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2003夏天:芸術茶後編
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《後半開始〜♪》

芸術茶は、新発明のサンプル・研究中・商品になっているもの、
合わせると50種類以上になるから、一日では品茶しきれないっ!

今日は、大型の冷蔵茶庫の中からゴソゴソと取り出してきた、新発明と牡丹類。

牡丹類は、もともとのお茶の味がはっきり出ておいしいし、
他の芸術茶に比べてお茶代が安いからとっても安心して毎日飲めて、好きっ♪(笑笑)
他にも《烏龍牡丹》《茉莉牡丹》などがあるけれど、今はサンプルもないの。

それから、祁門紅茶!
今年の研究成果である《幻》を含む手工の祁門を本気で品茶しよう。
機械作りのは昨日1回づつ品茶したから、もういいや。。。

さあ、後半戦が始まりました〜♪

すごいよ、黄山のお父さん! 
今年は、遊び心もパワーアップしているね。さすがです!
芸術茶
《茗壺茶》新発明♪


あー、泡茶するのもったいない、、、けど、お茶だから飲まなくちゃ!

あれ、、、色悪くない? 
味、、、うーん。なんか苦くない?
花が、、、浮いてこないよ? 
つんつん、、、ギャー、茶壺の蓋(菊の花)をブッちぎってしまったあー。
あぁ。あぁ。どうしよう。もうサンプルも無いのに。。。あぁ。

愛「ねえ、このクコの実、どうなってるの?」
6『あ、菊が離れたから浮いてこないんだよぉ。』
愛「本当は浮いてくるの?」
6『そうだよー。』
愛「ごめん、もう1蕾、泡茶してみるね。」

愛「あれ〜? やっぱり浮いてこないよぉ。」
6『ひとつひとつ職人が違うからね、そういうのもあるさ。』
愛「そりゃそうだ。」

愛「ねぇ、なんでこんなに黒いの? ホン干のせい?」
6『うん、多分ホン干の影響、でも他にもいくつか考えられる。』
愛「だから、まだサンプルだけなんだね。」
6『来年は、絶対にもっといい味になるさ。』
愛「うん、それは信じるっ!」
やったーーー♪ 茶壺〜♪
ひえー、かわいいっ!
写真で見たより精巧にできてる〜。
菊の花びらを切って蓋にしたのね!
もー、昨年から話には聞いていたけど、実物を見るのは初めて。

すごい。。。
これはたいしたもんだ。。。ほおぉ。。。感心。
芸術茶の品茶
はぁ〜、しかしこれは泡茶しないで飽きるまで眺めていた〜い。

今のところ、一番お茶代の高い芸術茶になる予定。。。納得。
1蕾作るのに、一体どの位の時間がかかるんだろう。。。

《双龍護寶》新発明♪

お〜、これはサンプルのイメージ通りの好い出来上がりね!
千日花ひとつと、茉莉花3蕾が2本入っているのよ〜♪

春にいただいたサンプルを小[女尼]子と品茶したときは、
茉莉花がうまく出てこなかったけど、今回はバッチリ!
予約しといた分、見せて見せて〜。

な・なんだとおぉぉぉーーーーー?  
ない??  
間違えて売ってしまった???
何度も確認したのに?
自分じゃない?
こらこら、人のせいにするなっ!(苦笑)

、、、もぉ、、、仕方ないなぁ、、、。

はいっ、分かりました!
無い物はない!
他の子で埋め合わせしてしていただきましょうかーーー♪


芸術茶の品茶

《萬代紅》新発明♪


いや〜ん! ポコン。。。って出てきた!
あ、初めての花だ。
これって、、、シャクヤクじゃない?
ここで言う、大mei瑰っていう花ね。
多分、きっと、ちびちびシャクヤク!
うわ〜い、シャクヤク大好き♪

どんな味かな!
う、、、煙っぽい、粉っぽい?、、、どした?
多分、これもホン干の影響。

違う日に仕上がったのは?
うん、これはそれほどでもない、でも、ちょっと煙っぽいかな。。。


《紅雲球》新発明♪

画像:90・111

愛「これって《緑明珠》じゃないの?」
草『違うよ。花が違うでしょ?』

泡茶前に、バリバリ割って見せてくれる草草。

草「ね?」
愛『ホンとだー! だから《緑明珠》の形を2種つくったんだね。』

愛「あれ? この先っぽが尖った形のは《緑明珠》じゃないの?」
草『どれ?』


また、バリバリ割って中の花の色を確認する草草。

愛「あ、《紅雲球》でいいんだ。」
草『そうだね。。。あれ〜???』
愛「ややこしいね。。。くすくす。」
草『保管の場所が違うから、大丈夫!』


《玉菜茶》新発明♪

愛「う〜ん? なにこれ!」
6『《玉菜茶》。』
愛「それは分かっているけどー。(笑笑)」
6『なんで?』
愛「玉菜っていう野菜、中国にあったっけ?」
6『ないない、名前は考えてつけたんだから!』
愛「そっか、、、えへへ。あるのかと思った!」

