスコミ:「どういう茶葉を摘むのですか?」
選手:「こういうのが、あいや、落としちゃった。
え〜と、よいしょ、大体こういう感じのものが標準の茶葉だよ。」

>(動画再生!)インタビュー
>(動画再生!)茶摘
試合終了!

さあ、まずは重さを量る。
うわっ、愛里、なにしてるのよ。
えっ?梅家塢村の代表の篭に自分の摘んだ茶葉を入れたの?
カンニングじゃないのー。えっ?みんなそうしてるの?

それにしても一応大会なのに原始的な秤で測るもんなんだね。

摘んだ茶葉の重さが点数全体の半分を占めるらしい。

次に、摘んだ茶葉の状態を審判がチェックする。

これも半分の点数を占める。

周りに人がいっぱい群がってところで審判が紙になにやら点数らしき数字を書きながら計算機をたたきながらブツブツ、、、。

優勝者、采茶王が決定!
残念ながら梅家塢村の選手が健闘したにもかかわらず、優勝できなかった。
他の村(名前を忘れた)の代表が采茶王を取った。

その後、大変簡単な授賞式が行われ、おしまい。
単純でいいね!(笑)

でも、今日結構マスコミが来ていたからもしかして私たちもどっか映っているかもしれないね。
明日の新聞やニュースをよ〜くチェックしなくちゃ。

家に帰って準備して茶畑に向かう。茶摘娘たちの鮮葉を集めるため。
古い民家を潜りぬけて、山へ山へ。

気持ちいい〜♪
これよこれ、おいしい空気に緑の山々に囲まれた環境。
茶摘する人がちらほら。
緑でいっぱいの眺めはもう最高。
こんな環境ならお茶もおいしくなるわね。
雨も止んだからか、鳥たちが一斉に鳴きだしてきた。
標高が低い畑でもこれだもん、山の上の畑はどんなだろう、私も行ってみたいな。
きっと素敵な環境なんだろうな、汚染の影響も少なくて水はけもよくって、、、。
昨日飲んだものは本当に衝撃的だったもんな。
愛里が畑に拘るのも納得。

愛里は再び茶摘に夢中。
もはや誰にも止められな〜い。

よしっ!私もやるか。
バッツン、バッツン、あ〜ん、みんな同じように見えてどれを摘めばいいのか全然わかんないよ〜。

ね、ね、先生、教えて。

愛里:「下から芽を摘むの。上からだと埃が下に落ちていくから。
芽は小さすぎてもだめ。こう芽がすっかり出て、ピンとなったものを探して。。。。云々。。。。。」

う〜〜ん、よくわかんないけど、とにかくやってみるしかないかあ。

これかな、これもかな。これはだめかな、これはいいのかな、、、、。
う〜〜〜ん、迷っちゃうな〜。
バッツン、、、、バッツン、、、、、、、バッツン、、、、バッツン、、。

あ、なんとなくわかってきた。これかな。これもかな。
これは、あっ、まだ小さいかな。はい、あなたは次ね。
はい、あなたはいいのね。
少し目が慣れてきたかな。

ようやく少し慣れたところで、おばちゃんが、もう帰るよ〜って。
茶摘娘たちの茶葉を集めて先に持って帰るため。
さあて、茶葉を持って帰った。
午前中いっぱい雨が降ったので水分がたっぷり。
おおっ。おばちゃんがネットを出して鮮葉を入れたぞ。
これから何をするんだろう、、、。怪しい、、、。


《さぁーて、ここからがクェッションです!!》

Q:持って帰ったばかりの茶葉をネットに入れてどうするのでしょうかっ?
  (ミステリーハンターのつもり、、、


《ヒント》
!!賢いっ!!鮮葉についた水滴が見事にきれいに取れているー!!
  愛里:「こりゃたまげた!」

水滴の取れた鮮葉をござに広げて、、。
雨や晴の日はこうして室内に広げるけど、曇の日は外に干すの。
外に広げる時には放し飼いの犬や鶏がその上をお構いなしに歩いたりするらしい、、、。

おばさんはこれからご飯の支度、私たちはあちらこちらで色んな民家を覗く。
どこも忙しそうだ。柴鍋がいっぱい。
愛里がほかのところのおじさんの釜入りの弟子にしてと頼んでいるところに、電話がなった。

ご飯だーー。

茶摘娘たちと大勢でご飯。今日もおいしい。
おばさん本当に料理上手〜。幸せ。

食後、ちょっとしたハプニングが。
茶摘娘の一人が足を洗おうと長靴を脱ごうとしたが、なんと抜けなくなったんだってー!!
小さめの靴を履いて、夕方足がむくんだからだろうか。
あいや、とそこへみんなが集まって、靴を引っ張る人、「被害者」を引っ張る人、現物する人、、。
イッセーノーデ!えいっ!スポッ!
やったー。脱げたー!ははは(一同拍手喝采と大笑い)

