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2005年04月06日
昨夏の旱魃
05春緑茶、碧螺春も龍井も非常に相場価格が高い。昨年の同時期とは比較にならない。
茶摘みが遅れた上に発芽率が少ないから全体量が少なすぎるのだ。
条件の好い好茶ともなると更に少なくなる。
でも、今年も欲しい人はたくさんいるから市場での価格もますますあがっていく。
今春の発芽率が低い大きな原因は、今春の凍死影響以外にもある。
昨春、ちょうど私が西山にいるときに例年の春にはないような真夏日が来た。
04年は、龍井も碧螺春も早い所で3月の中旬くらいには製茶が始まっていたが、
その後に寒さが戻ってくると発芽は非常にゆっくりになり、
龍井より産量の少ない碧螺春の産地では、日々摘める茶葉が少ないので
家人で間に合うようになり、茶摘み娘たちは去っていった。
その後だった。
4月中頃からどんどん気温は上がり芽はぐんぐん伸び始め、
19日や20日は30℃近くまで気温があがった。
発芽が遅れていた栄養たっぷりの好い芽が一気に成長し、
家人だけでは茶摘みや手入れが間に合わなくなった。
結果、成長しなくていい芽まで一気に成長してしまった。
その時に《白蛇の泉》の周りで摘んで作ったのが《04愛里碧螺春毛尖》!
例年であれば《炒青》の時期なのにまだ芽が多く含まれていて
でも《碧螺春》の基準からは少しはずれるので《碧螺春毛尖》。
価格も味わいも非常に満足度の高いおいしい~お茶でした♪
しかし、伐採も遅れ炒青の茶摘みも間に合わなかったから、
発芽させたくない芽まで発芽してしまい、
蓄えておかなければならない栄養分が取られてしまった。
そうすると茶樹は痩せ気味になるので、次の年は発芽率が自然に少なくなる。
なるほど・・・確かに道理だ。
そこに、追い討ちをかけるように夏の旱魃がきた。
この影響がとても大きい。
蘇州も杭州も昨夏は非常に暑い日が続いた。
約3ヶ月間雨が少なく、8月には翁家山でも40℃を超える日が何日もあった。
そうなると茶樹は痩せていき、次の春の新芽の準備をするのは後回しで
茶樹はまず実に栄養分を蓄えようとする。
緊急事態に備え、子孫を残そうとたくさんの実を作るのだ。
自然に次の年の芽は少なくなるし、全体的に痩せた芽になってしまう。
これも・・・自然の道理だ。
これまでの数年間、各地の夏や秋の畑で実がいっぱいついた茶樹を見てきた。
近くに泉や川や溜め池があったりして水撒きができる環境なら救われるが、
毎日の水撒きなど茶樹の管理は非常に大変そうだった。
そうでない場所の茶樹は異様に実をつけていて、その姿を初めて見たときは
「なんだこの茶樹?こんな時期に実がこんなに?」・・・とても不思議に思った。
けれど、それが自然の姿だった。
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今春の凍死
気候の影響で茶摘みが遅れた今年。。。
歌おじちゃん家の山を降りた平地の畑にある《烏牛早》でも、3月中旬にやっと摘める気配がきた。
例年に比べ、10日から半月くらいの差がある。
しかし、その後も何回か小雪が降った。
早くに姿を現していた茶樹の芽頭は、気温が極端に下がったり雪が降ったりすると
凍死して茶色に枯れてしまう。
芽頭に包まれてその後に成長してくるはずの芽が枯れてしまうから、発芽率も低くなる。
生き残っても、その後なかなか成長しなかったり曲がって発芽したりする。
その姿は製茶するのが嫌になるくらいだったそうで、
その後に発芽する芽がおいしくなるように手入れに力を入れ
茶摘みはほとんどしなかったそうだ。
3月20日、なんとか使えそうな芽で『試しに作ってみた』という
歌おじちゃん家の初摘みの《烏牛早》。
その外形はとても痛々しく、『こういう状態でうまいわけないさ。』
と言われてもまずは飲んでみる・・・おじちゃんの言う通りだった。
もっと暖かい地方から美しくおいしい《烏牛早》が出てきている頃で
非常に高価な相場の時期なのに外形が悪いと評価が低くなって一般市場では売れない。
自分たちでも飲まない売れもしない高価なお茶を作るなら、
その後に伸びてくる芽のために手入れをしながら、時を待つ。
雪が降った後に発芽してくる出始めの芽は、凍死しなかったとしても影響は残る。
そして、何日も摘み進んでいくうちに、後から影響のないきれいな芽が出揃ってくる。
出始めの頃、発芽してまっすぐに伸びてきたとしても、
芽芯は大丈夫でもそれを包んでいた外側の一部が枯れているので、
茶色になっている部分がある芽が多い。
芽のさきっちょやふちのなど、枯れている部分も自然についてくるのだ。
枯れて乾燥している部分は、製茶時の炒茶や篩茶で取れていくので
味わいへの影響は大きくないのだが、見かけは悪くなる。
←凍死影響のあるいろいろな状態。左だけ摘み頃。
しかし同時に、この芽は寒さの中でも生き残った力強い芽。
栄養や甘みがたっぷり含まれたおいしい龍井になる芽でもある。
外形をきれいにしあげるためにこういった芽を避けて摘んだとしたら、
仕上がり量は極端に低くなるし労働力も多くなるから価格も上がってしまう。
商品でも礼品でもなく自分用に毎年予約する人は理解しているから
こういう芽が入っていても気にしないそうだ。
私たちも気にしないよ。だって、おいしいんだもん♪(笑笑)
こういう芽が入っている茶葉とどこかで出会っても、
どうか『焦げてる。』なんて勘違いしないでね!