愛「なんで《玉菜茶》なの?」
6『野菜の形に似てない?』
愛「あぁ〜、青菜とか売っている時の束ねた形ね?」
6『そうそう! 白菜にも似ているでしょ?』
愛「あははっ、そうだね〜!」


《玉菜茶》新発明♪


あら〜ん、薔薇がくっついたのね!
これはきれいだわー。


緑牡丹に薔薇の花がひと蕾。

安心して飲める味ね、それにとっても優雅な気分〜♪


《花芯牡丹》


定番ね!
これも安心していただけるぅ〜。

あの日(菊の花付けをお手伝いした日)の子かな?
うんっ、きっとそうだー♪

きゃ、、、花が浮いて来ちゃった。
本来は緑牡丹にくっついているのに。。。

前言撤回!
これは私が花付けした子じゃないぞーーー! 

《白蘭花牡丹》

今年のyin花、昨年より好い!
2年目の《白蘭花牡丹》、確かに進歩してますね〜。

《白蘭花》も主役になれる花。
茉莉花茶の引き立て役だけじゃないんだから〜♪

でも、ちょっと湯水が濁っているかな。。。
これは、yin花後にホン干した牡丹だから、仕方ないのかな。。。

6『今回yin花した分は、湯色も澄んできれいだよ!』
愛「花片つくるのをお手伝いした分ね?」
6『ん? 手伝ってたの?』
愛「そうだよぉ、寝てたから知らないでしょ?(笑笑)」
6『はっはっはー。』
愛「そっちを分けてよね!」
6「もちろん。」


《紅牡丹》


《芸術茶》の中で、唯一の紅茶。

春摘みの祁門紅茶の毛峰で作った牡丹です。

甘い! 澄んでいる! 苦くならない! 素晴らしい!

祁門って、本来こんなに甘くて美しい色なんだよね〜。

(写真の色が悪くて申し訳ない。。。)

晩春に仕上がる《紅牡丹》を品茶しながら、

その年の祁門毫芽の仕上がりを想像するのが、毎年楽しみ。

《紅牡丹》がこれだけの味を出しているんだもん、

祁門毫芽も楽しみ〜、今年の《幻》も期待できるぞー♪


《後半終了〜♪》

芸術茶は楽しいっ! 会話も弾んじゃうっ!こういうお茶の楽しみ方も好きーっ。

珍しい芸術茶を泡茶する時は、いっぱい集まってみんなで品茶したいなぁ。
その後、じゃんけんで勝った人からお気に入りの子を選んで、それぞれが連れて帰って続きを楽しむの!
芸術茶の品茶会、日本でもやりたいなーーー♪

品茶させていただいたのは全て特級クラスだけど、1級・2級・3級だって、原料茶葉は1200m以上の高山茶。
品種は黄山雲霧茶。

茶畑は、年間通して文句なしの好い管理です。
自然に近い状態で育てられており、ひとつひとつの茶樹のスペースが非常に広々としているのが印象的。

そのまま泡茶してもおいしい黄山雲霧茶を、炒青した後ひと芽ひと芽選り分け、特級に使われる茶葉は更に好い芽を選び大きさも揃えます。
ひと籠の中の茶葉から特級に使われる茶葉は、一体何分の一だろう。

春に緑牡丹作りに挑戦したときは、まだ茶葉が成長していなかったのを無理矢理山から運んでもらって作らせてもらったから、使えない茶葉が大量に残ってしまった。
《緑牡丹》にならず《黒牡丹》を発明してしまい(苦笑)
6代目も大笑いだったっけ。。。

とても楽しく、学んだことが多かったけど、お茶葉と育てた方たちに失礼なことをしたと、今でも少し心が痛い。。。

基本の牡丹を、1蕾作るのだって大変な作業だったの。
それを思い出すと、ひとつひとつの芸術茶を作った職人さんに敬意を表したくなる。

一年間で、全ての芸術茶が作れる期間は約10日。。。

好い茶葉や花を厳選して、心を込めて丁寧に作っても、途中のちょっとしたことが、仕上がりに大きく影響してしまい、予想外の結果が出てしまうことも多い。

これは、どの産地のどんなお茶でも同じこと。
だからお茶作りって本当にどの一瞬も気が抜けないのね。

そう思った瞬間、好茶を作り出す各産地の作り手さんたちの、ひとりひとりの表情が目の前に浮かんできちゃったよ。。。

どのお茶も、誠意を込めて品茶しなくちゃーーー!



