《品茶始まる!》
昼食後、すぐに品茶が始まりました!
出荷待ち茶庫の中からも、ちょっとづつサンプルを頂戴して、、、っと。
うわ、、、こっちの茶庫、今年は昨年より更に少ないなぁ。
さあ、今年の茉莉花茶はどうかな~♪
こっちには量産茶を並べて、、、っと。
向こうに並べて干してあるのは、ライチーだよっ!
《白雪芽5yin1提》
これがオーナーの自信作ね♪
おお。これかっ!
03白毛尖より好い原料茶葉が手に入れられたって、電話で言っていたお茶。
愛「あれ? この香り? 仕上がったばかりでしょ?」
オ『おうっ、夕べ提花が終わったばかりさっ。』
愛「あと2~3日かな?」
オ『ああ、そんなとこでいい感じになるな。』
愛『この《白雪芽》いいねっ♪』
オ「ああ、これは俺が自分で作ったやつだからね。」
愛『誰かのオーダー分じゃないのね?』
オ「ああ、オーダーのは安い量産用ばっかでよー。
高級茶の需要は最近少ないんだよなー。」
愛「昨年もそうだったね。」
オ『90年代後半はとにかくすごかったぞ!』
愛「そうなんだ。見たかったなぁ~。」
オ『この《白雪芽》はいいだろ!』
愛「うん、いい♪」
オ『毛茶の選別は結構な人手と時間をかけて特別に丁寧にやったんだぞ。
愛子うるせーからなっ!』
愛「あははっ、仕方ないじゃん!」
オ『日本は清潔好きだからな。』
愛「特に食品だからね。ありがとうございま~す♪」
オ『言われたとおり、玉蘭花は1蕾も使っていないぞ!』
愛「多謝~~~♪」
愛「でもさぁ。。。今年の春にこの品質を探して手に入れるのって。。。
ものすっごーーーく大変だったでしょ?」
オ『ああ、すげー大変だったぞ。今年は好茶が少なくてよー。』
愛「昨年の旱魃と春の気候がどこもすっごく影響受けているよね。」
オ『春に愛子から電話もらってからあっちこっちに声かけておいたんだけどよ、
春茶が出た瞬間、問屋もほとんど空っぽになったんだ。』
愛「え? 空っぽ?」
オ『出始めは異常に値段が高くてよー、産量は少ないし質が好いのも少ないし、
出揃って落ち着くまで少し待とうと思ったらすぐに無くなって、
4月にはもうほとんど空っぽだ。俺にもどーしようもない。嘘じゃねーぞ!』
愛「大変だったんだぁ。。。」
オ『おうよ。今年は特別に少なかったな。』
愛「これはすごく質がいいね♪」
オ『ああ、これは長い付き合いのある農家さんに予約しておいた茶葉だからな。
今年はこれ以上は見つからなかったぞ。』
愛「これだけ葉もバランスよく入っていればyin花がうまくいきそう。ふっふっふ♪」
オ『これだったら俺の分残しておいてくれたら好きなだけ使っていいぞ。』
愛「ひっひっひ♪」
オ『こっからまたyin花していくか? どうやっていく?』
愛「これだったら、どのくらいまでいけるかな?」
オ『10yinでもするか? がははっ!』
愛「10yin! 飲んでみたいな♪ でも、急激に茶葉が壊れるんじゃない?」
オ『まあな、それまでのyin花の方法にもよるけど、10yinは必要ないだろう。』
愛「9yinなんてどうかな♪ 数字もいいし!」
オ『うーん、7yinがいいところじゃないか?』
愛「やっぱりそうか。。。どのくらいの量から作れそう?」
オ『これは急いで決めなくても大丈夫だから、違うのを品茶してみるか?』
愛「うん、他のも品茶しながらちょっと考える!」
《白雪芽》、ほぼ決定でーーーす♪
《工芸茶がやってきた!》
そうこうしているうちに、毛茶(この場合は茉莉花茶の原料緑茶、選別前の状態)
の仲買人が各問屋さんの工芸茶の中から出来の好い頭春茶(=明前茶)のみを選んで
サンプルを運んで来てくれた。
仲『よおっ、愛子!』
愛「来たよ~♪」
仲『使えそうなやつ選んでおいたぞ。』
愛「見せて見せて!」
愛「え? これだけ? 少ないね。」
仲『無いんだよっ! 好茶どころか茶葉が無いっ! また問屋周りしてみるか?』
愛「いえいえ、信じます。すいませーん!」
仲『これだけの質を探して抑えとくのだって大変だったんだぞ。』
愛「ありがとうございまーすっ♪」
ふむふむ。。。《麦穂》《luosu》《耳輪》
《耳輪》は多yinはきついなぁ。。。ほとんど崩れちゃうね。
《耳輪》
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うん、どれも質は悪くない、けど・・・ん? んん? なにこれっ!