夜おばさんにバス停まで見送られて・・ホテルに到着。

、、、ん?なんか暗いところにいると、お茶の芽が目の前に浮かんでくるー!あっー、摘まなきゃ。

愛:「これであなたも取り付かれたのねー」(笑)
               (小〔女尼〕子)


4月9日 晴

今日、病院に行って生まれて初めて点滴を打ったよ。
痛かった。ふぇ〜ん。(涙)
3時間も横になっていたので起きてみたらクラクラ〜。
もう2度とやりたくない。

夜、るんるんして「うはっ♪壊れた♪」愛里が帰ってきた。
大丈夫?と思うほどうれしくてうれしくてたまらない様子。

そんなにいいお茶なの?
しょんぼりした私に愛里は自慢げにお茶を淹れてくれた。
ズズズー、「!」何?なんでこんなにも甘〜い甘〜いのー??
本当にふんわりとした甘味で瞬間にして春に包まれた気になる。
しかも、これが2煎目も3煎目もその後もずっと続いたのー!
これは感動ものだわー!
幸せな気分になるんだもん。

翁家山村で予約してある老蓬龍井もとっても甘くて、100年以上の古い木だけあって貫禄のある力強い感じがするのよね。

それに比べて梅家塢村で予約したというこれは、ほんわかでやさしい感じなの。
えっ?このお茶は標高の高い畑の老蓬で年に1キロないし2キロくらいしかとれないものをタイミングよくゲットしたってこと??
まさに「幻の龍井茶」じゃないのー!!

すごいすご〜い!
だってたとえお金があったってここ杭州でさえそう簡単に手に入れられるものじゃないんだもん!
タイミングも大事だけど、やはり愛里の人柄やお茶に対する情熱が農家の方に認められたからできたことよ!!

いやー、もうもったいないから、ね、ね、お願いだから品茶セットにしないで二人で山分けしようよ!(笑)

あれ?そういえばもうすっかり病気も治っちゃったみたい!


4月9日 晴れ  夕方から少し風が強くなる 星がきれい

買っちゃた、買っちゃった、買っちゃったーーーーっ。

というか、まだ最後の行程が残っているから、予約ね!
その梅家塢村の高山龍井茶、もう私のものよ。(笑笑)
タイミングばっちり〜♪
もう一日遅かったら・・・なかったね!
もう一日早くても・・・なかったね!

梅家塢村の高山、東南の老蓬の畑。
めちゃくちゃ条件がいいその畑から採れる一番茶。
高山の畑の老蓬は清明節後に茶摘みに入ったのです。
毎年、この畑で採れる老蓬の一番茶は、約3日間分合わせて1キログラムにも満たないの。
しかも、今年のこの一番茶の数日間、お天気は最高のお茶日和だったのよ〜。

もう買うまい。もう買うまい。
と思ったけど、出会ってしまったんだもん、だめだーーーっ。
このお茶の味に巡り会えて、やっと分けて貰える機会がめぐって来たんだもん。
もう、何を我慢してもいいよ。(笑)
(翁家山村で数日前予約した龍井茶の時も、同じこと思ったっけ・・・あはは。)


今日は梅家塢村にいたの。
おじちゃん&おばちゃんの家に住み込みの予定だったんだけど、村の水不足の問題が大きいので今は遠慮しています。

村中あっちへこっちへうろうろ。
たくさんの作り手の釜炒りの邪魔(!)をし、
それぞれのお茶を品茶させていただき、
そこにグラスを置いたまま又うろうろ巡回し、
畑へ登って茶摘みを手伝い(ちょっとだけぇ〜)、
お茶とご飯をたらふくいただき・・・
ああ〜、なんて幸せなんだーーーーーっ♪(ああぁ、かわいそうな小[女尼]子よぉおお。。。)

そうそう!
すっごく惚れちゃう見事な釜炒りをするおじちゃんは、今年の龍井茶大会(3月29日:在梅家塢村)で入賞、
おめでとうございまーす。
竹の子探すのも上手なんだよぉ。この時期おいしいんだ!
今年は、1位、2位、3位、5位、梅家塢村からの参加者だったそうです。

明日はその高山の畑で茶摘み大会〜!
といっても、愛里VS早摘み名人の茶摘み娘2人。
朝6時に畑へ向かって出発、、、4時起きだぁーーー。

                      (愛)


4月6日 晴れ 雲多い 夜中から小雨

今日も龍井茶の山と畑にいたの。

品茶、ご飯、釜炒り、畑登り、茶摘み、品茶、ご飯、品茶、買い出し、ご飯、病院、、、

寝る。眠いの。おやすみなさい。

あ、、、シャワー&洗濯、、、涙。  (愛)