《ひと蕾》

芸術茶一個を《ひと蕾》と数えています。

この数え方が、とても素敵だと思う。

作り手さんたちはたくさんの蕾を作り、泡茶する人が蕾から花を咲かせるの♪

その数え方を尊重し、これからはここでも1蕾、2蕾、3蕾・・・と呼んでいきますね!


《祁門の品茶会♪》

[どれも 右が幻 左が手工毫芽A]

祁門毫芽の品茶に入ったら、すっかり写真撮るの忘れてた。。。あぅぅ。
すっかり日が落ちてきて、うまく色が写らなーい。

しかし黄山のお父さんが作る手工の祁門は、口を閉ざしてしまう。
ほお〜♪ ため息。。。そしてまた、ため息。。。

やっぱり、このふたつが残ってしまうのは、、、仕方ないね!

 



《祁門毫芽》

祁門紅茶も、いくつもの等級があります。。

ここで《祁門紅茶》と呼んでいるのは、機械作りの1級以下。
《祁門毫芽》は、茶葉のほんの先っちょ(!)の柔らかい甘い部分だけを摘んで製茶されたもの。

機械作りには、《毫芽A》・《毫芽B》・特級・1級・2級・3級・・・と続きます。

摘まれた日や、葉のどの部分を使ったか、仕上げの違い、などによって分けられます。

手工は、《毫芽A》・《毫芽B》の2種。ともに特級以上のクラス。
手工で作られる《祁門毫芽》の数量は、毎年極端に少ないです。

そして、その上を行くのが私の呼ぶ《幻》♪

一般的には商品として出しません。いや、出せません。

そうだよね〜、茶摘みの日を選び、好い葉の先っちょだけを使い、
たった100g作るのに、気の遠くなる作業が必要なんですもの。
これもたった数日間しか作れないの。

数量が少ないのも納得。。。はぁ〜。


《祁門の陳年茶》

《幻》を含む昨年の《02祁門》、実はまだ残っている。

とても仕上がりの好い素晴らしい年だったのに、《幻》を始めて飲んだときのあの衝撃が日本では再現できなくて、
ものすごく稀少で高価なお茶だけに、どうしようかとかなり悩んだ。

おいしいのは確実に群を抜いておいしいけど、本来の味が発揮させてあげられないのは、なんだかとても失礼なような気がして。。。

水のせいもあるかもしれない。
特に、湯色には影響するみたい。
でも、これだけは確実に言える。

「おいしいお茶はどこの水で飲んでもおいしくいただける!」

日本から水をかついで現地の水と比較しながら旅した秋天によく分かった。
現地の味と全く同じにならないのは仕方ない。
それでも、おいしいお茶はやっぱりおいしい。

黄山のお父さんと6代目にも、またまた相談してみた。
なぜか、余裕の表情でニコニコしている。

愛(???)
6『知ってる?』
愛「なに?」
6『好い《祁門毫芽》はね、時間が経過すると、またおいしくなるんだよ!』
愛「本当ぉ〜?」
6『機械のはダメだけどね。』
愛「やっぱり。。。」

6『わざと売らずに自分たちで陳年茶にしているんだから。』
愛「そう言えば、春にそんなこと言ってたっけ〜。」
6『10年後、20年後、もっと先も・・・』
愛「ワインみたいだね!」
6『楽しみでしょ?』

愛「じゃ、おじいちゃんとおばあちゃんになったら昔話とかしながら飲もうよ〜。」

6『そうそう! その時が来ても多分売らないけどね、はっはっはー。』
愛「そうなの?」
6『自分たちの楽しみだからねー。』
愛「すっごい高値がついたら? どうするぅ?」
6『その時、考えるっ!』
愛「あははっ♪」

愛「じゃー、私の《祁門毫芽》も・・・?!」
6『うん、好い味になっていく、だから緑茶と違って余っても問題ないっ!』
愛「うひー♪」
6『保管の方法もそれで大丈夫だろう。緑茶ほど気を使わなくて好いよ。』
愛「本当に大丈夫かな?」
6『大丈夫だって! 帰ったら試しに今年のと飲み比べてご覧よ!』
愛「はいっ、そうしまーす!」

うふふっ、楽しみが増えたぞ〜♪

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