愛「なにこれ~♪」
仲『《玉米》!』
愛「《玉米》? 《とうもろこし》だぁーーー♪ うひひっ!」
オ『《とうもろこし》に見えるだろ?』
愛『うーん・・・。そう言われれば!(笑笑)』
オ『今年初めて市場に出たんだ。昨年は無かっただろ?』
愛「うん、どこの問屋にも出ていなかったね。」
仲『実は、今年の中ではこれが一番好かったんだ。』
愛「外形からはそうみたいだね、他のより数段好いやっ!」
仲『品茶してみろよ!』
愛「うん♪」
《玉米》は候補だね!
《luosu は?》
仲『《luosu》はどう?』
愛「うん、悪くないね。でも、何割残るかな?」
オ『yin花の回数が多いと厳しいぞ。』
愛「頭yin(最初のyin花)をすごく多くしてもダメ?」
オ『うん、5yinくらいなら持つかもな。』
《こんな花茶が飲みたいっ♪》
愛「ああーーーっ、そうだっ!」
オ『なんだ?』
愛「いや、今年はさ、、、ちょっと実験してみたいことが。」
オ『どんな?』
愛「最後まで花の量を減らさないでyin花してみたいな~、なんて。へへ。へへ。」
オ『なに? 比率を変えないで進めていくのか?』
愛「そうそう! どう? だめかな?」
オ『そりゃ、やってもいいけどよー、花代がめちゃくちゃかかるぞ!
香度は高くなるけど、茶葉が消化しきれない量が増えてもったいないね。
最後まで花が多かったら水分も高くなるから、発酵するのも怖いな。』
愛「そうか、考えてみればそうだよね。ダメか。へへ。」
オ『ダメだな、がははっ!』
愛「比率を変えるのと変えないのとどう違うのかな?ってちょっと思ってさ。」
オ『愛子の研究だな? 普通はそんなことやんねぇーよ。がははっ!
ただでさえyin花が多いから、進むごとに崩れやすくなってリスクは高いぞ。
その上比率を変えなければ、崩れよりまず茶葉そのものが壊れるね。
うまく出来ても花の味しかしねぇぞ。』
愛「そうなんだよねぇ。。。だから比率を変えていくんだよね。
どうなるのかな?っていう興味が消えなくてさ! へへ。」
オ『悪いこと言わねぇから止めときな。』
愛「でもそうだね。。。多yinだと花代も問題なんだよね。今は高い?」
オ『花はちょうど好い時期になってきたから標準だね。』
愛「7yin。かなぁ?」
オ『7yinが成功すれば、すげー香りが中まで浸透して、何遍お湯を注しても
香りは持続するな。甘くなる代わりに茶葉の味が薄くなるけどな。
昨年作ったから分かるだろ?』
愛「うん、好くなる代わりにリスクも高くなるから、今年も茶[土丕]は真剣に
選びたいんだ。」
オ『そりゃそうだな。でも、これは最初から始めるから時間がかかるぞ。』
愛「どの位かかるかな?」
オ『何yinする?』
愛「頭yinの洗茶で普通より多く花を使って、そのまま7yinまで。なんてどう?」
オ『ああ、いいところかもね。となると、、、天気によるけど半月だな。』
愛「・・・半月。」
行ける場所が少なくなるなぁ。。。潮州、安吉はまず無理だ。
祥華の天然野生も会いに行けないかも?。。。うーん。
やばっ、もっと目的を絞らないとっ!