4月6日 番外編 中国の病院

熱が出てもうだめ〜。
愛里がいろんな人に聞いて、地元では施設のいい方の病院へ連れていってくれた。

もう夜遅い時間だったので一般のではなく、救急病棟に行った。

これが診察室。

特に最初に受付してもらってから順番待ち、というわけでもなく、
そのまま診察室に入って、事情を説明してからの「掛号」(受付)らしい。

診察室では人がごちゃごちゃたくさん入っていて、
特に順番も決めていないようで適当に医者か看護師を捕まえては
診てもらうといった感じ。

それにしても付き添いの人は多すぎるんじゃないの。
医者が診察している最中もそこらへん人がいるし、、、。

私はまず体温を測って、それから血圧を測ってそれから血液検査、、、
え?血液検査?なんかすごい病気かな(ドキドキ)。
結果は2,30分で出るそうなので、愛里に案内され個室のベッドにバタッ。

結果が出たらしい。
戻ってきた愛里が言う。
「すごく痛そうな大きな注射が何本も準備されていたよ。入院だってさ。」
うそおーーーーー。

うそだった。
どうやら何かの細菌に感染したらしい。
軽い症状なので飲み薬だけですぐよくなるだろう、とのことだった。ほっ♪
(本当に入院!って言われたらどうしようかとはらはらした)

薬をもらって病院をあとにした。
それにしても高いところだけあって思ったよりちゃんとしたところだ。
(薬もいいものみたいでみんな数十元するものなの)
愛里にはすっかりお世話になって本当に感謝!
                       (小〔女尼〕子)

翁家山の山の上の畑で元気がなくなった小〔女尼〕子、先に部屋に戻ってもらった。

初めての大陸、初めての龍井のお茶畑、初めて会う人々、毎日はじめてだらけだもんね。
疲れがそろそろ溜まって来たかな?
鼻水も出ているし、環境が変わって風邪気味かも。

お茶に夢中ですっかり帰りが遅くなってしまった私。
ただいま、ちゃんとベッドで休んでいるね。

体調どう?
え?熱があるかも?やっぱり風邪かな?
病院行く?やだ?何も食べたくない?
なにか食べて薬を飲まないと治らないよ。
果物と薬買ってくるから、ほかに欲しい物思いついたら電話して。

お待たせ、まず体温計。
(5分後)ちょっと見せて。
あ、、、38.8度。こりゃ駄目だ。病院行こう。
なに?怖い?
ちょっと待ってて、外国人病棟があるところ探してみるから。

近くに香港人が作った大きな病院があるって。
いいね?行こう。

え?まず金を払ってカードを作れ?どこよ?・・・はいはい。

ちょっと、診察している最中に割り込まないでよ。
人が診察中にそんなに群がって割り込んでどうするのよ。

医者もいちいち応えてないで、こっちは本当に高熱なんだから。

え?先に診察料を払って来い?今度はどこよ?・・・はいはい。

結果が出るまで外で待ってろ?
点滴も椅子なわけ?

ふざけるな、座っているのも大変な様子が見てわからないの?
開いてるベットはないの?
あっちに個室があるじゃない!

ほっ、よかった、大事ないのね、本当ね、帰っていいのね♪
さてさて、薬をもらって。
え?先に金を払って領収証をもらって来い?・・・はいはい、これが最後だもんね。

「小〔女尼〕子、聞いてきたよ、入院だってさぁーーー。」

                          (愛 )


4月6日 晴時々曇

再び翁家山村にやってきた♪
みんな相変わらず忙しいー。

まずはお茶をいただくと、、。


左4月1日右4月2日摘み老蓬
え〜と、今日は新品種と老蓬の2日分を淹れてくれた。

まずは新品種と、、、見た目はきれいだな。

味は、、、プラスチックの味もかなりするけど、それでもお茶の味がちゃんと出ている。
さすがそこらへんのお茶とは違うね。
・・・みんなプラスチックのコップを・・・匂いが強いよ。(注1)

(注1)
 この時期の農家は早朝から夜中まで大変忙しく、出稼ぎの茶摘み娘も同居して人数も多いため、洗い物も大変なの。
村の人口がこの時期だけ何倍にも膨らむため、水の出も細くなるし、ガラスのコップも貴重品です!
その為、家の中ではプラスチックや紙のコップを活用。
お客さまがいらした時にはガラスのコップを使います。
あ、私たちが真剣に品茶したいときは使わせてくれるよ。
その代わり、必ず自分たちで準備して洗って片付けるっ!
                      (by愛里)



味は、、、プラスチッ
老蓬のほうは?
見た目は新品種ほどきれいではないが、香り、、、香ばしいけど、青茶のようなインパクトはない。
味は、、、前飲んだ時と同じように控えめで、でもあとからあとから味が出てくる、、、が、何か違う。

新品種よりなんか深くて厚くて力強い味がするのー!

