今日は、釜炒りをさせてもらえる事になりました!
釜にも、電鍋(2000W×2=4000W)と柴鍋(薪)の二種類がある。
当然、薪を使ったほうが同じ材料でもぜんぜんおいしく仕上がる。
職人にもよるけど。
お料理と一緒だね。
現在は、ほとんどが電鍋。ここのお家も。
ちなみに、釜炒りは主に男の人の仕事。
9人で摘んだ朝一の茶葉は、茶摘み籠いっぱいにして一籠分。
約5キロ、これを炒ると最終的には一キロちょっと(約4分の一)の《龍井茶》になる。
4時間ほど天日で干しながら汚い葉やごみを取り除いた後、いざ、釜入りへ。
え?最初から私がやっていいの?本当に?
(普通は、安い夏の茶葉で何年か練習してからじゃないと、高級な《明前龍井茶》は炒らせてもらえないのに。)
よしっ、みんなで一生懸命(おしゃべりしながら!)摘んだ大切な茶葉。
失敗しないように頑張らなくちゃ。
鍋(釜)の温度を調節して、白油(龍井茶を炒る時の専用の油)をひとかけ落とし、
(おぉ、煙がもくもく出てしまった。急げーっ。)
すぐに布巾でまんべんなく広げ、茶葉を入れ(生葉500g位かな〜?)
最初はあまり力を入れずに、やさしくやさしく...
右手の平全体で、葉を鍋底に押さえ、そのまま鍋肌を上に滑らせながら全体をひっくり返し、手の平から自然に鍋底に茶葉を落としていく。
しばらくは、これの繰り返し。
「もっと早く!」
「もっとゆっくり!」
「もっと力入れて!」
「もっとやさしく!」
「もっと自然に!」
「まだ手は揺すらない!」
「布巾で鍋底拭いて!」
ひえ〜!
最初はひんやりとしていた茶葉も、小さなぱちぱちと言う音がしなくなった頃、だんだん小さくなってきて、そして、だんだん熱くなってきた。
鍋底の温度は、なに?約300度?
そりゃ、熱いよ!
「鍋に手をつけない!」
「やけどするぞ!」
「茶葉の上に手を乗せる!」
「もっとしっかり押さえて!」
あぢ、あぢ、あぢーっ、あぢーよぉ!
(そんなにみんなで笑わないでよぉ...)
手伝ってもらいながら、約10分後、1回目の釜入り終了。右手の平は、まっかっか!
あんなに頑張ったのに、出来上がった茶葉はほんの少量。
これを冷まし、ふるいにかけ、1回目の茶葉2回分程を一緒にして、いざ、2回目へ!
ちょっと、1回目より熱いじゃないのよ!
2回目、ということは...
うわっ、約20分だぁー!
(想像してください...)
仕上げの3回目(約5分)は、さすがに長年の感覚が必要。
任せますぅ...
夕方6時。
茶摘みの女性たちもぞくぞくと山から帰ってきた。
たくさんのやけどと引き替えに仕上がった、できたての《明前龍井茶》。
美味しいのか美味しくないのか、もうよくわからなくなっていたけど、一生忘れられない格別の味がしたよ...
「なかなかうまいぞ!」
って、みんな褒めてくれた。
ありがとう!
明日、商品として売られていくのね。ちょっと、さみしぃー。
(でも...いいのかなぁ?)
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