《麦穂 は?》
仲『《麦穂》は?』
愛「これね・・・きれいだし泡茶の時に楽しくていいんだけど、
起花(花を取り出す作業)が一回一回すごく大変で、どんなに丁寧に
手作業してもガクや花が絡んで残りやすいし、yin花とホン干後には、
ここの部分から分解するのが多くて、結局崩れが多くて残るのが少なくなるの。
日本に帰ってからも更に選別するから、それがすっごく大変なんだ。」
オ『がはは~っ、よく分かっているな!』
愛「へへ、一回やってみたからね!」
オ『毛茶の状態で既に高価だしな。』
愛「うん、それも大きいよ~。それに今年の《麦穂》は硬い梗が多いね。
きっと渋みが出てきちゃうよ。これは無しかな?」
オ『そうだな、今年はあんまりよくないな。やめとけやめとけ!』
愛「うん。でも、とりあえず飲んでみる♪」
《龍団珠 は?》
愛「あれ? そういえば《龍団珠》は?」
オ『ないないっ。春の時点でもうすっからかんだ!』
仲『注意していたんだけどさ、好茶が無いんだよね。3春茶なら多かったんだけど。』
愛「《龍団珠》が?」
オ『本当だぞ! 3春茶ならここにもあるぞ。』
愛「うん。3春茶なら日本にもあるから。。。』
オ『そうだろうな。』
愛「《鳳眼》は?」
仲『今年は見ないねぇ、数回はみたかな? 印象に残る品質ではなかったね。』
愛「そうかぁ~。」
愛「《龍団珠》は流通しているから原料も比較的安いし、yin花も起花もホン干も
やりやすくて、崩れも少なくて好いんだけどなぁ。体積も小さいし。」
仲『今年の《龍団珠》は、頭春茶の出来が今ひとつ悪くても高値がついてたんだ。
比較的需要があるのに量が少なかったからね。』
愛「そうだろうねぇ~。ま、無いものはしょうがないね。
形で選ぶより、原料の質の好さを優先したいっ!」
オ『仕上がっている《龍団珠》、いくつか飲んでみるか?』
愛「うん、飲む飲む♪」
はい、みなさまのおっしゃる通りでした。
何種かを品茶した結果、今年は《龍団珠》はやめましたっ!
《銀尖 は?》
オ『《銀尖》もいいけど、やぱり今年の《白雪芽》の品質には及ばない。』
愛「そうか。。。それとね、《銀尖》は一回失敗しているからね。」
オ『ん? いつの?』
愛「えっと、02年。数ヵ月後に悶(蒸れ)の味が出たの。
多分、最後のホン干の問題だよね。」
オ『そうか。今年のは悪くないけど《白雪芽》が好いからやめておくか?』
愛「うん、研究茶でお金かかりそうだし。。。はは、やめておきます。」
オ『おうっ、そうしとけ!』
《もっとお手軽 なのは?》
愛「もっと普段気軽に飲める価格で・・・おいし~の♪ ある?」
オ『おお、今年は《小龍毫》がいいぞ! 前も飲んだだろ?』
愛「01年と02年は飲んだ。03年は予算オーバーで買わなかった。あははっ!」
オ『夕べ終わったばかりだけど、飲んでみるか?』
愛「うんうん♪ 大丈夫、計算して品茶するから!」
《小龍毫 4yin1提》
お、さすがっ、これもいいね~♪
お手頃なのも魅力的!