こうして飲み比べるとよくわかる。
甘い、、でも力強い。ん〜なんといったらいいんでしょう。
そうそう、太極拳のような奥から後からぐぐぐっと力が出てくる感じ?かな。

私の中ではまさに「柔を以って剛を制す」みたいなお茶だ。

そうっか、これこそ愛里が探し求めた茶葉なんだ。

おじさんやお兄さん、手を休まずお茶を炒っているな。
そこへ、有志愛里!がお茶を炒ると申し出た。

「へ?大丈夫なの?相当熱そうだよ。」

おばさんに教わりながら、愛里が「炒茶」する!

へ〜、見ているだけでは簡単そう、、、でも熱そう、、、。
おおっ!できた。すごいすごい。でもちょっと黒っぽいような。
これどうするの?と思ったら、あ、他のものと混ぜちゃった。

次に、私も挑戦した!

あつっ!あっつ!あっつい〜!
やっぱり、やるのは簡単ではなかった。
茶葉を手で抑えていかなければならないのに
熱くてとても力を入れられない。
しかも、気を抜くと、
あっつーーー!と鍋に触れたら最後(泣)。
こんな熱い中で10分くらい耐えなければならないし、
ずっとこれをやっている人は一日中この熱さと戦うわけだ。

横では愛里が笑っている。そして隣では
おばさんが心配そうに眺めながらお茶を炒っている、、、。
もう限界。早速またお兄さんに交代。

できた茶葉は?あ〜、焦がしちゃった。ごめんなさい。
でも、お兄さんは他のものと混ぜちゃった、、、
二人の手垢入り、ごめんなさい〜〜。

少し休んでお話をしていざ茶畑へ!

家の間を抜き、山道へ登っていきます。
途中、なにやら野菜畑がある。
まだまだ登ります。

少し上に行くと、ひゃっ、これってお墓?
清明節の翌日なのでまだ墓参りする人があちらこちら見られた。
こっちにもお墓。そっちにもお墓。

「失礼します。」
「お邪魔します。」
「ちょっと通ります。すみません。」

実家の香港では、他の人のお墓やその周りを通る時に挨拶するのが常識。
そうしないと後から怖い・・・かもしれない。

ここでは自分の土地にお墓を作るみたいだ。
お墓のところを通り過ぎると、一面の茶畑が向かえてくれた。
少しほっとした。

ほえ?まだ行くの?てくてく、てくてく・・・。

はあ〜、やっとついた。
早速愛里はでへ〜とした顔で大好きな茶葉ちゃんを
歌おばちゃんと一緒に摘んでいく。

♪○×△☆※x123●・・・・♪
>動画再生♪

 

 

ん?誰か歌っている。もしやいわゆる「採茶歌」(茶摘みするときに歌う民間の歌)?
でも、よく聞くと、メロディーはちょっと昔の流行歌のような・・・。
だけど、歌詞はみんな適当に作って楽しんでいる。
それもいいかもね♪


4月月5日(土)、晴

今日は清明節。「清明節時雨紛紛」(清明節の辺りはよく雨が降ることを言う)

というのになんで晴なんだ?

でもいいや、だって、今日はあの有名な西湖に会えるんだもん。
みんな、「雨の西湖」だというのに私は晴の西湖が見れるんだもんね。
こんな時期に。







うわっ、すごい渋滞、すごい車、すごい人、人、人。
なんだこりゃ。おーい、みんな墓参りをしなくていいの?〔注1〕

〔注1〕
 清明節というのは日本のお彼岸のような年中行事なんだ。
 この日は、一般的に墓参りをする習慣がある。
 たとえ今が一番忙しい農家でさえ、この日の前後に必ずご先祖様の
 墓参りをしてお供えをするの。


週末の西湖はどうやら地元の遊びのスポットみたいだ。
白堤を歩くことに。
ここは時間帯によって歩行者天国になっているらしい。

さくらは歩道の両側にきれいに咲いていて、柳は新緑で飾っていてほんとーきれい!

しかも、ここのさくらは八重咲きだけでなく、なんと色が「紅白」になってるのー!

みんなそこのへんでピクニック状態。トランプをしたり、果物を食べたり、
凧で遊ぶ子供・・・で結局花より団子かあ。

おお、さすがにいちゃいちゃカップルもあちらこちら・・・
随分この辺も「開放」してきたもんだなあ。

う〜ん、確かにきれいなんだけど・・・でも周りが「現代化」風景になっているから
想像の「詩的な世界」からかけ離れすぎ。

えっ?これから湖の下にトンネルを作るんだって?
2005年くらいにできるの?(後から今年でできるという人もいた)
大丈夫かなあ。
目的は、湖浜の道の渋滞解消らしい。
たしかに道はそんなに広くないからしょうがないかなあ。
でもね・・・。

途中でお茶の店を発見。ちょっと寄ってみよう。
あいや〜、茶葉を日光に晒してるじゃないの。
おいおい・・・。それに、茶葉を炒っているおじさんが
いるけど、なんか全然力が入っている感じがしないよぉ。
いいんかいな。

ま、それはそうとして、お茶を飲んでみるか。
一番高いらしいやつをいただきました。
う〜ん、昨日歌おばちゃんのとこで飲んだものより
全然おいしくない!

