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先生走る

 注射準備中に。。。

 先生の携帯がなる。
今度はどこの山?遠い?近く?

製茶のこの時期、山のお医者さんは忙しい。
多くの茶農家さんで病人が出る。

おとんの家でも製茶が始まって20日ほど。
多くの茶農家さんは約1ヶ月が経過しすでに終了している。
どこの農家さんも製茶時期は連日連日昼夜休みなく働き続ける。
どんなに疲れても体調が悪くても製茶が終わるまで働き続ける。
働かなければ収入がない。

山に病院はない。
薬局もない。
街の病院や薬局までは何時間もかかる。

行けても治療費は高い。
交通費も高い。
薬代も高い。
保険もない。
病院に行くには付き添いも必要。
年に一度の短い秋茶の収穫期に、家人ひとり減るだけで大変な痛手となる。

数年前にこの地元出身の彼が福州の大学を卒業しお医者さんになってから、
地元の多くの農家さんが製茶時期でも自宅で診療してもらえるようになった。
おとんの家から割と近い場所に住んでいるから電話したらすぐきてくれた。
遠い山でも携帯が鳴れば車が入れない細道を先生はバイクで走っていく。

中国では一般的に医者の地位は低い。
農家さんの地位も低い。
先生の収入は普通の茶農家さんと変わりない。

携帯片手に山から山へと先生走る。

先生、せめて好茶を一杯どうぞ♪

 

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2007年10月21日 13:16に投稿されたエントリーのページです。

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