幻の龍井茶について
もう私のオーダー分しか、「伝統手炒」の【龍井】は存在しなくなりました。
こんな日が来るなんて、06年までは想像していなかったです。
村の中でも機械導入が遅く最後まで抵抗していた翁家山のおじちゃんも、
産地事情や時代の流れには逆らえず、私たちのオーダー茶葉以外は
昨春からすべて「機械炒」になりました。
同じ原料でも、「機械炒」と「手炒」とでは、全く違います。
技術のある作り手の手炒に、機械は香気も滋味も太刀打ちできない。
機械が勝てるのは、揃ったその仕上がり外形の美しさ。。。
本来、伝統技術の「手炒」でなければ【龍井】ではありません。
「機械炒」は伝統技術ではないので、【龍井】の基準に当てはまりません。
機械を使った段階で【龍井】ではなくなる。。。本来は。。。
しかし、今や市場に「手炒」の【龍井】は流通しません。
歴史ある【龍井】の国家標準、その概念さえ変更検討になっています。
昔からの【龍井】は、その存在が幻になりつつあります。。。
私たちがお分けしているのは、その昔からの伝統手炒龍井です!
すでに茶樹数が少なくなってしまった昔からの伝統品種のみです!
私たちが惹かれた茶葉は、「龍井」の中でも「そういう龍井」でした。
まだ村に機械が導入されるずっと前、すでに新品種が一般的になっていた
時代から、なぜか時代と逆行するかのように「そういう龍井」ばかりに惹かれ、
それが飲みたくて飲みたくて。。。
その中でも、土壌から茶樹から厳選して毎年毎年それだけをオーダー製茶して、
何年も楽しんできました。
あの伝統の龍井を残したいっ!
好い老蓬を手炒した「あの龍井」が、私は大好きだあああー!!
「おじちゃん渾身の伝統龍井」を、「あの龍井」を、いつまでも飲みたいっ♪
オーダーする人間がいなければ、伝統手工の龍井は本当に幻になります。
どうか《心の隊員》が一心でも多く集まってくれますように。。。