愛里の話によると、多分、偽物?!〔注2〕
見た目じゃ全然きれいでわかんないのにね。

〔注2〕
 店員曰く『この茶葉は龍井の高山の春茶、昔から自然にある本物の龍井茶樹。』
 『いつ頃摘んだか?確か、、、そう、2月の中旬。』
 見て・・・怪しい。形が違う。
 品茶して・・・抜けている。味が違う。
 話を聞いて・・・そんなことありえない。
 多分、外地で作った烏牛早では?(by愛里)



西湖を去り、夜市に行ってみた。
ここもものすごい人、人、人、観光客(西洋人、香港人など)もたくさんいた。
日本語の片言を話せる店の人もいることから、きっと日本人観光客も多いんだろうな。
へ〜、何これ?って見たこともないような怪しそうなものが並ぶ。

色々値段を聞いたりして、中にはわりと良心的な屋台もあった。
あ、そうだ、お土産を買わなくっちゃ(すっかり忘れてた)。

何にしよう・・・愛里:「中国の昔の下着(肚兜)はどう?これ結構喜ばれるよ」
え?ほんまかいな。まっいいか。
さあ、いよいよ値段交渉!

何軒か同じ屋台を見て値段を聞いて、最後になんとか安くすることに成功!
よしっ!これで友達分のお土産をゲットしたぞ。


4月4日 曇時々晴

おっ、いよいよ初めての茶畑だぁ。どんなお茶に出会えるのだろう?ウキウキ・・・。

杭州の中心部を抜け山道に入っていく。うむうむ、いい感じ、いい感じ。

あっ、何これ、なんかあちこちで工事してるじゃないの。
何作ってるんだろう・・・観光施設かなあ。

ここもいずれ「ただの観光スポット」になってしまうのかな。
どうかそれだけは止めて!

愛里:「この辺も龍井の茶畑だよ。あそこへ入ると茶葉博物館だよ。」
へ?そうなの?わ〜い、
「じゃ、もうすぐだね。」
愛里:「まだまだだよん」

さらに山道に入った。

しばらくくねくねの山道を進むと、村らしきところに着いた。
えっ?ここ?思ったより立派な村だにゃ。

愛里は「龍井の井戸を見せてあげるよ」
とある小さい地面から出ている丸い筒を指差した。

「へっ?これが龍井なの?」小さいじゃん。
ってよく見ると、確かに「老龍井」と書いてあった。

あと、なんか小さい文字が書かれているけど、
もうよくわからないくらいぼろぼろになっていた。

バケツで井戸の水を汲んでみる。
「げっ、なにこれ。」愛里がなんかショックを受けている。
水の中にごみが入っている。
もう一度汲んでみる。同じだった。

さて、お茶だ!とそこへやってきたおばちゃんに、
「うちへお茶を飲んでいかない?」と誘われて
初めてなんだからとにかく行ってみたらいい、ってことで行ってみた。

玄関でさっそく茶葉を炒っているおじさんを発見。
中には鮮葉(生の茶葉)がたくさん干してある。
それにしてもなんかりっぱなうちだな。

下の階へ行って品茶した。ふーん、こんな感じか。
あまりおいしく感じないなあ。さあ、帰ろう、帰ろう。
本当のおいしいお茶を飲みにいかなくっちゃね。

で、何も買わないで出ようとしたら
おばちゃんに色々嫌みを言われちゃった。
ああ〜、まだまだこんな人がいるんだな。


そこからさらに歩いて登って、やっと歌おばちゃんのところにつくと、
おじちゃんが茶葉を炒っていた。
へ〜、さっきのおじさんや井戸の周辺で炒っている人たちとは
なんか手付きが違う。それにすごくいい香りが漂っている〜。


新しい茶葉を釜に入れた。(映像を見る!)

ジュッ、パチパチ、パチパチ、パラパラ、パラパラ、パラパラ・・・
いい音。淹れていただいた数日前に仕上げた龍井をズズズ・・・

さっきのところと全然違う、こんな私でもすぐわかるよ。

あ〜、この茶葉のパラパラの音がなんか眠気を誘うね。

愛里はおじちゃんと会話しているけど、
私はもう寝ちゃいそう。

ふん?なになに?炒茶は温度が大事?
ふむふむ、温度が高すぎると、焦がしちゃう?
低すぎると、お茶の香りや味を封じ込める前に逃がしちゃう?