枯れた部分をくっ付けて逞しく伸びてきた新芽のほうも同時に見てあげてね!
少し曲がっているのはね、硬くなった芽頭を『うんしょ!』って突き破ったからなの!
その茶葉は、初摘みに近いという証拠でもあるよ♪
投稿者 : 20:48 | コメント (0) | トラックバック
梅家塢便り
昨夜遅くから降り始めた雨は朝まで続き、今日は曇り空。
気温は高く少し動くと汗が出る、風が強く気持ちが好い。
明日は晴れてもっと気温が上がるそうだ。
この様子だとどんどん発芽するだろう。。。いいぞいいぞーっ♪
あれ?そういえば、梅家塢の紅おばちゃんから連絡がないなぁ・・・。
あの高山の老蓬、まだ一番摘みにならないのかなぁ?
もしかしてもう摘んじゃった? いや、まさかそれはない。
一日前に連絡くれるって言ったから、きっとまだなんだろう。
え?もう6日なのに? ひえ~~~、本当に遅いなぁー。
梅家塢の紅おじちゃん家の高山の老蓬。
(03春天に茶摘みしている映像がある、左手で摘みながら右手で撮影した!)
あの場所は、1時間ほど登山が必要。
翁家山の歌おばちゃんの畑Aとほぼ同時期に発芽となる。
畑Aは明日頃には少し摘めるだろう。
けど、まだ少なすぎるから明後日にしたほうがもっと条件が好くなる。
きっと8日に一番摘みがくるだろう。畑Bも少し摘めるかもしれない。
もしかしたら、、、明後日くらいに《翁》の高山と《梅》の高山で
一番摘み同士がぶつかるかも?・・・うわわ、どうしよう。
紅おばちゃんに電話してちょっと聞いてみよう!
んーと?うん、今なら大丈夫。夕食後で家にいる頃。
おじちゃんは釜炒り小屋で炒茶に忙しい頃だね。
電話に出た瞬間、ひとりすごい勢いでしゃべりまくる相変わらずの紅おばちゃん♪(笑笑)
「愛子ー。忙しい忙しい忙しいよー。
どんどん発芽して人出が足りなくて追いつかない。明日来られない?手伝ってよー。
茶摘み娘が今は5人いるんだけど、足りなくて8人追加申請したのにまだ来ない。
高山?見に行ってもいないよー、それどころじゃないよー!
山の斜面の香りの好い老蓬の畑があるでしょ?
あそこがいっぱい出てきて、6人でもぜんぜん摘み終わらない。
明日もそこから先に摘む。43号も摘まなきゃいけないし、疲れた疲れたー。
高山は明日も行かないよ、明後日もたぶん登っている時間はない。
登ったってまだ少ししか摘めないはずだからさー。
愛子、代わりに見に行ってきてよっ!発芽していたら全部摘んできてー!
でも、明日でも明後日でもまだ早くて少しだと思うよ。
茶摘み娘があと8人来たら2人くらい一緒に連れて行っていいから。
あとの8人がいつ来るか分からないし、まったく早く来て欲しいよ。
もう忙しくて死にそうだよー。
高山摘んだら、斜面の畑も手伝ってよーーー!」
わわわ、すっごくテンパっている・・・。
「いいぞいいぞーっ♪」なんて喜んでいる場合じゃなかったよ、とほほ。
手伝いたいよぉ~。でも、明日は先約があるぅ~。
もっと早く電話して手伝いに行けばよかった~~~、あぁ。
9日になれば好いけれど、こればっかりは分からないなぁ。
やっぱり8日にバッティングするかも・・・あわわ。