裁断したお茶葉だから、yin花も早いし崩れも少ないし香りも味わいも出やすい。
サクッと飲むのに、十分すぎるほど品質がいいじゃん!
こんなのなかなか見つからないぞ! オーナーの言うとおりだねっ♪
オ『どうだ? 今年の《小龍毫》はいいだろっ!』
愛「うん、本当に好いね♪ でもね、提花してあるのが気になる。」
オ『湿度か? 大丈夫だぞ。』
愛「わかるけどさ。日本は気候が違うし、こっちとは飲み方も違うし。」
オ『ああ、数ヶ月で飲み切るなら提花したほうが香りは好いんだけどな。』
仲『提花しないの? したほうが香りが数倍いいよ!』
愛「提花は主に面香(表面の香り)でしょ? やっぱり中身を重視したいんだ。」
オ『言いたいことはわかるぞ。面香より内質だろ?』
愛「そうそう♪」
オ『まあ、5yin以上すれば提花の必要もそんなになくなるけどな。』
愛「提花してあれば干茶(乾燥した状態の茶葉)の香りはより強くなるから、
店や茶館だったら人の印象に残って売りやすいとは思うよ。
でも、数ヶ月したら提花はそれほど影響なくなるじゃん。
逆に劣化の可能性が高くなるしさ。こっちの可能性の方が嫌なんだ。
やっぱりさ、実際飲んでみて、時間が経ってどんどん味わいがよくなるお茶が
欲しいよ。提花しない方が保存も効いて安心できるし。。。
長期でおいしく飲めるほうが嬉しいよぉ~~~!」
オ『ま、ここまでするならそうだろうなー。』
愛「03年の7yin8yinだって、まだまだおいしいよ♪ 」
オ『そうか? そうだろ? がははっ!』
愛「うん♪」
オ『茉莉花茶は正月明けくらいにうまくなるんだぞ。知ってるか?』
愛「あ、やっぱり? うん、意味はわかるよ♪」
オ『よし、問題ない、《小龍毫》はもう一度ホン干してやるぞ。』
愛「ほんとー♪」
オ『なんならもう一回yin花してもいいぞっ。がははっ!』
愛「いいね、それ。へっへっへ。」
オ『でも、原料が安いからそこまでしなくてもいいと思うけどな。』
愛「うん、確かに。」
オ『これはすぐにできるから後で決めてもいいぞ。』
愛「は~い♪」
《とうもろこし~♪》
。。。グラスの中を見つめる3人。。。
愛「あっ! 《玉米》の葉底、すごくいいね♪ 滋味に甘みが多いし♪」
仲『だろ? なかなか無いぞ!』
。。。時間経過ごとに品茶する3人。。。
愛「これだったらyin花してもおいしく仕上がりそう! どうどう?」
オ『おっ! 俺もこれ欲しいな。』
愛「やった~、一緒にやろうっ!」
オ『おう、やるか!』
愛『やっちゃう~♪』
オ『そうと決まったらすぐにホン干に入るから、数量どうする?』
愛「どのくらいからできるかな? 《白雪芽》と合わせて予算もあるし・・・」
オ『心配するな。《白雪芽》は余っても問題ないから。』
愛「ありがと。。。ございますぅ。。。」
オ『《玉米》だけは完全に愛子のお茶だからな。俺も便乗するけどさ。
最後に仕上がった比率で原料代を割ろう。それでいいか?』
愛「はい♪ お願いします!」
オ『よし、すぐ運んでもらって最初の作業に入っておこう!』
きゃ~、《玉米》に決定しちゃったよーーーっ。
結局、04愛里花茶は2種?
うち《玉米》は最初から完全オーダーだ。。。うきーっ♪
左:《玉米》
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右:《白雪芽》
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左:《玉米》 中:《白雪芽》 右:《小龍毫》
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《
《玉米》が届く。この中に《とうもろこし》がいっぱい!(笑笑)
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