で、何度がいいの?って聞いても、
おじさん:「そりゃ決まりなんてないさ、茶葉や天候によって感覚で決めるのさ」だって。
すごい職人技だね。


しばらくして、愛里と茶畑にいる歌おばちゃんを探しに出かけた。


途中の道に結構ごみが落ちていたのでえ、こんな畑なの?と思ったが、進んでみると、開けた丘がお茶でいっぱい!気持ちいい♪

♪ホーホケッチン♪
おっ、これってウグィスじゃん。
日本のより声が高く細くて本当に気持ちよさそうな感じ。

いい山なんだ〜。
(他に、メジロにシジュウカラといったカラ類などもいたよ。
みんなさえずっていてどこも「春・春・春」!)


「歌おばち〜ゃん、どこにいるの〜?」と
畑を歩き回りながら何度も叫んだり、茶摘娘に聞いたりしたけど、出稼ぎの人には標準語がわからない人が多くて、
一時間近く汗かきながら畑を登ったり下りたり探したけど、結局見つからないまま帰っちゃった。

はじめての龍井の茶畑、標高の高い畑は広いっ!
それに見通しがいい!こりゃ日当たりがよさそうじゃのぅ。

それはいいんだが、畑の中は道という道がほとんどなくてどこを歩いたらいいかわかんないし、
お茶の木を傷つけちゃうんじゃないか怒られたりはしないかとはらはらした。
でも、みんな、適当。

んじゃ私も適当に歩いたけど、結構急な斜面もあって愛里についていくだけで精一杯だった。
最近運動不足だから(というかいっつも)
とても疲れたけどいい探検だった。

夕方、おばちゃんと茶摘娘たちが帰ってきて、ご飯の時間♪
もういっぱい歩いたからお腹がぺこぺこ。
みんなでわいわい食べるのが一番おいしいね!

(茶摘娘たちが私たちに興味を示しながらもパクパク、モグモグ)
食後は摘んできたばかりの茶葉ちゃんたちを見て、
一緒に茎とか取り除いたり選別して、外はもう真っ暗。
今日はとりあえずお別れ。
最終のバスに間に合わないんだって。急げ急げ。  
おいしい茶葉ちゃんたち、またね♪


4月4日 晴れ

来た、来た、来た、来たーーーっ。
龍井茶の山、翁家山村、久しぶり〜♪

んん〜、どこでも炒ってるねぇ。香ってるよぉ。
この香りが強くなるほど、どんどん早足になってしまう。。。
歌おばちゃん&おじちゃんのお家は、まだまだ登らなくちゃ。

 愛「こんにちは〜、来たよぉ。」

おじ『おお、来たか!』(釜炒り中)

 愛「今日の茶葉はどう?」(釜の中を覗きながら)

おじ『ダメだね、雨降ったから。』

 愛「うーん、これは新蓬かぁ、色悪いねぇ。。。」

おじ『新蓬はもう栄養が少なくなってきているからな。』

 愛「水分も多そうだね。」

おじ『ああ、ちょっと多すぎる。』

 愛「はぁ〜、でも、いい香りぃ〜♪」

おじ『まずは座ってお茶を飲め!』

今年は、3月18日前後から新蓬(=新種:龍井43号)の茶摘みが始まり、
遅れること5日前後で老蓬(原種龍井)の茶摘みも始まる。
3月初旬と10日前後に気温は下がり雪も降り、その後、徐々に安定。

26、27、28日は、お天気も気温も良好。
この頃から新蓬の茶芽はぞくぞくと出始め、茶摘みは急激に忙しくなってきた。
茶摘み娘たち、第一陣到着、出動中ーーー!

29、30、31日は、28度というとんでもない気温まで上がり、
31日の夕方から大雨で、気温も一気に下がる。
この3日間で、新蓬はさらに大きく成長してしまった。
茶摘み娘たち、第二陣到着、出動中ーーー!

1、2、3日と雨は降り続け、3日の昼前にやっとあがる。
そして4日の今日、晴れた、ほど良く雲もある、気温も例年通り。
この頃から老蓬がいい味を増す。がんばって、がんばって!
しばらく雨は降らないでね、お願いよぉ〜!

茶摘みが始まった頃は、まだまだ少ししか摘めなくて、
畑の広さにもよるけど、それぞれの農家の家族で十分手は足りる。
茶摘み娘たちが出動するまでもない。
味も香りもまだまだ乗ってこないけど、出始めには出始めの醍醐味がある。
価格はめちゃくちゃ高くても、中国国内では礼品としてとっても貴重だから、
今頃来たってもうすっかり無いよ。
もしあっても買わない(買えない?)からいいけどさーーーっ。
でもさっ、飲んでみたいよね!、、、残ってないかな? あら、ずうずうしいっ♪

 愛「歌おばちゃんは? あははっ、当然畑で茶摘みだよね!」
おじ『6時過ぎには帰って来るよ。』
 愛「じゃ、畑に行ってみる。午後はどこらへん?」
おじ『龍井村よりの斜面の方の畑、分かるか? 今日はどこも人が多いぞ。』
 愛「多分わかる。行ってみるね。」
おじ『籠持って行きな。』
 愛「はーい♪」

           (愛)


4月3日(木)曇後雨 上海→杭州

今日は移動だ。今日から杭州だ!

西湖、東坡肉、盲人按摩、そしておいしい龍井茶が待っている、そうだ。

午後チェックインして少し休んで杭州のお父さんとお母さんのところへご挨拶。

相変わらず?第一声は:「来たか、ご飯を食べよ」だって。

お父さんの「家常菜」(家庭料理)は実家のご飯を思い出させる。

ほんとおいしい。ご馳走様。

その後は一緒に片付けしたりして楽しい一時でした。

小[女尼]子

小雨しっとり上海より!

うまうまの《明前碧螺春》にデレデレ中です、うはっ♪
なんてちっちゃな愛らしい茶葉なんだろう!

《碧螺春》は、彼(そのうち出てくる!)の畑でつくるお茶にやっぱり戻ってきちゃうな。。。
あぁ〜、あの人ともこの人とも、、、一緒に飲みた〜いっ。

でも、この《碧螺春》の畑は後回しで、《龍井茶》待つ杭州に明日移動しますね。
雨の杭州か・・・なんかいつもそうだなぁ〜。好きだけどね。

今年は昨年より茶摘みは遅く、茶摘みと同時に急激に気温は上がり、すぐに連日の冷たい雨。
当然、状態のよい明前茶の量は少なく値段も高めとか? さてさて、お味は・・・
いろんな畑のお茶を、これからじっくり品茶してみますね〜!

しかし・・・
小[女尼]子はドキドキでデビューしたのに名前も出ないし、夜中にふたりで大爆笑だったよぉー!

さてさて・・・
今回こそーーーって、初日から気合入れていたのに、hotmailになかなかアクセスできないや。。。日記&画像、待っててね♪

4/3 愛里


4月2日(水)雨時々曇

 今日は買出に中心街へ行った。
デパートはもう日本のとそう変わらない。
ただ、デパ地下はスーパーと専門店になっていた。
西洋風のクッキーを少し買ってみたが、思ったよりおいしくって、
「こりゃかなりレベルが高いぞ」とその場でバリバリ食べ始めた愛里も感心したほどだったよ。
でも、やっぱちょっと物価が高いな。


 syoronpou買物を済ませ、次は豫園へ行った。
4月18日頃まで春茶祭りが開かれているので行ってみた。
わ〜い!前から豫園に行ってみたかったのよね。うひ♪ 

さあて、お腹もすいたことだし、ここまで来ればもうこれしかないやろ→小籠包!!
湖心亭の向かい側にある店に入り、ここはいっつも行列のできる店だという。
ウキウキ…本当においしそう♪ ふうふうして、かぶっ、あつっ、あつっ、あふあぐ…

でもたっぷりの肉汁って本当に美味。満足満足。
1階では持ち帰りの窓口で行列が相変わらずできている。
中の作っている職人は忙しそうに手を動かしている。
それにしてもすごい数の蒸篭だ。

  
 次は碧螺春にご対面、というかその作り手とご対面。
とってもやさしそうなおじさん。
声もしぐさも穏やかで紳士的だった。

淹れてくれた碧螺春は、、、私たちが着いた日に摘んだものだって!

茶葉を見ると、葉がとても小さいぃ。かわいい〜♪
それにこの鮮やかな新緑、、、
うわ〜、とっても甘〜い香りがする。

味は、、、それはそれはもう甘くてやさしくて
彼の人柄が出ているような春のような感じだった。

へ〜、これが碧螺春なんだ。

 
 このお茶を知ったのは、日本に行ってからだ。

香港ではあまり緑茶を飲まないしマイナーのものはあまり入ってこないからその存在さえ知らなかった。
最初はどっかのデパートで見た時かな。
「きれいな名前」と思ったのが最初の印象。

飲んでみたら、「苦っ」と思って、それ以降まともに飲んだのは、台湾で例の「泡茶師」試験を受けるために練習した時だった。
でも、こんな小さくてかわいくて色がきれいなものは
初めて見た。こんなにやさしくてふんわりと甘い味も
初めてだ。

そうっか、本当はこういうものだったんだねー。
愛里とおじさんが会話に弾んでいる横で一人で
「春」そのもののお茶に導かれてふわ〜と
メルヘンの世界に浸っていた。

淹れ方はちょっとよくわからなかったから今度じっくり教えてもらえるといいなあ。またね。

豫園の外にある上海老街も廻ってみた。
あいや、堂々と偽物を「本物」と言っているお店もあれば
「偽物の○○(某有名ブランド)バッグ安いよ〜」とはっきり言うところもあるな。
さすが中国。

 明日はいよいよ杭州だあ!
わい〜、そういう「詩的な世界」って憧れなんだ。楽しみ

小[女尼]子


3月31日 上海 晴れ/どしゃ降り 最高28度 

あぁー、来れた。
もうダメ、今回は諦めよう、何度もそう思ったけど、
なんとかがんばって乗り切って、また中国に来れたよぉ、ひーん。。。嬉しいっ。

おおー、中国のにおいだよ、いいね〜♪ 
上海ちょっと暑すぎない、27度? ひえ〜、夏じゃん!
飛行機の中で聞いた気温は間違いじゃなかったんだね。
え、昨日も? おいおい、お茶だいじょうかな?

(上海でお世話になっているホテルへ移動)
先に、毎回必ず部屋を確認して、、、と。
  
  トイレ:流れる。
   お湯:出る。24時間。素晴らしい。
    窓:ある。開く。
   電源:いっぱいあるぞ。
   照明:うん、夜でも明るいね。
  ベッド:凹んでないぞ。
  シーツ:清潔、清潔。
 部屋向き:オッケーね。
  冷蔵庫:ない。いらない。  

部屋代交渉済み。電話代(ネット接続)の計算方法も確認済み。
あとは、、、キョロキョロ。。。
そうそう、肝心な電話線。
うぅーっ、この部屋の電話はちょっと面倒くさいなぁ。
なんとかいじれそう、かな?

(チェックイン)

うわぁーーー、外、すっごい大雨、どしゃ降り。。。
ぎりぎりセーフでチェックイン、ラッキー。
これで気温も下がるかな? お茶葉もちょっと休憩して欲しいよ。
さてさて、電話線の修理屋さんに早代わり〜!
  
  ドライバー、ぐりぐり・・・うへ、外れないよ。どういう取り付け方しているの
よぉ。
  マグライト、ぴか〜・・・中は? う、ダメだこりゃ。
  ええーい、力づく・・・バキバキバキ。ガチャガチャガチャ。開いた。
  えっと、この配線の場合は・・・これとこれを使って。よしっ。
  おーっと忘れずに・・・復元、復元。

毎回こんな事していると、これまでに何人かの中国の友人から、
何度もスパイと勘違いされちゃったよぉ〜。
片耳に付ける小さなアラーム(長距離列車の移動では特に大活躍!)に気づけば、
『それ、無線でしょ?』、、、だから違うってばぁ。
『どこの情報局員なの? FBI?』、、、なわけないでしょーーー。

(携帯電話の着信メロディー:愛の挨拶)

「もしもし?わ〜い久しぶりだね、チェックインしたよ。え?ごはん?
ちょっと待ってて。ネットに繋ぐ電話線の、んっと、、、修理しているから!」

小[女尼]子:『くくくっ、それは修理と言うか、壊してる!(笑)』

                         (愛)


旅日記 1日目 上海 3月31日(月)曇時々雨

 初めての大陸。ドキドキもあるけど、ものすごい不安。
なにせ、香港人は基本的に?大陸不信だから。
思い返せば私が香港の家族を初め、親戚や友人に大陸に行く話をしたら
相手の第一声はこうだったからだ:
「え〜、大陸?トイレ汚いよ。食べ物も汚いよ。あんた大丈夫かい?」
そ、そんなにひどいかあ。どないしよ。
えいっ、でもこんなことを言っていたらいつまでも新しい世界へは入り込めない!
気合を入れて行くかあ。

ということで一応「中国人」でありながら日本人の愛里に案内してもらうことになりました。
不思議でなんだか情けない・・・。


 で、初めての中国系の飛行機に乗ったが、これが小さい。不安が募る。
機内食は「ヌードル」にしたが、中華肉味噌がのっけたスパゲッティーでした。
まあまあでした。ついてある水を飲んでみたらすごいプラスチックの味がして
冷たいものや生ものに手を出すのをやめた・・・。愛里は全部平らげてた。


 ついに着いた。タクシーを捕まえてホテルへ。
途中、桜や菜の花がきれいに咲いていた。
今日の上海はなんと28度もあったんだって!ひぇ〜、香港より暑いじゃん。


 無事にホテルにチェックインし、愛里の天山茶城の友人に顔を出す。
一緒に夕食に四川鍋を食べた。
鴨血(鴨の血の塊)や「蓬好菜」(変わった野菜で和名を知らない)とかもあって
スープ(白湯と辛いの2種)もおいしい!
そうそう、ビールの安さには驚いたな。1元に1本だよ。


 夕食後、生まれて初めてディスコへ行った。人生は色々経験してみなきゃね。
ほえ〜。これが上海の行けてるディスコらしい。
平日なのに結構若い人から中年の男女まで実にいろんなお客さんがいるの。
discoしかもちょうどキャンペーンをやっているみたいで女性は免費(ただ)!


 初めての大陸・上海。思ったよりいいかも。
さあ、一気に気温が上がったみたいだし、お茶は楽しみだ。
これからだー、頑張ろ。

小[女尼]子

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